2008年09月15日

「SEのフシギな職場」きたみ りゅうじ 幻冬舎

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何かの書評かな? 書名と簡単な紹介を見て興味を持っていたら、本を見つけたので読んでみた。

著者の言葉によれば、SE業界の「イルイル(こんな人)辞典」ってな具合で書かれた本だそうです。実際に読んでみると、確かにこういう奴(上司&部下)いるよねぇ~と思わずにいられない人達が出てきます。

どんな職場でも、おそらく本の読者はすぐに該当する人物を頭に思い浮かべられる、そんな方々が現われます。そして、いつも貴方に接するが如く、仕事の邪魔ばかりで絶対にあんたいない方が生産性上がるよ系の上司や、お前の子守の為に会社は給料払ってんじゃねえよ系の部下などが出てきて、どこの世界も同じなのかあ~とふと自分だけの不幸じゃない事を再認識させられます。

正直、これを読んで一番実感できるのは、中間管理職の名の下に上下から理不尽な圧力を受けている人ではないかと思います。もう少し上になると、上意下達の論理が強くなりますし、下の人には、しょせん読んでも実感できません。

部署内の調整とかばっかりやって神経すり減らしたりすると、嫌ってほど分かるかも?

まあ、私の場合、SEの世界は、少し近い距離で眺めたことがあるくらいでむしろ無理難問を突きつける発注先の方だったので、事情は異なりますが、SEに限らず本書に出てくる環境は、普遍的なものです。

与えられた仕様から逸脱し、勝手なものを作成してしまうプログラマーとかさ。たとえそれが優れていたとしても、契約外のものは、価値がゼロだし、そんなもの作っているのは、遊びでしかありません。納期に遅れれば、信用問題になり、最悪は損害賠償請求や、代金の大幅な値引き要求につながります。

言われたものを作ることが仕事なのに、意欲が空回りしてこういうことをしてしまう人っているんですよ~。本人に悪気はないんだけど、仕事としては全く価値の無い事をしちゃうのが。

私の部下にもこういうことは何度もありましたし、その都度説明して、やるなと言っても納得しないんですよ~。もっとも私も社長から、言われたことありますけどね。「そんなものは僕が指示した覚えはない。指示した以外のことをしているのは、仕事じゃない!」って。

その一方で、本当に言われたことしかしないのもまた困りもので、言わなくともそれぐらいは気付けよ~。なんてこともあって、そのバランスをいち早く掴めるか否かが、『出来る人』か否かの分かれ目だったりしますね。

そんなありがちなことをする人の話が続々と紹介されています。

4コマ漫画もあって、それなりに面白いのですが、正直暇つぶしの域を出ません。読んでも何もならないですが、TV見てるよりかはいいかも?

もっともらしい教訓なんかも書かれていますが、あれは余計ですね。個人的には、そこは全部読まずに飛ばしました。この本から教訓を得るってのは、無理がありますね。何らかの付加価値をつけたい出版社側か著者のすけべ心の産物でしかありません。不要です。

知っている人なら、全部知っていることですし、知らなかった人には、恐らく無意味な話です。まあ、雑誌のコラム的にあったら、面白いかなあ~というレベルです。

SEのフシギな職場―ダメ上司とダメ部下の陥りがちな罠28ヶ条 (幻冬舎文庫)(amazonリンク)
ラベル:SE 書評
posted by alice-room at 00:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 実用・ビジネスA】 | 更新情報をチェックする
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