2007年02月15日

古本まつり(西武百貨店)

昨日から、開催された西武百貨店の「春の古本祭り」に出掛けてきた。初日はあまりにも人が多く、会計も混むのが常なのでゆっくり見ようと思い、二日目にして正解だった。

事前に送られたきていた目録には目を通してあったが、予約をしてまで買いたいものもないのでチェックをするに留め、実物を見てからにしようと思っていた。結論的には、事前に気にしていた本はわざわざ高い値段で買うほどのこともなく、浪費しないで済んで良かった!

その代わりに予想外のものに散財することになる・・・それは・・・?

戦前の絵葉書だった。最近、ヤフオクや古書店で見掛ける古い絵葉書はみな結構な値段がする。普通に美術展に行っても一枚120円とかざらにするからか、古くて汚れた何十年も前のものがモノによると一枚千円以上したりするので困りものだ。

何故、困るか? それは自分も欲しいからだったりする。逆に言えば、自分の欲しくないブランド物のバックがいくら高くても気にならないが、自分が買いたいものは安くないと困るのだ(身勝手な理屈ではあるが)。

いつも高いので興味はあるけど、買わない(買えない)できたのが、今回の古書市では1枚200円とそれでも買える値段であった為、俄然やる気を出して何百枚の絵葉書と格闘し始めることになった。

正直言って、こんなものがあるのか!と驚いたり、勉強になるような絵葉書がいろいろあったのだが、ひたすら何百枚の絵葉書を漁っていて異様に疲れてしまうこととなった。

但し、それなりに収穫もあったのでせっかくだし、以下に紹介する。

大連奥町の満人劇場宏済大舞臺

大連奥町の満人劇場宏済大舞臺。昭和16年。

(大連)中華民の雑踏せる小崗子大街

(大連)中華民の雑踏せる小崗子大街。昭和15年。

大連若狭町の大連劇場

大連若狭町の大連劇場。

支那事変 南京戦線

支那事変 南京戦線~黒煙天に冲す。南京南門大街の猛火。

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満州国に薫る 趣味の新京。8枚つづりの絵葉書集。中身もなかなか面白いが一応、表紙だけ。

大戦艦 比叡

大戦艦 比叡 27500噸(トン)。

ローマ、コロッセウム

ローマ。恐らく(?)コロッセウムでキリスト教徒をライオンに食べさせているところの想像図。

軍港に入った艦隊

軍港に入った艦隊。村上松次郎画。


実は、何故か(妖怪で有名な)井上円了氏が写っている絵葉書まであったが断念した。本当はこれら以外にも興味深くて欲しいものが無数にあったのが、それでも最初に買おうと思ったうちの四分の一か五分の一に絞って購入したのである。

個人的には、昔の外国の風景や建物なども欲しくてしかたなかったのだが、実際キリがないのと、購入したら結局見ないで収納場所に困る姿が浮かんだので泣く泣く諦めた。

ただでさえ、絵葉書が好きでいろいろと集めているのでそれだけでファイルが何個にもなり、今も持て余し気味だから仕方ないだろう。ただ、今までこういうのはあまり持っていなかったので嬉しかったりする。

特に戦争中のものは、今は存在しない幻の国(満州帝国)の一瞬の時を切り取ったものである為、否が応でも歴史を強く感じさせて感慨深い。

今回は絵葉書だけで疲れ果て、本はあまり力を入れて見なかったし、期待もしていなかっただけど、思わぬ物も見つけた。

「マグダラの古文書」である。絶版になっていて、たまに見かけてもちょっとした値段だったので、いっそのこと洋書で読もうかと思いつつ、買うのを忘れていた本だった。購入して何故、なかなか手に入らなかったのかが分かった。あのつぶれてしまったサンリオ出版だったのである(納得!)。

さて、ダ・ヴィンチ・コードのブームは終わったが、マグダラのマリアへの興味は尽きない。ゆっくりと楽しんで読みたいと思う。でも、探していないのに何故か、この本が目に入ってきたのは不思議な縁を感じる。

こういうのが古書市に足を運ぶ価値なのかもしれない? 

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posted by alice-room at 22:02| 埼玉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 【その他】 | 更新情報をチェックする

「貧困旅行記」つげ 義春 新潮社

著者は一部で有名な漫画家であるが、私の好みではないので読んだことがない。また、タイトルで使われる「貧困」というのもエセっぽくて拒否反応があり、普段だったら読まない本なのだが、最初の数ページを読んでていて妙にしっくりきてしまい、読むことにした。

とにかく先週一週間と同じ仕事を来週もするのか、再来週もするのか? そう思っただけでたまらなくなり、ふっと旅に出てしまう。そんな突発的且つ短絡的行動で旅に出てしまう著者の姿が、妙に人間らしく共感を覚えます。

できるだけ、マイナーな鄙びて過疎地になったようなボロ宿に好んで泊まる著者の屈折した心情が、淡々として記述によく表現されています。

商人宿や安宿に泊まるのは、著者の純粋な好みの問題ですが、いささか枯淡というか人生に枯れ切った物事の捉えようが、微妙にいい感じです。周囲のモノに対しても、ヒトに対しても、適当に距離を置き、いつも人と接することなく、できるだけ仕事もせずに、社会の片隅に目立たずに生きていたい。その為に、離婚したばかりで自分の作品のファンという女性と会ってもいないのに結婚したら、どうだろうかと夢想し、わざわざ旅に出て会うところなど冷静に考えるとキチガイ沙汰なのだが、こういう人がリアルにいそうだし、読んでると存在を肯定しちゃう気持ちになってしまうのが不思議。

場末の町で人生に疲れた男女が出会い、一時的に互いに傷を舐め合い、やがて離れていく。まさに、社会の底辺そのものなののように見えるのだが、脱力的な生き方はあるがままでもあり、社会にはしばしばこういうことがあったりする。実に自然であるのでそれがまた本書の味わいになっている。

全体を通して、私には著者の旅の考え方に共感する部分がいくつかある。賑やかな観光地よりは、静かな一軒宿や一人旅を愛し、うらぶれた中での人の生活への慈しみ的な部分はまさに思いを同じくするが、同時に著者には違和感を覚えることも多い。

一泊一万円を超えるとこに泊まって貧困旅行とはさて如何に? まして、車で移動しているのには、違和感以外のなにものでもない。公共交通機関(鉄道、バス)か、死ぬほど歩けと言いたい。

更に言うと、自腹でなく領収書の認められる(=出版社持ち)旅行は『旅』ではない、それは出張であってそんなもので大層な旅行記を書かれては、嫌悪感さえ覚える。

行き当たりばったりの旅をしていて宿が見つからないので綺麗でないところや安宿に泊まるというのは、分かるがあえて汚くてボロイところに泊まりたいというのは、私には気持ちが分からない。

私も奈良や東北で商人宿や宿坊など、いくつか泊まったことがあるが、可能な限り綺麗なところか、古くても歴史のある建物(旧陣屋旅籠)などに泊まりたいと思う。勿論、安くね。

鄙びて寂れた、うら悲しさには確かにそそられるのだが、清潔でないところはパスしたい。著者は更に静かでいいからと鉱泉の宿を温泉よりも好んでいるが、選べるならば私はしっかりと効能のある温泉を絶対に選ぶ! 

とまあ、ずいぶんと違いもあるのだけれど、それでも本書には一人旅を愛好する人なら、たぶんに共感できる要素があると思う。私の場合であるが、今でも時間に余裕がある時やなんかどうしょうもなくなると、ふとやってしまうのが、手ぬぐい3枚(温泉用)と下着と靴下の替えに、現金とクレジットカードを手にふらっと来た電車を乗り継いでいくことがある。

乗り込んだ電車の終点(基本はターミナル駅)まで行き、そこから接続していて乗ったことのない電車に乗る。缶ビールは駅の売店で冷えたものを購入し、同時にワインはペットボトルに移したものを
ちびちび飲みながら、文庫本を読みふける。気が向いたらキオスクで時刻表を買ってどこまで行けるかを調べてみるのも面白い。

但し、どこかに行こうとして調べるのではなく、乗った電車がどこに行くのかを調べる為に。田舎に行くほど、電車の接続は悪くなる。接続待ちで一時間や二時間近くというのがあるので、そうしたら、駅から出て町を歩くのもいい。食堂があれば、食事をしてもいいしね。この点、18切符などは非常に都合がいい。もっとも地方であれば、駅員さんに話せば、そのまま外に出してくれることもままある。

都内と違い、無賃乗車や悪質な客でもないのである程度は融通を利かせてくれるものだ。相手に迷惑をかけないようにしている限り、人はそこそこ親切なものである。これはどこの国に行っても通用する(場合が多い)。笑顔と挨拶さえ、できれば世の中は渡っていけるものだ。

温泉地なら、その間に共同浴場か立ち寄り湯でさっと一風呂浴びてくるのもイイ。ちょうど電車も来る時間だし、湯上りに暖かい車内で揺られながらほろ酔い加減のお酒もまた楽しい♪ 勿論、飲み過ぎないようにしないと周りに迷惑ではあるが・・・。

その点、著者は下戸なのかな? 本書ではお酒に関する記述はない。私なら酒を少しづつ飲みながら、旅の日誌を書くのもまた楽しい♪ いろいろなことが頭に浮かび、思ったこと感じたことを車内で書き留めるのはなんとも言えず、素敵だ。

宿に泊まり、夜、TVも見ずに明日どこに行こうかな?っと思いつつ、ふと思いついたこと、今日の出来事をノートに書くのは一人旅の特権だと思う。人と行くのは楽しい時は、確かに楽しいのだが、自分と向き合うこういう時間が取れないのが残念だ。

人は環境が変わると、思考も思いも変わっていく。著者がする旅の中で何が変わったのかは分からないが、著者も自分と向き合って内省的に物思いに沈むようだ。もっとも、著者自身、神経衰弱で精神的に病んでいるそうでその傾向は一層強い。

世の中をアグレッシブに生きていくタイプの人には、本書は不向きであり、逆に軟弱で駄目人間と叱咤されかねない内容の本だが、弱くて自分は駄目かもしれないという人は救いになるかもしれない?

そこまでいかなくても、ひっそりとそして淡々と生きていくだけで満足できる人が読んでもいいかもしれない。私はそこまではいかないが、好意的に言えば、癒されるような部分を感じたりもしました。昔読んだ、井伏鱒二の小説に出てくる(タイトルを忘れた)宿の話と何故か類似性を感じました。あの小説に出てくる旅人もなんか、著者に近いんだよねぇ~。

読んでも何の訳にも立たないけど、ある人々には癒しになる内容です。もう駄目駄目人間であるのを肯定しちゃいます?(苦笑)

ちなみに、本書内で著者が訪れたいくつかの土地は私も旅行で行っており、宿泊したこともあるが著者とは全く違い感興を抱いた覚えがある。しょせん、同じところであっても人によって受け取り方は違うということだけ当然だが、書いておく。

河口湖で一週間何もせず、酒ばかり飲んで雪の降る別荘用マンションに閉じ込められていたり、奥多摩の民家の離れに同じく一週間篭っていたり、人生はあっという間に浪費されてしまうものであることを記憶に留めておこう(独り言)。


貧困旅行記(amazonリンク)
ラベル:書評 旅行記
posted by alice-room at 20:33| 埼玉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 小説A】 | 更新情報をチェックする

「図書館読本」本の雑誌社

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まさに図書館にあった本で、図書館の本購入予算や実際に図書購入方法など、興味深い事柄が数多く載っています。本書に書かれていた項目をざっと箇条書きにしてみると・・・。

・図書館の職員の採用、人事
・図書購入予算と貸し出し数との関係
・実際の購入方法(←図書館用の独自ルートがあることは初めて知りました)
・図書館の職員の日常的な仕事
・他の図書館と連携した本の貸し借りの仕組み
・本の盗難、雑誌の切り抜き被害
・図書館の会館時間や休日
・人気のある新作本の複本(=複数購入した本)の必要性とその後の処理
・不要本の処理方法・・・廃棄やリサイクルとして住民に解放
・寄贈本の受け入れ

などなど、分かっていると更に利用しやすくなることも多く、図書館をよく利用する向きには役立つかも? と同時にその素晴らしい長所と、お役所故の限界とが見え隠れするのでいささか複雑な気持ちにもなります。

私個人の場合、できる限り図書館を利用したいのですが、普通に働いているとなかなか難しいですね。図書館の一番の利点は、倹約以上に読み終わった本は返却するから、本が部屋の空間を占拠しないことが最大ポイントだと思うのですが、わざわざ休日の一日を図書館に当てるのはもったいないんですよねぇ~。

基本的に職場近くの図書館で昼休みに食事時間を削って利用するか、定時で帰れるときに図書館に寄ってから駅に向かうかしか、ないんですよねぇ~。土日は外出してるか、家で寝ていたいし。

あと最近は本屋で探しても読みたい本が置いてない場合が非常に多い。すぐ絶版になるし、結局ネットで検索して買わないと入手できず、読めない場合が多いのが実に辛い。

その結果、amazonや古書店のサイトを昼休み中、検索し、注文しておいて自宅で本を受け取って電車内で読む。このパターンが一般的だったりする。で、読み終わって使えると思えば、蔵書にするが、不要だと思えば、友人に譲るか、宛てがなければ、古書店に売ったりすることになる。幸い、マニアックな本が多いのでそこそこ売れれば、それはすぐに次の本購入代に消えるというサイクルを繰り返している。

なんだかなあ~?

ただ、今は時間がかなりあるので図書館から借りて読んでる本も多い。うちのブログの3割ぐらいはそうかな? 購入して読むのも結構あるが、その大部分は古書店経由が多い。新刊の半額だから、単純に二倍買えるのと、普通の本屋で扱っていない本が多いので結局古書店しか置いてなかったりする。困ったものだが、古書店巡り自体はそれ自体楽しいのでいいだが、図書館にもう少し本があると嬉しいな♪

良く言われるが、図書館に並ぶ本を見ているとその町の文化レベル
が分かるというのは真実だと思う。個人の本棚にある書名を見るとその人の人格も伺えるのと同様、図書館というのは実に興味深い。

大きな都市にある図書館で蔵書数があっても、収集内容から私的にはあまり使えないと感じるところがある一方で、蔵書数の割りに(借りる人がいないのではと、おせっかいながら心配してしまうような)マニアっぽいのを多く集めているところがあり、図書館をうろつくだけでも楽しかったりする。

これは街中の本屋でも言える。八重洲ブックセンターは、ある意味良識的なバランスの良い品揃えだと思うが、これという本を探してもほとんどない。神田の三省堂もどちらかというと、この類であろう。

逆に西武のリブロ(池袋)は、以前はかなり趣味志向の強い品揃えで、普通では置かないキワモノっぽいものや実に売れなさそうな、高価だけどいいものを置いていたが、会社が傾き、アート事業からの撤退等のあとは、実につまらない品揃えになった。単純に売れる本を並べるという効率至上主義にここも陥ったようだ。

ジュンク堂は、確かに大きくて数はあるが、どうにもセンスがない。取り扱い数があるので丹念に探すと欲しい資料を見つけることもあるのだが、ただ数があるのでたまたまそういった資料もあったというレベルで内容が分かって意図的に揃えているのではないのが、嫌い。

とまあ、好き勝手なことを書き連ねたが、職場の近くに夜遅くまでやっていてセンスのいい本がたくさんある図書館があれば一番幸せなのだけれど・・・。そううまくは行きませんね。

図書館の内側での苦労をこの本で知ると、そう思いました。あっ!関係ないけど、今日から西武で古書市始まった。行きたいなあ~。

図書館読本(amazonリンク)
ラベル:図書館 書評
posted by alice-room at 00:33| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 本】 | 更新情報をチェックする