2008年10月19日

「聖なる空間をめぐる」前川道郎 学芸出版社

う~ん、ゴシック建築で定評のある前川氏の本ですが、著者ご自身が書かれていますが「ゴシックということ」や「ゴシックと建築空間」が理論的な本であるのに対し、本書は具体的な個々の建築物に重点を置いた本となります。

第1章は包括的な説明になりますが、う~ん、私的にはもう散々あちこちで読んだレベルで、特に意味はないです。

第2章以降、具体的な建築物を採り上げ、説明されていますが、その解説水準の深さや分量には、かなりのバラつきがあります。興味のあるものだけ拾い読みするので良いのではないかと思います。

個人的には、サン・ドニとシャルトルだけを重点的に読んだのですが、シャルトルの部分は、「凍れる音楽 シャルトル大聖堂」で著者が書かれた文章の一部に加筆・再現したものだそうで、そちらを既読の私には、あえて本書を読む意味が無かった!

ゴシック建築の持つ精緻な理論的背景などは、本書では軽くしか触れられず、あくまでも具体性を主眼においているうえに、私の一番好きなシャルトルは他の本からの引用だもんな。買う前にチェックしておいて正解でした。

この本は購入を止めました。あまりにも物足りなくて得る物ないんで。さて、この分の購入代金は別な本にあてることにしようか。
【目次】
第1章 中世の聖堂
キリスト教的フランスの成立
プレロマネスクの教会堂
ロマネスクの教会建築
シトー修道会
ゴシックの大聖堂
聖堂にかかわる用語について
聖堂の平面構成
聖堂の主廊の立面構成
聖堂の天井形式
修道院建築の構成について

第2章 ロマネスクの聖堂
ジェルミニ・デ・プレの小礼拝堂
クリュニ大修道院
パレ・ル・モニアルのサクレ・クール巡礼聖堂
オータンのサン・ラザール大聖堂
ヴェズレーのサント・マドレーヌ巡礼聖堂
トゥールニュのサン・フィリベール大修道院
フォントネ大修道院
ル・トロネ大修道院
セナンク大修道院
シルヴァカーヌ大修道院
サン・ネクテール大修道院
オルシヴァルのノートル聖堂
コンクのサント・フォワ巡礼聖堂
モリサックのサン・ピエール大修道院
セラボンヌ小修道院
サン・ミッシェル・ド・クーシャ大修道院
サン・マルタン・デュ・カングー大修道院
サン・サヴァン・シュル・ガルタンプのサン・サヴァン大修道院
カーンのサンテチエンヌ聖堂
ペリグーのフロン大聖堂
その他

第3章 ゴシックの聖堂
サン・ドニ大修道院付属教会堂
サンスのサンテチエンヌ大聖堂
ノワイヨンのノートルダム大聖堂
ランのノートルダム大聖堂
パリのノートルダム大聖堂
シャルトルのノートルダム大聖堂
ランスのノートルダム大聖堂
アミアンのノートルダム大聖堂
ボーヴェのサン・ピエール大聖堂
ブールジュのサンテチエンヌ大聖堂
パリのサント・シャペル
クータンスのノートルダム大聖堂
その他
ブログ内関連記事
「ゴシックということ」前川 道郎 学芸出版社
「ゴシックとは何か」酒井健 著 講談社現代新書
「凍れる音楽-シャルトル大聖堂」建築行脚シリーズ 6 磯崎新 六耀社
「ゴシックの芸術」ハンス ヤンツェン 中央公論美術出版


posted by alice-room at 22:22| Comment(2) | TrackBack(0) | 【書評 建築】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この本、興味あったので、
参考にさせていただきます!
Posted by hjti at 2008年10月22日 22:32
hjtiさん、こんばんは。
少しでも参考になれば、幸いです。前川氏の本なので、悪くはないのですが、他で書かれている本と比べると、物足りなさを覚えてしまいます。
ただ、たくさんの建築物を紹介されていますので、実際にあちこち行かれる時には良いかもしれません。理論的な方面に関心をお持ちなら、著者の別な本をお薦めします。
コメント有り難うございました。
Posted by alice-room at 2008年10月23日 22:38
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