2006年01月03日

「ユダヤ・キリスト教 封印のバチカン文書」林 陽 徳間書店

fuuinn.jpgバチカン図書館の中に人知れず忘れ去られた古文書の山。その中から、偶然にも陽の光を浴びて世界に現われたイエスを巡る2000年前の公文書の数々。そこに描かれたイエスの真相とは・・・?

こ~んな感じで書かれてしまうと期待にわくわく胸を躍らせてしまいませんか? 私は以前からバチカン図書館には人類の秘められた謎や叡智が隠されていそう・・・なんて夢想しておりましたので、もう興味津々で読み始めました。そもそもこのブログのタイトル自体がバチカンの禁書図書館のイメージからつけたもんですしね!期待大でした。

で、率直に感想を述べると・・・この本つまんなかったりする。そもそもバチカン図書館の文書保管者からラテン語の古写本の写しを入手し、それをアメリカ人が調査すると言ってもなあ~、はなから胡散臭い。しかもその為にかかる費用が62ドル、英語に翻訳してもらうのに更に10ドルって昔にしても安くないかなあ~。僕が頼んでいいけどね、それぐらいなら???

まあ、ざっと内容を述べると、目次でも分かりますが、ピラト総督がローマに送った書簡やヘロデ王の書簡など、ローマ帝国の行政の活動の一環として公文書がたくさん残されているそうです。そこに書かれている内容は・・・。まあ、想定の範囲内なんですが・・・。個人的にはもっとインパクトのあるものを期待していたんだけど、そういうのはありませんでした。逆に、あまり特徴のない文章で読んでいて何度も眠そうになってしまったくらい。たぶん、他の方が読んでも退屈すると思うなあ~。

第一部はバチカン図書館の文書ですが、第二部になると第一部と関連する別な資料という形で大英博物館に所蔵された公文書の紹介になります。そして第三部になると、チベットに現存するという古文書から、イエスが布教を開始する30歳頃以前の謎の部分について、チベットで布教をしていたという話を紹介しています。

どうなんでしょうか? 正直言って、第三部にまで至るとトンデモ本のような気がするのですが・・・? 私の個人的感想から言えば、この本は大いに期待外れだし、読まなくていいと思います。何よりも退屈で辛いです。個別に資料の裏付けができないので絶対に嘘とは言えませんが、なんかねぇ~。この本出している徳間出版というのも、ちょっと信用おけないし・・・。私の偏見かもしれませんが・・・? 
【目次】
第1部 バチカン図書館、聖ソフィア寺秘蔵のキリスト公文書(幻の古文書はこうして発見された―実在した2000年前のキリスト公文書
タルムードから削除されたイエスの記録―ユダヤ・タルムードを再検証する
西洋キリスト教思想の源流を探る―エウセビオスに宛てたローマ皇帝コンスタンティヌスの書簡 ほか)
第2部 大英博物館秘蔵のキリスト公文書(ヨハネの殺害者ヘロデ王家を襲った悲劇―総督ピラトに宛てたヘロデ王の書簡
復活したイエスと総督ピラトの対話―ヘロデ王に宛てた総督ピラトの書簡
イエス磔刑に関する弁明―ティベリウス皇帝に宛てたピラトの書簡(1) ほか)
第3部 チベットのヒミス寺秘蔵のキリスト古文書―聖イッサの生涯(永遠の地チベットでのイエス伝
大いなる義人イッサ―イスラエル商人たちの証言
解放者モッサ―モーゼの誕生から出エジプトまでの記録 ほか)

ユダヤ・キリスト教 封印のバチカン文書―西欧文明が抱える巨大矛盾(amazonリンク)
posted by alice-room at 21:20| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(1) | 【書評 宗教A】 | 更新情報をチェックする
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