2008年10月28日

特別展「大琳派展-継承と変奏-」東京国立博物館

ここんとこ行ってなかったので、久しぶりに東博へ行ってきた(先週の土曜日のこと)。

大琳派展 公式サイト
東京国立博物館

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お約束ですが、風神雷神目当て。
確かに、確立したパターンとして描かれつつも、画家によって相当印象が異なり、その推移や差異が存分に楽しめるのは良かった!

あまり予備知識のない私のような素人でも比較することによって、それぞれの作品の違いや良さが際立ち、より深い鑑賞につながる展示手法として東博的にも多用し始めてる感じがしますねぇ~。

実際、かなり効果的で人々の反応も違っていたように感じました。

そうそう、今回は酒井抱一の作品がとっても多かったですね! うん、悪くはないんだけど、インパクトというか華やかさにはちょい欠けるのも事実。個人的には人の多さもあり、それほど満足した特別展ではありませんでした。

親指のマリア 東京国立博物館

しかし&しかし、私的には琳派展よりもはるかに良かった展示があったのです。「親指のマリア」。

西美にあるカルロ・ドルチ(Carlo Dolci)の「悲しみの聖母」に惹かれて以来、東博にあるのは知っていたドルチ作(確定はしてないみたいですね)「親指のマリア」をずっと見たかったのですが、常設で展示されていない為、いつも見れないままでした。年間パスポート持ってるのに・・・(涙)。

もう見たいと思ってから、2年以上経ってる感じがします。

期せずして、琳派展の後、常設展を見ていたら、念願のこれを発見しました!! 
企画展示  特集陳列「キリシタン―大航海時代のキリシタン遺物―」

全然期待していなかったのですが、踏み絵を始め、聖遺物箱、エラスムス立像など、滅多に見れない珍品が展示されています。そして、その中の一品(逸品)として展示されていたのが、まさにこの「親指のマリア」なのでした。

作品としては小品で、少し剥落などが目立ちますが、これは私的にはドルチ以外の何者の作品とは思えません! とにかく優美な姿は、秀逸です。絶対に見るべき価値があると思います。

ほとんど見る人がいなかったのが、不思議でなりません。見てる人もちらっと見てるだけで、私などはこの作品の前でしばし張り付いて独占してましたモン! もったいない!

是非是非、ドルチ好きの方、東京国立博物館に行ってじっくり鑑賞して下さい。なかなか見れないんですから・・・。

悲しみの聖母 西洋美術館

そして、当然西洋美術館のドルチの作品(上の作品)と見比べましょう♪ なんとも言えない柔らかさを、感じます。私的には風神雷神の対比よりも、是非、西美と東博のドルチを並べて展示して欲しいなあ!! 

同じ上野にあり、ほんの少しの距離なのに、一緒に展示されることが一度もなかったはず。実に&実にもったいないなあ~。絶対にドリーム企画なんだけど、知名度無いし、客呼べないから、こういう企画はやってくれないんだろうなあ~ふう~(溜息)。

とりあえず、『キリシタン遺物』展これは見とくべきです。私的には一押しです(満面の笑み)。

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カルロ・ドルチ(Carlo Dolci)
posted by alice-room at 22:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 【芸術】 | 更新情報をチェックする
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