2008年12月26日

「ある巡礼者の物語」イグナチオ デ・ロヨラ 岩波書店

人に薦める本かと言えば、正直「はい」とは言い難いところがある。面白いかと言えば、そうも言えないし・・・。

だけど、人生をこれほど真摯に生きた人というのは、なかなかいないのではないだろうか?そう思わずにはいれないほど、人間の生き方としては、感銘を受けるものがある。

世界に広がるイエズス会。日本に布教に来たフランシスコ・ザビエルもこのイエズス会の一員であり、現在も世界中に広がる一大勢力である。

と同時に、世界中で学問をあれほど熱心に取り組む姿勢の根本が、本書には、垣間見られる。イエズス会の創始者たる本書の著者ロヨラが、いかにして学問に打ち込むようになったのか、それを知れば、またたくまに納得することでしょう。

とにかく信念の人であり、自分の内なる声だけに耳を傾け、次々に襲い掛かるありとあらゆる困難に打ち勝つ情熱は、まさに非凡としか言いようがありません。

人は、ちっぽけな存在かもしれませんが、『信念』それがあれば、どれほど偉大な存在になれるのかのいい例証でもあります。

私も体調が悪い時に読んでいたので、常に病いや飢え、種々の悩みに苛まれながらもそれに屈することなく、挑戦していったロヨラの姿には、
驚愕と共に強い『想い』を共感しました。

私などは、正直精神的には軟弱な部類に入るのは確実ですが、現状を肯定してそのまま怠けることだけはしたくない!強くそう思いました!

人は悩む生き物ですが、それから避けたり、努力もせずに諦めるような人生だけは送りたくない。心の底から思いました。

人は必ず死ぬわけですが、死を恐れて、周囲の目を恐れて、ただ生きているのは、やっぱり私の求める生き方ではないなあ~と考えさせられました。本書を読むと、甘えている自分が恥ずかしくなります。

と同時に、とにかく死ぬまで努力しないといけないとつくづくと考えさせられました。宗教とは、一線を置いた目で見ても、感じることのある本だと思います。
【目次】
ロヨラでの劇的な回心体験
「世俗の騎士」から「キリストの騎士」への変貌
マンレサでの浄化から神秘体験へ
エルサレム巡礼―神への絶対的信頼を秘めて
エルサレムからの苦難の帰り路
バルセローナとアルカラで学び、投獄される
サラマンカでの受難―取り調べ、投獄、宗教裁判
花の都パリでの隠れた活動
故郷スペインに帰る
水の都ヴェネチアでの地道な活動
永遠の都での霊的活動
ある巡礼者の物語 (岩波文庫)(amazonリンク)

ブログ内関連記事
「イグナチオとイエズス会」フランシス トムソン 講談社
「ザビエル」結城了悟 聖母の騎士社


posted by alice-room at 21:06| Comment(2) | TrackBack(0) | 【書評 宗教B】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
つい最近サイモン・ヴィーゼンタールのドキュメンタリーをテレビで見ました。
この方も信念の人。
生涯捕縛したナチス戦犯の数は1100人とも言われているらしいです。
ワタクシは完全に軟弱人間なので、信念を持ってあきらめずたゆまず努力する姿勢を尊敬しますが、そこまで根性いれちゃうと、人間どこか硬化してしまう気がします。
幸福にはなれないような・・・・
幸い静かな日常を送れる立場に生まれたので、まあ、少し遊びの空間を残して「努力」したいと思います。

信念つながりですが(?!笑)新年のご挨拶に
書き忘れてしまいました。
どうぞご自愛ください。
腰痛はよ~くわかります。
九の字の姿勢になっちゃいますよね。
くれぐれもお大事に。
Posted by OZ at 2009年01月03日 05:01
OZさん、明けましておめでとうございます。
腰痛は、微妙に良くなってきてはいるのですが、全快とはいかず、健康の大切さを痛感するばかりです。普段、意識していなかったことを改めて気付かされます。

信念つながり・・・笑う門には福来る、ですね!

頑張ったり、努力するのは、素晴らしいのですが、それが執念になって、視野が狭くなったり、自分の価値観の押し付けになるのだけは、嫌ですよねぇ~。

いい奴なんだし、頑張っているのは、分かるんだけど、それが行き過ぎてしまい、周囲から疎まれてしまう人って友人にもいました。

ゆとりも含めて、バランスなんでしょうね。きっと。

最近は、仕事系の本が多いのですが、読書もバランス良く(・・・実際は、単なる濫読ですが・・・)読んで行きたいですね~。
ROMして頂いている方が、いらっしゃると思うと書き甲斐もあります(笑顔)。今年も宜しくお願いします。

OZさんにとっても良い年でありますように!
Posted by alice-room at 2009年01月03日 10:50
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