2008年06月21日

「R.O.D」2巻 倉田英之 集英社

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書痴、あるいはビブリオマニア、本オタク・・・全ての呼称にあてはまるような女性が主人公で本にまつわる事件を解決していくエンターテイメント系(ほとんどそうだろうけど・・・)ラノベ。

普段は、とろくていささか鈍い20代女性(非常勤教師、現在求職中)が本に関することになると、異様なまでの行動力を発揮したりします。実は大英図書館の特殊エージェントの身分を持ち、特殊な能力を駆使したりもするのですが・・・。

本書の一番のウリは、まず男性しか浮かばない本の世界に若い女性を主人公とした新しい領域を開拓した点でしょう。ファッションを初め、女性が関心を持ちそうなあらゆる分野を無視して、本至上主義を生き甲斐とする女性主人公。そのアイデアだけでもユニークですが、それがジェームスボンドばりの活躍をするんですから・・・・!

でもね、読んでいて読者が一番楽しいのは、主人公が本質的に本好きの仲間的な要素をたくさん持っているところ。古書市で我先にと駆け込んで狙った本を獲得する情熱(それに付随する行動)が共感をよぶんですよねぇ~。

エレベーターにすぐに乗り込まず、閉まる直前に乗って、扉が開いた時にすぐ出れるようにする、な~んてのは気持ちが痛いほど分かりますねぇ~。私は、最近古書市すら行ってないんで駄目ですけど。

とにかく本が好きな人だったら、主人公に強烈な親近感を覚えざるを得ません。一緒に、買った本の品評会や感想大会でもやりたくなるますって!絶対!
(もっとも本の為に、友情さえ犠牲にするところなんて、リアル過ぎ(笑))

今回の舞台は、世界一たくさんの本を集めた日本の書店が舞台。高層ビルの地上40階、地下6階が全て本という書店は、それだけでもワクワクするお話ですよねぇ~。

本好きな方、読んで決して後悔はしないと思う小説です。夢の中でまで本読む主人公は、なかなかにレアですし。

【余談】
挿絵を描かれているのって羽音たらく氏なんですね。おねがいティーチャーの。どうりで馴染みのある感じがしてたのですが、納得しました!

R.O.D〈第2巻〉 (集英社スーパーダッシュ文庫)(amazonリンク)

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posted by alice-room at 12:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 小説B】 | 更新情報をチェックする
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