
本書自体は、一時間もかからずに読めますが、『効率性』を最終目的にうたっている割に、本文は無駄が非常に多いです。(具体的には、プロローグ、4章、5章、エピローグには全く価値を見出せませんでした)
「レバレッジ・リーディング」はそれなりに読む価値のある本でしたが、二匹目以降のドジョウを狙って書かれた本で、もう何匹目かに当たる本書に至っては、あえて読むだけの価値を見出せません。他書の引用が散見されますが、引用されている本の方がかえって良書で、役立つのは明白です。
本当に『効率性』を求めるなら、本書は読まないことをお薦めします。
もっともこの手の本を初めて読むなら、得るものがあるかもしれませんが・・・。
例えば、ただ漫然と仕事をするのではなく、効率よくする為の仕組みを考える。パターン化したうえで、ルーティン化にまで落とし込む。その際、常に最終的な期限・目標を決めたうえで、逆算してスケジュールに組み込む。・・・・・これらは、普遍的なビジネ・ルールであり、まさに王道そのものです。
でもね、それを学ぶ為なら、本書ではなくワタミの社長の「夢に日付けを!!」を強力にお薦めします。あちらの方が何百倍もシンプルで、且つ効果的な手法にまで落とし込んであり、しかも情熱的でモチベーションアップにつながります。
本書は、なんか怠け者(=効率化の一面的表現)を前面に押し出し過ぎていて、個人的な感想としては、ちょっとイヤ! 勿論、楽をするのは私も好きですが、浮いた時間でより掘り下げたスキルへ深めていく『職人技』的な情熱も絶対に大切だと思うんですよ~。
誰にでもできる形へ落とし込む、業務の標準化・パターン化はOKなのですが、所詮ベスト・プラクティスを求めてもそれって一過性のものでしょ。誰にでもできる仕事は、誰がやってもいいんですよ。そこを通過して、自分しかできない水準にまで高めていくのも私は好きなんですけどねぇ~。
勿論、効率性の前提条件を無視しては、論外ですが、誰でもできるものは参入障壁が低くて、差別化できず、利潤獲得という観点から見た効率性はかえって落ちるような気がするんですが・・・???
おそらく著者は仕事をそつなくこなされる方なんだろうと思います。着実な努力もされる方なんでしょう。でも・・・、私的にはもっと不器用だけど、熱い情熱のもとで仕事に取り組んでいる人の方が好きだし、一緒に仕事をしていても面白い気がします。
私の経験からだと、周りから浮くぐらい突っ走って仕事をしている人も相当魅力的です。誤解されやすいけど、その手の人からは得る物、気付かされるモノが必ずあるんですよねぇ~。そういう人、好き♪
っていうか、業務の効率化って、私がどこの職場でやってきたし、今の職場でやってることなんだけどね。きちんと成果は出ているはずだし、もっとその方面でももっとスキル挙げていきたいなあ~。
私のポジションでは、部署の業務手順自体を変えられないけど、シミュレーションとして業務フローを変えれば、効率化はまだまだできるなあ~と思う日々だったりする。
いつでもチャンスに備えて、日々努力を怠らずに行きましょう♪ 個人的には、本書を読んでワタミの本が実に有用かを再認識しました。それだけでも読む価値はあったかな?
【目次】
プロローグ あなたがいつも忙しい理由
第1章 時間も「投資」で増やす時代
第2章 成果はスケジューリングで決まる
第3章 仕組み化・パターン化の絶大な効果
第4章 「Doing More With Less」の哲学
第5章 時間密度を高める「チリツモ」技術
エピローグ 人生という時間投資
レバレッジ時間術―ノーリスク・ハイリターンの成功原則 (幻冬舎新書)(amazonリンク)
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