2008年08月24日

最古の新約聖書、オンラインで公開へ

codexsinatius.JPG
【ITmediaより、以下転載。但し、引用元は消されたみたい】
1600年以上前にギリシャ語で書かれた最古の聖書写本の1つが今週、世界中の人たちに向けて初めてオンラインで公開される。

 現存する最古の完全な新約聖書とされているシナイ写本は現在、世界の4つの機関に分散して所蔵されているが、そのシナイ写本の一部が7月24日以降インターネットで閲覧できるようになると所蔵機関の1つであるドイツのライプチヒ大学は発表している。

 発表によると、来年7月に予定されている写本全体の完全公開に向けた第一歩として、マルコによる福音書、旧約聖書の一部、およびその後何世紀にもわたって追加されてきた注釈などの高解像度画像がwww.codex-sinaiticus.netで公開されるという。

 シナイ写本の一部を管理しているライプチヒ大学図書館のディレクター、ウルリッヒ・ヨハンネス・シュナイダー氏は、この写本をオンラインで公開することで、キリスト教徒にとって「根本的な重要性」を有する文書を誰もが研究できることになるだろうと語っている。

 「手書きの写本がオンラインで公開されるというのは、これまでにない取り組みだ。仮想世界を豊かにすることにもなるだろう。YouTubeともちょっと違う」と同氏。

 同氏によると、古代ギリシャ語に精通していない人たち向けに英語とドイツ語で良質の翻訳も提供されるという。

 なお同氏によると、専門家の間では、シナイ写本はバチカン写本とともに現存する最古の聖書とされており、西暦350年ごろに書かれたものとみられている。

 羊皮紙に書かれたこの写本はシナイ山のふもとにある聖カタリナ修道院から幾度かに分けて欧州に持ち込まれたものだ。ドイツ人神学者のコンスタンチン・フォン・ティッシェンドルフ氏は1844年に同修道院でこの写本を発見し、その一部をライプチヒに持ち帰ることを認められた。

 ティッシェンドルフ氏はその後、ロシア皇帝の支援を得て1859年に同修道院を再訪し、その結果、残りの多くのページがロシア皇帝に献上されることになった。それらのページはソビエト連邦が1933年に大英博物館に売却するまで、サンクトペテルブルクに置かれていた。

 「最初に持ち帰った分は確かにティッシェンドルフ氏に贈られたものなのだろう。だが、2回目に持ち帰った分については、それほど定かではない。当時の修道士らは皆、契約書に署名したが、不公平な条件を強いられたとのうわさが根強く残っている」とシュナイダー氏。

 「恐らく、多少は真実が含まれているのだろう」と同氏。

 その後の発見の結果、オリジナルのシナイ写本は現在、欧州と中東の4カ所に分散して所蔵されている。オリジナルのシナイ写本は、旧約聖書のほぼ半分が欠けている。

 今回のプロジェクトは、ライプチヒ大学がロシア国立図書館、大英博物館、聖カタリナ修道院と共同で着手したもの。このプロジェクトでは、エジプトで初期のキリスト教信者によって書かれたとされている聖書が成立した状況を詳述することになっている。

 「かつてあまりに貴重で誰にでも見せるわけにはいかなかった世界最古の文化遺物を、技術のおかげで、こうして実に高い品質で世界中に公開できるというのは素晴らしいとしか言いようがない」とシュナイダー氏は語っている。
シナイ写本の公開サイト

1600年以上前の聖書写本、ネット公開 英独など共同
【asahi.comより、以下転載】
ドイツ、イギリスが所蔵する1600年以上前の聖書の写本が7月下旬からインターネットで公開され、話題になっている。公開が始まったのは現存する最古の写本の一つといわれる「シナイ写本」。羊皮紙に書かれた写本は、独東部のライプチヒ大学のほか英、ロシア、エジプトに分散して保存されている。同大学のシュナイダー図書館長は「点在している最古の写本がインターネット上で再び一つになる。こうした試みは初めてだ」と話している。

 同大学は今年5月から所蔵する43枚をネットで公開。7月24日からはこの43枚に加え、英国に所蔵されている300余枚のうち67枚が公開された。ギリシャ語で書かれている写本に英語と独語の翻訳が添えられている。09年半ばには、世界4カ所に散らばる写本のすべてをネット公開する予定。

 シナイ写本は、4世紀ごろのもので、バチカンが所蔵する「バチカン写本」と並んで現存する最古の写本と言われる。ホームページはwww.codex‐sinaiticus.net。
こちらは同じ内容で朝日新聞のサイトからのもの。

こういうのはなんか嬉しいんですよねぇ~。勿論、読めませんけど。英語の翻訳があるということですが、「No translation available.」と表示されちゃいましたけど・・・アレレ?

まあ、いっか。続々といろいろなものがオンラインで享受できるこのご時勢。調べる事が好きな私には、幸運な時代です(笑顔)。

ブログ内関連記事
「悪魔のバイブル」、350年ぶりにチェコに里帰り
ハイテクカメラがシナイ写本の謎を解く
ラベル:ニュース 聖書
posted by alice-room at 23:01| Comment(4) | TrackBack(1) | 【ニュース記事B】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「点在している最古の写本がインターネット上で
再び一つになる。」
これってなんだかすごいですね!!
ネットの恩恵の最たるものかも。
ところで、ワタクシ8月の頭に数日ワイマールに行ってきました。
alice-roomさんなら垂涎もののアンナ・アマリア図書館へも。
ちょっとバイトもあり、館長代理氏から図書館の歴史や火災状況もうかがいました。
あそこでボロボロになってしまった本はかなり
ライプチヒに行っているんですね。
なんでも修復用の巨大な冷凍保管庫があるのだとか。
Posted by OZ at 2008年08月25日 16:21
OZさん、こんばんは。
>「点在している最古の写本がインターネット上で
再び一つになる。」

本当に凄いことだと思います!! 恩恵ですねぇ~。

>alice-roomさんなら垂涎もののアンナ・アマリア図書館へも。
ルターの聖書とか数々の貴重な書籍をお持ちだったところですよね。火災と消火活動で大変なことになってしまったとか・・・うっ、もったいない&悲しい(ヨダレ&涙目)。

その前に、行ってみたいです♪ 残っているものでも見てみたい~♪

ライプチヒで修繕されているんですか~、へえ~。冷凍保管庫というのは、意外ですねぇ~。もっとも羊皮紙など古いものが濡れるとカビによりボロボロに腐敗していく事例は聞いたことがあります。カビさせない為の環境なのかなあ~。

関心がわきますネ! 面白いお話有り難うございます(笑顔)。
Posted by alice-room at 2008年08月25日 22:54
おお!! これはすごいですね! 情報ありがとうございます。m(_ _)m

2004年に火災被害にあったアマリア図書館は、ハイドンやモーツァルトなど貴重な楽譜類も灰になってしまったりとたいへんな被害でしたが、災い転じて…ではないですが、かろうじて焼け残った地下室の資料からバッハ最古の自筆筆写譜が出てきたりと思わぬ収穫もありました。

とにかくライプツィッヒ大図書館のシュナイダー氏が言っているとおり、世界中の人がこの貴重な歴史遺産をオンライン上で「共有」できる、ここがWebのなによりすばらしい特徴であり、まさにYouTubeとはちがった意味でひじょうに画期的な出来事だと思います。「仮想空間」というのは、本来はこういう目的でおおいに生かされるべきですよね。Amazonももちろんいいけれども…(洋書や輸入CDなど、けっこうお世話になっている人)。

伝シナイ山の麓に建つ聖エカテリニ修道院は現存最古と言われ、以前NHKでも放映されて番組を見ましたが、約3000冊と言われる古文書を収めた図書館もばっちり映ってました。番組を見て心に残ったのは、「たがいの信仰を尊重しあうことこそもっとも大切なこと」という、修道院長ダミアノ大主教のことばでした。幾多の試練に耐えてきた修道院の歴史がにじみでているようにも感じ、また不寛容の時代を批判しているようにも感じました。
Posted by Curragh at 2008年08月26日 02:46
Curraghさん、こんばんは。こちらこそ、いつも教えて頂き、有り難うございます。

アマリア図書館。本当にいろいろなものをお持ちだったんですね。火災とはいえ、本当に惜しい!
もっとも、そういったきっかけで分かる事もあるんですね。うむむ・・・嬉しいような、そうでないような複雑ですねぇ~。

>「仮想空間」というのは、本来はこういう目的でおおいに生かされるべきですよね。
はい、私も心の底から同意します! 今、現在も恩恵を受けていることを感じますが、今後も益々こういった利点は増えていって欲しいと切に思います。

amazonには日本だけでなく、海外のも私もお世話になっているクチです(笑)。

>以前NHKでも放映されて番組を見ましたが、約3000冊と言われる古文書を収めた図書館もばっちり映ってました。
おお~やってたんですかあ~、是非見たかったです(残念)。

寛容とは、消極的無関心ではなく、積極的関心とお互いの尊重ではないかと思うのですが、しばしば見る世界のニュースでは積極的敵愾心しか見受けられず、悲しくなります。
あるがままを直視するのは、やはり勇気がいるのでしょうか? そういう勇気だけは持っていたいものだと強く感じるこの頃です。

コメント有り難うございました。
Posted by alice-room at 2008年08月27日 23:26
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック

「シナイ写本」がネットで公開される
Excerpt: AFPBB Newsによると、現存する最古のギリシャ語聖書と言われている「シナイ写本」の画像が、ネット上で公開された。これは大英図書館、ロシア国立図書館、ドイツのライプチヒ大学、エジプトの聖カタリナ修..
Weblog: カイエ
Tracked: 2009-07-27 21:13