
【舞台を観た事無い方、注意!】
内容が詳しく書かれてますので、これから観る方は面白さが半減します。本レビューを読むのはお薦めしません

フェスティバル/トーキョー 金柑少年
先週の日曜日に観た舞台です。今週は花粉症で体調いまいちの為、今頃のレビューだけど、まあいっか。自分のメモ用ですし。
今回は、最前列のセンターブロック少し右寄り。ほとんど砂被り席ですね(実際は、白いライスパウダーを少々舞ってましたけど)。もうちょい後ろだと全体が把握しやすいのですが、前は前故の良さがあるんですよねぇ~。演者の息遣い、筋肉や表情の微妙の動き、これらは本当にすぐ側で感じるのと後ろで眺めるのでは全然違ったりする。
まあ、二回以上観て比べるのも良いのですけれどね。今回の作品は初見でしたが、想像とは違ったものの、やっぱり良い!良いのです(笑顔)。
元々の山海塾創成期の頃の作品のリメイク、つ~か、演者が若手になり、演出も変わっているのでしょうが、当時の雰囲気を彷彿とさせる作品でした。個人的には、あまり印象が無いのですが、暗黒舞踏とか呼ばれていたのも分かるような気がします。
土方さんとかは違うのでしょうけどね。
去年観た作品とは異なり、洗練さ・スマートさはありません。どちらかというと土着の、アングラっぽい雰囲気がプンプンしますね。それでいて寺山修司のような粘っこい粘着質はなく、60年代のヒッピーとかのような自由さ、無国籍感が漂います。
かといって、ニューウェーブ系の変な安っぽさは無いね。
以下、ダラダラと感じたことをメモ。
肉体の絡みは、一瞬、ニコ動の『兄貴』かと思いましたが・・・(苦笑)。あの推移も不思議ですなあ~。
中国の唐子のような小人が出て、あの独特の動き・仕草・表情がまたなんとも楽しい。僕は、こういうのも大好きです♪
それと三角の宙吊りの人。ビジュアル的にも、あんなにシンプルなのに、その光と闇の間に強烈な原色の色・イロ・いろ・・・・!!
網膜に焼き付いて離れません。まさか、人がぶら下がってるなんて夢にも思わなかった。そういえば、海外でのパフォーマンスで不幸な事故がありましたが、あれもこれに関係あるんだとふと思い出しました。
おまけにあの回転・回転・回転。血が頭にのぼらないか、なんか心配しちゃいました。でも、美しいのですよ~。あれを観ながら、西洋人だったら、絶対に殉教をイメージしちゃうのではないでしょうか? 私的には、そのイメージが強烈にオーバーラップしてましたが・・・。
そうそう、あと話が前後しますが、孔雀さん。
思わず、四季のライオンキングのザズーとか思い出してました。首をしっかり握っていて、当初挙動があまりにもおとなしく、フェイクだと思っていたのですが、まさかナマモノ(生物)とは夢にも思いませんでした。
舞台から飛び出してきて、私の席に来たらどうしようかと小市民的に心配しながら見守っていましたが、最後まで舞台から勝手に飛び出さなかったんですねぇ~。
演じる『場』にいる、演じない『存在』の存在は、途端に計算され尽したはずの舞台が不確定要素いっぱいの確率の場に移行し、いやあ~ライブ感たっぷりです。何しろ、読めないんですから・・・。
それが演じる緊張感とは、別な緊張感を生み出して、なんとか不可思議な感覚に囚われつつ、目が離せませんでした。
演出のオリジナル当時、匂って大変だったと聞いた干物の尻尾はどこに行ったのかと観ている時は、ずっと思っていたのですが、他の方のレビューを読んで初めて気付きました。
背景だと思っていた、草木は尻尾だったのですね。う~ん、ツレとも話し合ったけど、最後の最後までそれに気付きませんでした。あの部分は、もう少しなんとかして欲しいなあ~。
気付かせないのを意図して新しい演出なら別ですが、観客に伝わらないのはそれはそれで問題でしょう・・・。まあ、個人的な感想に過ぎませんけど。
あとね、あとね、顔が植物のようなもので隠された人物達。
あれも強烈な印象があります。全然眼が見えそうな部分がなくて、どうやって立ち位置とか把握しているのだろうと大変疑問に思いつつ、目が離せません。怖いつ~か、怪しいというか、あの仮面売り出したら、私買います。絶対に買います。でもって、会社の飲み会であれを被って参加したいと強烈に思いました。ファントムの仮面よりも、欲しくなりそう(笑)。
でもね、あれ、いいです。海藻の乾燥して張り付けたような具合に、あの色合いも好きです。やっぱり山海塾は、センスというかスタイルが秀逸ですね。そそられます。
それと、後半にいつもの花の耳飾りではなくて、金属系の光モノをただつけている、本当にただそれだけなのに、なんで?あんなに気になるの?眼を惹くの?
本当に常に新鮮で、刺激を受けます山海塾の舞台。
そういやあ~、天児さん開演前にロビーにいらっしゃってました。ツレは、今回演出に徹して演者ではないことを知らなかったようで、これから舞台なのに、アレレって不審な顔してましけど?(笑)
それはさておき、あの金属のものを投げつけた時、舞台に刺さったのは驚きました。たぶん、想定外だったと思いますよ。あのまま最後の最後まで舞台に刺さったままだったので、演者の方が怪我しないか、個人的にはすっごく心配してしまいました。まあ、幸いそんなこともなくて何よりでしたが、最後のカーテンコールの時もうまく避けられてましたし。
幕が下りた後、舞台の表面を触ってみましたが、あんなに堅いとこに刺さるなんて・・・! う~ん、これだから予想ができない舞台はいろんな意味で興味深いです。
開幕前に白い砂だと思っていたら、舞台に寄って近くで観察していたツレから、これお米だよ~と教えられて疑問に思っていましたが、舞台を観ていて米で良かった~と本当に思いましたし・・・(笑顔)。じゃないと、お腹壊すって。
まあ、いろいろと書き連ねちゃいましたが、山海塾のルーツを知るうえでも興味深い作品です。今見ても十分に新しいのですが、その当時の時代を考慮しても、別な意味で面白い作品だと思います。既成概念に囚われずに、素直に楽しめる方にお薦めです!!
パリの市民劇場だっけ? ホームグラウンド。そこで是非観てみたいなあ~。人気が高過ぎてチケット取れなさそうだけど・・・。日本だから、こんなに楽に観れるんでしょうね、きっと。
有り難いような・・・少し残念なような・・・。
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