2008年06月22日

狼と香辛料 第1話~第13話(7話未見)

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確かに巷で評判になっているのは知っていたのですが、ちょっぴり中世風の甘っちょろいファンタジー物だと勝手に誤解しておりました。ヒロインが可愛い系で、やたら裸っぽいイラストを目にしていたので観るのを後回しにしていたのですが・・・。

初回を見るなり、うむむと惹き込まれてしまいました。いきなり冒頭の狼を祀る地域限定の習俗が、教会(暗にキリスト教教会を示す訳ですが・・・)側から見た時、どれほど異教的風俗として目に映るかなど、まさにケルト的な土俗の宗教儀式がキリスト教的価値観に駆逐されていく中世ヨーロッパの姿を彷彿とさせます。

行商人の活躍や各都市毎に商館を置く姿なども、まさに都市が確立し、都市の特権階級を形作り始めた大商人が王や貴族と対等に渡り合い交渉するだけの地位を勝ち得ている時代に他なりません。

しっかり、為替制度などの説明があるかと思えば、貨幣改悪による、経済的・政治的安定性を損なう危険性の指摘など、ややもすればこの手の物語の世界では無視されがちなディテイールをしっかり踏まえたうえでのストーリー構成で、実に楽しくてなりません。

原作がラノベだそうですが、ラノベもこういうレベルまできているんですね! つ~か、普通の小説よりか、はるかに舞台となる世界観の水準高いんですけど・・・。どこまで読者が理解して読んでいるかは置いといて、アニメとしてもよっくできています。

主人公は、狼が人の少女の姿をとりし者と村や町、都市を渡り歩く行商人。二人が旅をしながら、いつしか分かりあい、微妙な親愛の情をはぐくむというのものですが・・・この辺はラノベっぽい。

でも、いい感じです。このアニメは、商人としての商業活動が普通にストーリーとして組み込まれているのですが、物の値段の交渉やリスクの考え方など、基本的ながらも逆に、子供たちに見て勉強して欲しいかも? 資本主義の世の中なのに、なんにも知らないまま生きてる人多過ぎ~。

ネットで株のデイトレもいいのですが、何事も基本知らないと痛い目にあいます(知っていてもあうのですけどね)。信用のない人々に、信用貸しをさせている現代社会では、信用の大切さ知らないからなあ~。

貸した金を返さない人は、昔のように奴隷として売られてもいいのでは?と心情的には思う私ですので、契約を破った者は徹底的に追い込みかけて当然でしょう。個人的にも仕事だったら、追い込みかけますし・・・。

それらも含めて、信用の大切さ。あの時代の実力行使でしか債権が回収できない社会状況なども踏まえてみると、さらに面白いです。

香辛料が出てくるのも、いかにも・・・という感じで暗示(or 明示)していますが、羊飼いという設定も実は意味有りそう。中世においての羊飼いは、村人とは相容れない独自の存在であったことは有名ですしね。予備知識があればあるほど、より一層この世界観を楽しめること間違い無しです。知らなくても十分に楽しめるけどね。

勿論、単純にヒロインも魅力的です。ヒロインは一見すると美少女なのですが、実は神とされた狼で大昔から生きてきた知恵者であり、人生の先達者的立場から、行商人に接する一方、オスに対して巧妙な媚びの売り方を分かっていてあえてしたりと、行商人をからかいます。

その辺のたわいない掛け合いも楽しく、見ていて「くっくっくっ」と笑えてしまうのも大きな魅力です。商人も損得勘定に長けている割に、時々抜けていて、いい人系のキャラで好感を持たれるタイプです。

いかんなあ~、悪徳商人でないと大商人なれませんって! いささか夢見がちな青年ってところでしょうか? ゆとり世代かと思うような綺麗事を言うのですが、それがヒロインには、歯痒いものの結構気に入られているようです。

是非、阿部謹也氏にご覧頂きたかった作品ですねぇ~。私は大いに気に入りました。今度ラノベも読んでみよっと!!

狼と香辛料1 限定パック(初回限定生産)(amazonリンク)

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「中世の星の下で」阿部 謹也 筑摩書房
「中世の窓から」阿部 謹也  朝日新聞社
「名もなき中世人の日常」エルンスト・シューベルト 八坂書房
「中世ヨーロッパの都市の生活」ジョゼフ・ギース、フランシス・ギース 講談社
「中世のパン」フランソワーズ・デポルト 白水社
「刑吏の社会史」阿部 謹也 中央公論新社
「甦える中世ヨーロッパ」阿部 謹也 日本エディタースクール出版部
「中世社会の構造」クリストファー ブルック 法政大学出版局
「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」藤代 幸一 法政大学出版局
「ヨーロッパの庶民生活と伝承」A.ヴァラニャック 白水社
「狼男伝説」池上俊一 朝日新聞
posted by alice-room at 23:15| Comment(2) | TrackBack(0) | 【漫画 アニメ】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
剣と魔法のかわりに経済が重要な要素をしめるという点が面白いですね!
アニメ版と原作を比較すると原作の方が心理描写が細かいです。
僕は、アニメ版から入ったので、最初は説明のし過ぎだと思いましたが、そのうち気にならなくなりました。(笑)
ロレンスとホロの声優が、『コードギアス』のルルーシュ&カレンと同じなので、そのギャップも楽しめます。
なにしろ「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命ずる、お前たちは……死ね!」などと言っていた人物がロレンスを演じていますから。(笑)
Posted by lapis at 2008年06月24日 00:06
世の中には、気付かないだけで面白い作品が実にたくさん存在していることを痛感させられました!
お話を伺って益々、原作を読んでみたくなりました(笑顔)。
しかし、lapisさんの興味の幅広さと情報収集能力には、驚きですね。ギアスもしっかりチェックされているんですね。声優さんそうなんですかあ~。
見ようかな?っと思いつつも、実はまだ観た事ないんですよ~。あれも今は2期目でしたよね。

他にも見たいアニメや映画も山積みなのですが・・・それ以上に、読見終わった本で書評を書こうと思っているのが3,4冊分もあるまま溜めてしまっています。う~読んだ内容を忘れてしまう・・・。

学習するスピードよりも忘却の速度が速くて、悲しいこの頃です(笑)。でも、面白いのがたくさん待っているのは嬉しい限りです♪
Posted by alice-room at 2008年06月24日 23:06
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