2008年07月16日

「孫正義 インターネット財閥経営」滝田 誠一郎 実業之日本社

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ワンちゃんのお父さんや、iフォンと巷を騒がす元を辿れば、全てソフトバンクに行き着く昨今ですが、実は私あまり知らなかったりする。

あまりにも華々しいM&Aとかする企業って、かなり胡散臭い目で眺めてしまう保守的な私だったりする。その割にITベンチャー系のノリって好きなんだけどね。働くなら。

内情をいくつか知ってるだけに投資先にだけはしたくないと常日頃思ってしまうのも一因かも?

でもね、YahooBBで劇的に通信インフラコスト(相場)を下げてくれた点だけでも凄いけど、イートレード証券もソフトバンクなんだよねぇ~。今年、SBI(=ソフトバンクインベストメント?)証券に社名変更してたけど。確か、銀行も作ったでしょ、住信SBIネット銀行、SBIアクサ生命とか、SBI大学とか、メチャクチャ関連会社増えてません?

スカイパーフェクトTVもそうだし、キングストンテクノロジーもそうだとは全く知りませんでした。コムデックスもそうらしいし、本書を読んで絶句することしきり。

実はこのブログを書くほんの10分ほど前まで、まさにSBI証券で信用買いの注文を出してたんだけど・・・。

ソフトバンク・テクノロジーとかに一時いたことあったし、ふむふむ、だいぶ私の生活に関わっていたりもする。

そういえば、ソフト会社の流通経路は、今もソフトバンクが最大手だったりするんですよ~。vector経由で直接ダウンロード販売もあるが、パッケージとかだとまず間違いなくソフトバンクを抜きに語れない。以前、それを知って驚いたが、そもそも社名の由来がそこだもんね!

いろんな意味で興味が湧いて本書を手に取りました(前置き長くてすみません)。

本書は1999年の出版で、現在のソフトバンクを鑑みるとはるか昔の話に過ぎないが、それであっても現在の姿のルーツが本書のあちこちに散見している。それは、基本路線がぶれることなく、自ら描いた路線を進んでいる姿に他ならない。

逆説的かもしれないが、今の姿を知る為にもあえて過去を理解するには本書はなかなか好適書かもしれません。私には、大変面白い本でした。

そうそう中でも孫という人物に対して、常人と異なると感じたことを挙げてみます。
1)自らが納得の行くまで調査し、情報を集め、考えに考え抜いたシミュレーションの上で70%以上成功できると確信できたものだけを選んで、行動に移す・・・・私は、思いつきだけで行動してしまう点が多々あるのだが、大いなる他山の石かもしれない!
2)徹底的にやると決めたことをやりぬく決意・・・私の場合は、納得の行くまで計算ができていない故に、やりぬくだけの情熱と行動力を支えきれていないのだろうか?
3)目先の損を引き受けてでも協力会社を優遇せよ・・・優秀な企業が仲間として集まってくる(『損して得とれ』、やはりまず自分が相手の為に行動してはじめて人は自分の為にも行動してくれるようになるもんですね)

起業まもない頃に、病気で入院し、病院から経営をし続けた男。この情熱、思いこそが、何よりも大切なのでしょうね! うむ。
【目次】
第1章 人生は限られた時間しかない
第2章 ソフトバンク設立
第3章 孫のナンバーワン戦略
第4章 流通ビジネス事始め
第5章 草創期を支えた10人の大恩人
第6章 病に倒れた孫を襲う内憂外患
第7章 時代の寵児とならしめた孫の二乗の兵法
第8章 孫と西、宿命のライバル
第9章 ソフトバンクに挑み、敗れていった徒花たち
第10章 AX―パソコン規格統一へ動き出す
第11章 市場を席巻したDOS/V
第12章 ソフトバンク成長物語
第13章 大胆な戦略を裏打ちする緻密な計算
第14章 三〇〇年続くインターネット財閥
孫正義 インターネット財閥経営―ビル・ゲイツを超える日(amazonリンク)
ラベル:書評
posted by alice-room at 23:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 実用・ビジネスA】 | 更新情報をチェックする
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