2008年11月28日の日経の朝刊に載っていた記事がなかなか面白かったのでメモ。
一橋大学物価研究センターと価格ドットコムとの共同プロジェクト。
全商品をバーコード単位で定義したうえで、それぞれの商品を扱っている各店舗がおのおの何時何分何秒に価格を変更したか、それに対して利用者がいつ特定の店舗をクリックし購入したかの履歴からの分析。
ネット普及当初は一物一価の法則で一番安い店の一人勝ちが想定されたが現実は全く異なったものだった。最安値以外の店でも購入者が存在する。
価格は需要の強い繁忙期に大きく下げ、需要の弱い閑散期に若干戻すというパターンを繰り返す。教科書的な需要が強いと価格が上がるのとは正反対の現象が起きている。
消費者が実際に購入する価格の変動の大部分が流通段階で創出されていることを示唆する。
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これって、経済学的にも面白いがマーケティング的にも、非常に興味深い。
この記事では触れられていないが、繁忙期に価格が下げられる商品は、人気が高い商品であり、それを安く売る店とは、全体的にモノを安く売っている店(=シグナル)としてのイメージ向上に大きく資する。宣伝効果を考慮しても、トータルで売上が増すと思われる。
また、安く売ることで単位当たりの利益率は減少しても、ネットのような世界では、その減少率以上に販売個数の増分率が期待でき、トータル利益の向上につながるのも容易に想定できる(ベタな価格弾力性の話です)。
企業サイドでの価格引下げ行動も、実に合理的なものと考えられるだろう。こういうのって楽しいんだよね。でもって、それを踏まえた販促企画で利益が上がると更に愉快♪ う~やっぱりマーケティング職に戻りたいなあ~。
2008年12月01日
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