2008年09月10日

「ローマの歴史」I. モンタネッリ 中央公論社

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本書はだいぶ有名な歴史本ではあるが、生粋の歴史学者ではない、数々の職業を経験した後、ジャーナリズムの世界に入った人物の手により書かれた作品で、何よりも読んでいて面白いのがイイ!

古代ローマ帝国通史を扱いながら、項目の列挙にならず、読んでいて楽しめるというのは、非常に凄いことだと思います。

しかもその面白さが、基本的な資料に基づき、人がそれぞれの価値観・欲求・運命に従い(or 抗い)ながら、生きてきた結果として歴史的な出来事が描かれているのがなんとも愉快です。

一部は、どこまで歴史的信憑性を維持しているの?っと疑問に思うような部分もありますが、基本は誠実に歴史を人の活動の結果として描こうとしているので、決してトンデモ本等ではありません。

念の為に言うと、昨今の日本の歴史(もどき)番組のように、完全に論外でデタラメな思いつきの説をあたかたも検討に値するかのように扱う民放各社の番組とは、全く異なりますのでご注意を!!
あれを見ていると、論拠のかけらもないし、ダ・ヴィンチ・コードを扱った番組同様、悪意のある視聴率狙いの曲解で憤りを感じちゃいますもん。

それに比べて本書は、歴史好き、ローマ帝国好きには、必読書ではないでしょうか? 読む価値のある本です。12表法のところなんかも、平民が貴族から勝ち取った権利というのは知っていても、そこに至る流れやそれが後の歴史にもたらした影響など、簡潔な割になかなかポイントをついた指摘があり、改めて本質を理解できたような箇所が多々ありました。

勿論、簡潔過ぎて、ええ~というようなところ(例 アルキメデス)もありますが、まあそりゃ完璧は期待しちゃいけませんね。とにかく、読んで面白いのは間違いないです。高校生の時に、つまんない世界史の教科書よりこっちを読ませておくべきでしょう。学校の先生も、こういう本を紹介してよ!ってね。

いやあ~、改めてローマ帝国って面白い!! 歴史というよりも現代の政治そのものですね。人が生きるっていうのは、常に『政治』そのものに他ならないってことを痛感致しました。
【目次】
ローマの起源
哀れなエトルリア人
農民王
商人王たち
ポルセンナ
SPQR
ピュロス
教育
立身の身
神々
市民生活
カルタゴ
レグルス
ハンニバル
スキピオ
征服されたギリシアが・・・
カトー
・・・野蛮な征服者をとりこにした
グラックス兄弟
マリウス
スラ
ローマの晩餐
キケロ
カエサル
ガリア征服
ルビコン河
暗殺
アントニウスとクレオパトラ
アウグストゥス
ホラティウスとリヴィウス
ティベリウスとカリグラ
クラウディウスとセネカ
ネロ
ポンペイ
イエス
使徒
ヴェスパジアヌス
享楽のローマ
経済
娯楽
ネルヴァとトラヤヌス
ハドリアヌス
マルクス・アウレリウス
セヴェルス朝
ディオクレチアヌス
コンスタンティヌス
キリスト教の勝利
コンスタンティヌスの遺産
アンブロシウスとテオドシウス
終末
結び
ローマの歴史 (中公文庫)(amazonリンク)

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「ローマ・愛の技法」マイケル グラント,マリア・テレサ メレッラ 書籍情報社
「カルタゴ人の世界」長谷川 博隆 講談社
「カルタゴの興亡」アズディンヌ ベシャウシュ 創元社
カルタゴ、其の一 ~チュニジア(6月29日)~
「ハンニバル」長谷川 博隆 講談社
「ゲルマーニア」コルネーリウス・タキトゥス 岩波書店
「オオカミが双子育てた」ローマ建国神話の洞窟発見
「西ゴート王国の遺産」鈴木康久 


posted by alice-room at 21:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 歴史B】 | 更新情報をチェックする
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