
仮にも雨月物語を念頭に置いて、おこがましくも「新・雨月物語」と銘打ってはいるものの、およそその水準には達していません。一応は、江戸時代のそれらしい怪談ではあるものの・・・。
読み易さとグロさ以外、全く印象に残らず、話としての面白さは微塵も感じられない。特に、秋成のあの味わい深い感慨を残す、秀逸な怪談とは比べ物にならないほど、レベルが低い。少し期待していただけにはなはだ残念です。
怪談はセンスが何よりも大切なだけに、センスがない文章で読み易いのに読んでいるのが辛くなった。
心の闇やそこにうごめく魔物はお約束だが、履行できない不渡り手形をつかまされたような感じで、それが何にも生きておらず、肩透かし感がぬぐえない。続巻に期待するほど、私も暇ではないので本書関係は二度と手にとらないでしょう。
内容のない怪談もどき好きならいざ知らず、本物の怪談を好むコアなマニアには死んでもお薦め致しません。コレ、要らないです。
曾根崎比丘尼 - 新・雨月物語(amazonリンク)
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「百物語怪談会」泉 鏡花 (著)、東 雅夫 (編纂) 筑摩書房
「怪談部屋」山田 風太郎 出版芸術社
「真夜中の檻」平井呈一 東京創元社
「怪奇クラブ」アーサー・マッケン 東京創元社
「本朝聊斎志異」小林 恭二 集英社
「ぼっけえ、きょうてえ」岩井志麻子 角川書店
「怪奇・伝奇時代小説選集〈7〉幽明鏡草紙」志村 有弘 春陽堂書店
「怪奇礼讃」E・F・ベンスン他 東京創元社
「妖怪博士ジョン・サイレンス」アルジャノン ブラックウッド 角川書店
「稲生物怪録」荒俣 宏 角川書店
古本祭りではちょっと収穫があったようですね?
プレミア付きのサイン本には興味がありませんが、好きな作家さんのサインが有るとちょっと嬉しいです(笑顔)。
個人的には中世美術の大御所エミール・マールのサイン本とか欲しかったりするんですけどねぇ~。それなりの値段で売ってたりするそうですが・・・。
まあ、それはおいといて、素敵な本を見つけて読めるのは楽しいです♪