2009年02月14日

「プログラミングでメシを食わせろ!!」小俣 光之 秀和システム

幾つか似たようなタイトルで本を書かれている著者が、経営者(管理者)的視点から見た組織運営に関する本です。

確かに、プログラマーとしての一技術者の側面と経営者としての側面を踏まえ、いかにバランスを取り、会社全体の中で成果を挙げる方法を述べられています。

いかにももっともだと思いますが、率直な感想は「当たり前過ぎる!」ジャンって感じです。

実際に仕事をしていて、人を使う責任者にあるまじき管理能力のない方はまま見られますが(自社でも他社でも)・・・、できる管理職なら、絶対に身に付けている必須レベルの内容です。

だって、『管理』を職務とするのが管理職なのですから!

日本の会社では、管理という職務内容を知らないまま、管理職をされている方があまりにも多過ぎるので困ったものですけど・・・。

本書でも書かれていますが、例えば、部下への仕事の振り方や、実力プラスαの課題、最悪、部下が出来なければ、自分が肩代わりしても納期までに完成させることなど、基本中の基本でしょう。

その為に新人が入った当初は、一時的に仕事量が2.5倍ぐらいに跳ね上がり、洒落にならなくなるもんです。なんとかかんとか、それを育ててルーティンは部下にほとんど振れるぐらいにならねば、管理職は継続できないでしょう。

昨今、経営の合理化、効率化という題目を唱え、組織をフラット化して見かけ上のコストは落とすことで労働生産性を挙げたと勘違いする事業企画部などがありますが、あれって愚の骨頂でしょう。

現場に本来の職務以外を振ることで、短期的な間接費は減少しますが、時系列を取ってみれば分かりますが、長期的には現場の生産性が落ちてきます。

最終的には現場で追加費用(残業代、外注費等々)が発生し、本来の作業効率も落ち、全社的なトータルでも効率が悪くなる事もしばしば生じています。

行き過ぎた職務の細分化や肥大し過ぎて無駄な仕事を生み出す間接部門のスリム化など、良い側面もあるでしょうが、程度問題であり、バカの一つ覚えのような『プレイング・マネージャー』など、労働生産性を下げる最たるもののように感じます。

勿論、現場というか部下の仕事を理解していない or 理解できないのでは困りますが、管理職がメインでその現場仕事をやってたら駄目でしょう。それは管理職ではないと思います。

まあ、綺麗事ではなく、目の前に納期があったら、それが最優先なのは当然ですが、それをなんとかなる方向に持っていこうとさえしない、今の日本企業が心配ですね。

身の回りを見ても、自分の友人達の話を聞いても、段々方向性が違う向きに進んでいく潮流を感じてなりません。これが時代なんですかね。

私が無知で古い考え方なのかもしれませんが、とりあえず、淡々と仕事をしつつも時代を、企業を見ていきたいです。

すみません、全然本書の内容からそれてますね(苦笑)。
内容を戻します。

本書は、管理職としての心得の基本を書かれています。でも、思い付きを箇条書きにしたレベルで、備忘録相当ですね。

こういうのを全然意識した事のない、名ばかりの『管理職』なら気付きになるかもしれませんが、個人的には役に立ちませんでした。

一応、技術者としての管理職を対象にしているのですが、基本は普遍的な管理職としての心構えです。ぶっちゃけ、技術者がこれ読んで面白いと思うのかなあ~?

私的には全然お薦めしません。
【目次】
プログラミングと意識
プログラミングと組織
プログラミングと会話
プログラミングと人
プログラミングと環境
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ラベル:書評 ビジネス書
posted by alice-room at 08:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 実用・ビジネスB】 | 更新情報をチェックする
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