
ダーティペアは、リアルタイムでSFマガジンに掲載されていた頃から読んでいたので、正直何よりも懐かしいというのが一番の感想でした。
ちなみに・・・読み終わってから気付きましたが、前作はまだ読んでなかったみたい。後は全部読んでるはずだけどね。
作品自体は、時代を経ても変わらない感じがしますが、私の感性がもう当時とは違うんでしょうね。つまらなくはないが、素直に面白いとは言えませんでした。
ユリとケイの会話の掛け合いも、西尾さんの作品とか読んでると、アマアマで物足りないんですよ・・・。全体を通してのストーリーはしっかりしているのですが、全てをぶっ壊す爽快感も足りません。後半のおふざけも、ベタなアナクロニズムを通り越して、いささか失笑気味になってしまった観さえあります。
私的には、あまりいただけませんでした。本来はもっと好きなんですけど、今のご時世では、如何せん中途半端でしょう。
まあ、著者のサイン本ですし、思春期にダーティペア関係のファンの会に入っていた私としては思い出深いので結論としてはOKですが、他の方にお薦めするSF小説ではないです。時代が違うと思いました。
一応、基本設定を。
ワープ航法が発明され、宇宙中に広がった人類の勢力圏。惑星、国家を超えて、人類の存続自体さえ脅かしかねない危険が生じるようになり、超国家的・汎宇宙的な機関としてそれらの危険に対処する専門家集団が生まれた。
それがWWWA(世界福祉事業協会)。その機関に属し、ありとあらゆるトラブルを解決に導くコンサルタント(略称、トラコン)が本作品の主人公たるダーティペア。
妙齢の女性二人組(ユリ&ケイ)なのだが、本来のコードネーム・ラブリーエンジェルとは裏腹に、その活動の成果は、常に甚大なる被害(破壊)を生じさせ、惑星そのものの消失や大陸の崩壊など当たり前。世間からの呼び名は、"ダーティペア"というわけだったりする。
今回もいろいろ壊すんだけど・・・ちょっと刺激が足りないなあ~。
まあ、以前は映画も観に行ったくらい好きだったんだけど、残念です。
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