
本書を読むのは、2回目となる。前回は忙しくて書評を書かかなかったので改めて自分流に解釈したうえで書いてみる。
一読目は、かなり面白かった。普段自分で無意識にやっていることを明確に順序立てて整理されており、その意義をそれぞれ解説されていたので、改めてなるほどと頷かされる点が多々あった。
同時に、基本的な考え方は正統派的でもっともなものの、現代の情報セキュリティの厳格な運用を求められる職場環境で、仕事に関する情報を著者のような方法で管理することは有り得ないし、管理できてしまう会社は、問題有りだと強く感じた。以前も別なところで触れたが、gmailへの仕事メールの転送やUSBメディアの職場PCへ接続、個人的ノートPCへの仕事情報の保管は、原則禁止の企業が現代は増えている。
今回は、それらは重複して書かずに本書内の方法論として二次利用や再利用できるものをメモしていってみようと思う。
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知的生産のスキル向上に不可欠なもの
1)原理原則を学ぶ
2)原理原則論に従ったテクニック、即ちケースを学ぶ
3)ケースを手本に、自分のやり方を試行錯誤して身に付ける
ここでいう、1)2)の部分を進めいきたい!
フレームワーク力:ある目的に沿って整理された思考の枠組み。
・・・私的には言うならば、本を読むときの目次がまさにそれが当たる。それ故、面倒ながら本書の詳細の目次を書き出してみた。本を一読後、目次だけ見れば、ほとんど内容を思い出せるはず。読み始める前にこれを頭に入れて読む事も当然、有効。
ディープスマート力:ある分野における長年の経験に基づき、時間をかけて私達の仲に暗黙知をためて新しい洞察ができるようにあること
本代をケチらずに~。
確かに自腹を切って購入する事で、必至になって読む効用がある。但し、無駄な本だと分かっても金を出したからと最後まで読み進めようという気持ちが生まれるのが私は嫌い。
何よりも、本を買う事で読んだ気になり、積読になる危険性を憂える。その為、可能な限り図書館で済む本は、借りて読む。何故なら、返却期限があるので原則、その期間中に読了する。重いものをわざわざ借りているので全く読まずに返す事はない。読めない場合でも、15分ぐらいでざっと目を通し、本当に読む価値があれば、改めて買って読む。また、読了して再読する価値がある本は、即座に購入リストに入れて後日買っておくことにしている。このやり方の方が私は確実に多くの本と出合え、読めると確信する。
但し、手元に置いておく価値のある本は必ず後日買う事! その時にお金をけちるのは間違いだと思う。また、全て購入本に限ると、少しだけ興味があるが、最後まで読むか不明の本には手が出なくなるので自らの好奇心を狭くする危険がある。本を投資と考える考え方は、浅ましくて絶対にしたくないし、浪費も愚かだと思う私の思考方法には、このやり方が一番マッチしていると思う。
耳の活用。
これは、私がもっともできていない課題。MP3プレイヤーの利用なども過去何度か試しているが、通勤時間なら、それよりも睡眠や読書に当てる方が効率が良いように感じてしまう。ただ、可能な限り複数の感覚を利用するのは、絶対に好ましいはずだし、その方が体験的にもうまく機能するので何らかの形で実施していきたいと考えている。
読書法。
線を引かないのは当たり前ですが、私は常に本の表紙裏に付箋を数枚貼っておきます。読みかけのところにしおりを挟んでいるのでは落ちてしまって、駄目なのでしおりとして使う他、後でブログにメモしようとか参考文献が出ていて次に読む本とかする場合、すべて付箋をつけておく。これだけで読書後の本の再利用は効率的になります。本書では、そういう点は触れられていませんね。まあ、利用法ではなくて、投資法を書かれているのでいいのですけど。
生活習慣。
個人的には、こういう要らぬおせっかいは大嫌い!! 自分のライフスタイルは、その人の人生そのものであり、思考の具現化でもあると思います。何が大切で何が大切でないか、自分の生活をどう捉えようと自由ですが、これはこうすべきという主観的解釈の押し付けは、余計なパターナリズムの産物です。私が卒業論文で少し扱ったことがあるテーマにも関わりますが、自由主義のなんたるかを理解できていない人なのでしょう。少~し、本質的な意味で浅学なところが出ていると思います。
この世の中は、投資や効率性だけでは図れません。当たり前ですけど。経済の教科書の基本である、utilityの意味をもう一度捉えなおすべきでしょう。もっと、視野の広い本を読まれることを切に期待したいです。
基本的に著者の本、嫌いじゃないし、どちらかというと好きな点多いし、読む価値があると思うのですが、時々、本質的な部分で明確な誤りがあるので注意して読まなければと思います。
でも、最近出たこの手の本の中では、確かに売れるだけの要素が揃ってますし、方法論は素晴らしいと思います。ただ、本書のままでは現在のビジネスの実情に合わないので、最低でも一工夫しないとそのままでは使えません。そこまで分かって利用すれば、得る所大でしょう!!
また、IT系の素養がある方だと、いささかなんだかなあ~と思う水準の話なので、その手の方はIT機器の利用については割り引いて考えるべきですね。あくまでも一般大衆ビジネスマン向けです。それなりの職場で仕事のできる管理職以上のビジネスマンなら、まあ、できていて当たり前のレベルのような気もします。
ナレッジベースの構築とか、もう少し会社全体に貢献するノウハウにまでは至りません。あくまでも個人ベースでの効率化に限定されていますのでご注意を!
【目次】【追記】
はじめに 数々の資格・賞を取得した新・知的生産術を公開!
第1章 自分をグーグル化する方法
情報こそが通貨になる時代
グーグルとIT機器を120%使いこなす
フレームワーク、原理原則を軸に組み立てる
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第2章 情報洪水から1%の本質を見極める技術
勝間流・1%の本質を見極める6つの技術
技術1:「フレームワーク力」をつける
技術2:「ディープスマート力」で経験値を重ねる
技術3:「失敗力」をつける
技術4:「ベスト・プラクティス」の共有で学びを分けてもらう
技術5:自分の価値を出せないところはバッサリ捨てる
技術6:本代をケチらず良書を読むーウェブ全盛時代に本でなくてはならない理由
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第3章 効率が10倍アップするインプットの技術―アナログ手法とIT機器を融合させる方法
勝間流・インプット力を高める6つの技術
技術1:何はなくともノートパソコン。自分の「補助脳」として使い倒す
技術2:フォトリーディング、親指シフト、マインドマップなど、自分ならではのOSを整える
技術3:アナログ入力とデジタル入力をバランスよく使い分ける
技術4:マスメディア情報を減らし、実体験、他者体験、良書を3大情報源とする<勝間流・読書投資法7か条>技術5:目以外の感覚器、特に耳をもっと活用する
読書投資法1:本は著者との対話。対話しているつもりで読む。
読書投資法2:すぐに読まない本でも、とりあえず買っておく。買わない本は読まない。
読書投資法3:5000円以内の本は迷わず買う。飲み代1回分だと思えば惜しくない。
読書投資法4:自分のテーマのアンテナを張っておくと、自ずと必要な本が目に入ってくる
読書投資法5:ベストセラーは読みやすいが、中身が濃いとは限らない
読書投資法6:保管しておくのは買った本の10分の1でいい。
読書投資法7:本を読むときは速読スキルを含め、スピード優先
技術6:睡眠は投資! よく運動して、よく寝る
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第4章 成果が10倍になるアウトプットの技術―マッキンゼー直伝!ピラミッド・ストラクチャー&MECEの力
勝間流・アウトプット力を高める6つの技術
技術1:自分独自のアウトプット表を作って、インプット情報を自分で確かめてみる
技術2:自分の学びを言葉で表現してみる
技術3:自分の学びを常に数字に置き換えるクセをつける
技術4:自分の学びから、情報を絞りこみ、軸を発見する
ー簡略化、階層化、フレームワーク化の方法
技術5:自分の学びをブログに統合して表現してみる
技術6:自分の学びを本として出版する
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第5章知的生産を根底から支える生活習慣の技術―すき間時間、体力、睡眠に投資する発想転換のススメ
勝間流・知的生産を支える5つ生活習慣の技術
技術1:禁煙・飲酒など、知的生産の6大危険因子を極力遠ざける
技術2:すき間時間を有効活用するクセをつける
技術3:睡眠時間をしっかりと確保し、情報整理とストレス解消に役立てる
技術4:知的生産の集中力をつけるために、体力をつける
技術5:頭と体にいい食生活を心がける
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第6章 自分の力が10倍アップする人脈作りの技術―情報のGive5乗の法則
技術1:情報を「Give&Give&Give&Give&Give」する
技術2:メールの質量を高めて、つながりを広めるー勝間流・メール交換5つの心得
技術3:コミュニティ・メーリングリストなどを活用して、人の集積基地になる
技術4:ランチミーティングを上手に併用する
技術5:自分のコミュニケーションスタイルを尊重する
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最終章 今日の5つの新しい行動から明日を変える!
今日の小さな行動から明日が変わる
新しい行動1:情報の本質を見極めるために、脳に格納箱を作る
新しい行動2:インプット力を高めるために、いい情報を脳の栄養のために与える
新しい行動3:アウトプット力を高めるために、ブログにひたすら書き残す
新しい行動4:知的生産を維持するために、できることから生活改善する
新しい行動5:知的人脈を作るために、Giveの5乗を実践する
そういえば、シンクライアントPCを使った在宅勤務などの話もあるが、時代はどちらに向かうのだろうか?
在宅勤務はえてして仕事の常態化につながり易い。一般人が24時間仕事をするのは馬鹿げた発想だと思うし、効率化は下がるだろう。個人PCに直接的な仕事関係のものは入れるべきではないと思う。
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