2009年01月04日

「西国坂東観音霊場記」金指 正三 青蛙房

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去年から読み始めているのですが、なかなか読み終わらない(苦笑)。
分厚い本だからねぇ~。とりあえず、東国分を読んでます。

去年も坂東札所三十三ヶ所の何箇所かに行ったのですが、その縁起・由緒に関心が湧いてたので読んだ本です。以前読んだ「坂東三十三所観音巡礼」という本で、縁起等の種本として紹介されていたのが本書だったりする。

本書での扱いは、大きく分けて西国三十三札所と坂東三十三札所の二つ。別々の著者による本を、合わせて一冊にしたのが本書です。

坂東の部分について。原執筆者の執筆の契機。
ある巡礼者が巡礼途中で船に乗ります。突然の嵐で、船頭さえももう命は諦めてくれというほどの状況に陥ります。巡礼者はひたすら観音様にお祈りし、慈悲にすがります。奇跡的に嵐は静まり、無事に巡礼者は陸地へと到着するのですが、これは観音様のおかげと思い、有り難い観音様の巡礼地の縁起を記し、信心者へ役に立つことを願って書かれました。

いやあ~、キリスト教の聖人達(の奇蹟)を描いた「黄金伝説」を彷彿とさせられます。これは、『人』が対象でそれに付随して『聖地』も紹介されれるのですが、本書の場合は、『聖地(巡礼地)』が対象で、それにまつわる縁起や奇蹟、ご利益が描かれています。

値段はそれなりにしますが、全部読まなくても手元に置いて時々参照したいタイプの本ですね。私は、全部読むつもりですが・・・・。

そうそう、実際に巡礼する方も最近は増えているようですが、せっかく巡礼するのでしたら、是非本書の一読をお薦めします!!

これは、良書だと思いますよ~。一度絶版になったのが新装版として復刻されたようですが、まだあるかな? 

なお、私の地元で行った事のある岩殿観音(正法寺)とか、幾つかを読むと実際の場所では、ごく簡略化した縁起しか書かれていなかったものが、大変詳しく載っており、大変興味深かかったです。

その寺が有する現在では知られていないような栄光に満ち、参詣者が鈴生りで多数の伽藍を抱えて、まさに大巡礼地として繁栄していた時代があったことを知り、現在の閑散とした風景と思い合わすことで実に感慨深いものがあります。

本書を読んでから、巡礼地を訪れると、感慨もひとしおでしょう♪
巡礼に興味ある方には、本書は強くお薦めです!!
(まあ、昨今のアニメの聖地巡礼も良いでしょうが、こういうのも楽しいですよ~笑顔)
【目次】
西国三十三所観音霊場記図会
三十三所坂東観音霊場記
西国坂東観音霊場記(amazonリンク)

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posted by alice-room at 08:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 宗教B】 | 更新情報をチェックする
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