
ご存知、超有名な投資家バフェットの身内だった人物による、バフェットの投資に関する教訓をまとめたもの。原題だとTAO(道) なんて単語を使ってますねぇ~。
誰もが読んで理解でき、それでいて本質を突いた教訓かもしれません。
凄いなあ~と思う反面、これは確かに安全確実だろうけど、社会に必要な新分野への投資が滞りそうな気もします。
具体的には、半導体や自動車など巨額な先行投資&絶え間ない投資を必要とする産業ではなくて、一度確立したブランド等を維持するだけで安定的に収益を確保できる産業(コカコーラやブランド品等)へ、価格が適正以下に落ち込んだタイミングでの投資を推奨しています。
ビジネスとして長期的に継続可能を予測でき、無能な経営者が出てもそこそこの収益だけは確保できてしまう産業。短期的な視野のみで長期的価値から著しく乖離した株価。この2条件を満たした投資こそが、成功する長期投資というわけです。
まあ、投資家としては正論かもしれませんが、個人的にはしっくりこない点も多々有り。常に膨大な投資資金を必要として、激しい競争に晒させる業界への投資は、控えるべきだと書かれていますが、社会には必要なんですけどね。
もっともだからこそ、水もので予想できないものへの投資を諌めているのかもしれません。投資ではなくて、投機や博打になってしまいそうですから・・・。
長期投資において、信頼できる経営陣は、能力が高く、実行力があること以上に、なによりも誠実であること!これが大切だそうです。
有能で不誠実な経営者は、会社を食い物にしてしまい、株主にもたらす最終的な成果物を著しく損なうから。それよりは、無能でほどほどの能力のある経営者の方がマシとのことです。
同時に、一度信頼した経営者にはフリーハンドの裁量と絶え間ない信頼を与え、その才能を発揮することを妨げないというのもありました。
基本ですねぇ~。
ただ、ややもすれば見失ってしまいそうな『投資』の王道を再認識させてくれることは間違いありません。デイトレやチャート分析などとは全く別次元のお話ですので、読んでいて無駄ではないと思います。
個人的には、少しお薦めです!
法外な買値や売値を提示する事を決して恐れてはいけない:
・売却時にどれだけの金額を受け取る事ができるか、もしくは購入時にどれだけの金額を支払わなければならないか、という点が損と得との分かれ目となる。
・一旦、提示した低い売値を交渉の中で上げていく事は不可能であり、いったん提示した高い買値を、交渉の中で下げていくことも不可能。
上記みたいな形で、幾つかの教訓が挙げられ、解説がついている形式です。
高度な数学など必要がなく、四則演算ぐらいのできる力と周囲に踊らされない自制心の元で、基本を愚直に守ることで『成功』につながる、とのことでした。
・・・まあ、それが難しいんですけどね(笑顔)。
【目次】バフェットの教訓―史上最強の投資家 逆風の時でもお金を増やす125の知恵(amazonリンク)
リッチになる方法と、リッチでいつづける方法
ビジネスの覚悟
恩師を持つこと
学ぶとは何か
リーダーの条件
あなたが避けるべき人々
分散投資をしない理由
規律正しさ、思慮深さ、忍耐強さ
強欲の罠
売り時と去り時
注意すべきあやまち
あなたの能力範囲
あなたが支払う価格
株式市場の愚かさを利用せよ
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