
ヒットラーの大演説の為の演説指導者がユダヤ人? そ~んな架空の設定のもとでの映画なのですが、これはなかなか味わい深い風刺の効いた映画でした。
豪快な笑いとは無縁なものの、クスクスっとさせられる映画です。渋谷のbunkamuraで昨日観てきたのですが、上映中ブラックな笑いが時々漏れていました(笑顔)。
ただ、いろいろと細かいところ(ブロンディーという犬の名前や、四つんばいになる西欧的な屈辱的ニュアンスなど)にもそういった精神があふれていて、日本人には理解しずらい点もあるかもしれません。私は、ツレに教えてもらって後でようやく分かりました。
でも、それらが分からなくても十分に楽しめます。一部の方には。観客を選んでしまう映画かもしれませんね。万人向きではありません。アメリカの人だったら、観ても分からないのでは・・・と思ってしまう映画です。
シニカル過ぎるイギリス映画とは異なりますが、ヨーロッパの映画だなと思わずにはいられません。いやあ~、いくらユダヤ人の監督とはいえ、ドイツでこれを作ったのは凄いなあ~というのが私と一緒に観ていた人との共通の意見です。
観終わった後、この映画に関する記事をみると、ドイツ国内でも賛否両論でそれなりに物議をかもしたようですね。さもありなん!
演技指導役のウルリッヒ・ミューエが確かにいい演技をしていますが、個人的には宣伝相ゲッペルスが結構、好き!! 目的遂行の為なら、どんなものでも利用する、徹底した『自覚的』悪党らしさがちょっと気に入ってしまいました(ニコニコ)。
上映期間はそれほど長くないので、ご興味のある方お早めにどうぞ! でも、決して万人向きではありませんのでご注意を。
そうそう、原題は"MEIN FUHRER" です。
わが教え子、ヒトラー 公式サイト
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