2019年03月13日

「本好きの下剋上 第二部「神殿の巫女見習いⅠ~Ⅳ」 第三部「領主の養女Ⅰ~Ⅴ」」香月美夜 TOブックス

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第一部では、正直どうかなあ~? 読むのを止めようか迷っていましたが、読み続けて良かったです!!

第一部の最後辺りから徐々に盛り上がり、第二部辺りから、はっきりと面白くなってきました。
第二部に至って、遅まきながらようやく本書はファンタジーなんだということを理解致しました。
逆に言うと、異世界ではあっても純然たるファンタジーとは明確に距離を置いたラノベ風異世界(転生物とか)を想像していたのですが、本書も確かにありがちな転生物ではあるものの、世界観は古典的なファンタジーですね。

そこにあくまでも現代的な価値観を持った人物がその価値観を生かして、活躍するヒーロー(ヒロイン)モノだった訳です。
まあ、ガリバー旅行記みたいなもんですかね?(笑)


でもって、読み進めていくと第三部に至っては俄然、面白いだけでなく、続きが読みたい作品となりました。
ちなみに第三部はクエスト物になります。

主役の(ローゼ+)マインは、確かに階級社会を着実に登っていき、それにつれて取り巻く周囲の人達も変化していきます。
と同時に、その時は自分より上位の人々が時間の経過を経て自分より下位となり、自分より凄い!強い!お金持ち!・・・等々といった人達に対して自分が上に立つと入れ替わるかのように、更に自分の上位者が出てきます。

例えば、当初は父の同僚の兵士、次に新進気鋭の商人、ギルド町、貴族、青色巫女、神殿長、領主etc.

そして次々と生じてくる陰謀や罠の数々。

今後も最後まで楽しく読んでいけそうです。
個人的には本書のイラストには少し違和感を覚え、苦手な感じがしますが、それ以外は大変楽しみな作品です。


本好きの下剋上 第二部「神殿の巫女見習いⅠ~Ⅳ」(amazonリンク)
本好きの下剋上 第三部「領主の養女Ⅰ~Ⅴ」(amazonリンク)
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「鹿の幻影」紀田 順一郎 東京創元社

古書関連で知らぬ者などいない著名な著者による古書を取り扱った推理小説です。
著者の他の同様な作品ではそこそこ面白かったので改めて読んでみたのですが、残念ながら、本書はハズレです。

既に当時の時代背景とははるかに遠く隔たり、過去の時代の話として読んでもストーリー自体が実につまらない。
一旦、犯人が判明した後にまたいろいろと後日談ではないですが、いろんな話が出てくるのですが、その辺を踏まえても古書マニアであってもこれはつまらないんではないでしょうか。

時代の流れの中で一瞬だけ読まれても、その瞬間を超えて楽しめるだけのエンターテイメント性を持たない水準の作品です。

今では時間の無駄となった作品かと。

少し期待していたので大変残念でした。
紀田氏の作品は、時々、大変面白く興味深いものもある反面、著作数が多いこともあり、読むに値しないような作品・著作も結構あるように感じます。本書は時間の無駄な方かと。

あっ、タイトルも(説明があるものの)あまり意味がないかと・・・・。

鹿の幻影(amazonリンク)
posted by alice-room at 21:29| Comment(0) | 【書評 小説C】 | 更新情報をチェックする

2019年03月01日

「本好きの下剋上 第一部「兵士の娘Ⅰ~Ⅲ」」香月美夜  TOブックス

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売れているライトノベルで本絡みということで読み始めました。
設定的には気が付いたら異世界で・・・・といういつものパターンで著者はなろう系のご出身みたいですね。

まあ、それはいいんですが中身について。

1巻については、正直、小さな幼女が主人公で何もかもが幼過ぎて、ストーリー的にもかなり苦痛でした。
どうしてこれが人気作品なのか分からないまま、とにかく途中から面白くなることを期待しながら、2巻目へ。

徐々になんとか興味を惹く感じになってきて、3巻目を読んでるとこです。

商人と絡んだやり取りがそれなりに面白いのですが、「狼と香辛料」のような本質を突くような水準までにはいきません。
実際にビジネスをしたことがない人が知識として知っている商売の基礎知識をそのまんま、時代設定や空間を変えて誰にでも分かるまでの初心者水準にまで落とし込んだうえで、ちょっと味付けした感じというと、雰囲気伝わるでしょうか?

決してつまらなくはないのですが、ストーリーの端々に目につく表面的で深みのない説明が現実を知らない子供向きのラノベになってしまっている感があります。誤解無きように言うと、説明自体はシンプルであってもいいし、表現は簡潔であるのは良いことで子供向きであっても素晴らしい児童文学などは感動に繋がりますが、本書で感動や関心したような文章等は今のところありませんでした。

続きの4巻以降を読むか、辞めてしまうか、現在思案中です。

司書希望だった女性が死んで転生した世界が本が一般的に流通していない中世時代のような世界だったという転生ものの本書ですが、主役の女性の本についての情熱が物体としての『本』が好きなだけで内容面には一向に至らず、ビブリオマニアとも呼べそうなものではない点が本好きの私からすると、違和感ありありで興醒め感がはなはだしく、迷っています。

まあ、手元に残り4、5冊分、図書館で借りてきたのがあるので暇だったら読むかもしれませんが、他の本読んだ方がいいかもしれません???

本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第一部「兵士の娘I」(amazonリンク)
本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第一部「兵士の娘II」 (amazonリンク)
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第一部「兵士の娘Ⅲ」(amazonリンク)
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2019年02月25日

「澁澤龍彦玉手匣」澁澤 龍彦 河出書房新社

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河出の澁澤龍彦全集を全巻持っているし、読了しているので本書に出ているものも全て1回以上読んでいるはずなのに、それでも読んでいてこんなのあったっけ?というものが幾つもありました。

さすがは東氏の編集といったところでしょうか。

久ぶりに改めて澁澤さんらしさを強く感じました。

ドラコニアのところも、そういやあ~確かに読んだような気もするのですが、そうだったよなと再確認すること、しきり。

あと、本書読むまで気付きませんでしたが、鎌倉の澁澤さんのご住所が載っていたりする。
もっともグーグルマップでは、うまく特定できませんでしたけれど・・・。

装丁もちょっといい感じで手元に置いてもいいかなあ~という感じでした。
ただ・・・これ以上、本を持ちたくないので買わない予定ですが。

【目次】
プロローグ 夢の玉手箱
ドラコニア
オブジェ
文学
美術
生涯
エピローグ 澁澤龍彦という夢


澁澤龍彦玉手匣(amazonリンク)

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「澁澤龍彦」河出書房新社
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ラベル:澁澤龍彦 書評
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「道化師の蝶」円城 塔 講談社

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名前は知っておりましたが、芥川賞作家さんだったんですね。
しかも本書で。

少し前に読んだ「読書で離婚を考えた。」という本で著者に関心を持ち、あと、元々伊藤計劃の未完作品の共著でも名前を聞いていたのでいつか読んでみたいと思っていて、本書を見つけたので読んでみました。

なるほどね、こういう作風なんですね。
まあ、こういうのもありっちゃ、ありなんでしょうけれど・・・。

確かにちょっと面白い感じはします。
SFには、この手のよくありますしね。

でも、物語の途中で終わってしまった感があるのは私だけでしょうか?

神林 長平の「言葉使い師」とか西尾維新の「ニンギョウがニンギョウ」とかの方が個人的には好きだったりする。

それ以上に本書を読んで思ったのは、今はこういう作品が芥川賞なんだなあ~と驚きをもって感じました。
芥川賞受賞作品がベストセラーにならず、社会に影響を及ぼさない時代。
選者や選考基準が時代のベクトルとは違って独り歩きしているんでしょうか?
今はそういう時代ではない、という言葉で自己弁護するのは聞き飽きましたが、なんか違うだろうと思わずにはいられませんでした。

ただ、本書嫌いではないです。
単純に「スキ!」とも言えないのですが、気になる作品(?)かもしれません。
もう読まないかもしれませんが、否定的な感想は持ちませんでした。
いろんな意味で「ビミョー」かも?

【目次】
道化師の蝶
松ノ枝の記


道化師の蝶(amazonリンク)

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ラベル:書評 芥川賞 小説
posted by alice-room at 05:24| Comment(0) | 【書評 小説C】 | 更新情報をチェックする