決して、面白くて読むのを止められないという本ではないのですが、無用な知識が満遍なく散りばめられていて、まさに教養の為の教養みたいな本です。
ビジネス書を熱心に読み漁る効率至上主義の方からは、『無駄』とか『時間の浪費』とか切って捨てられそうですが・・・、だからこそ、本書は価値があるのでは・・・と思います。
本書を読んで、お釈迦様の真骨が実在し、それが日本にあることを初めて知りました。まして、それが外務省のホームページで紹介されているなんて夢にも思いませんでしたよ~(笑)。新泰寺のことです。
超宗派の【新泰寺】が何故名古屋にあるのかも疑問でしかたありませんでしが、『トヨタ伝』の本を読んでいて、トヨタと関係がありそうなことを知り、びっくりました。
これこそ、知識が新たな知識(情報)と結び付いていくパターンですね! 楽しいです♪
具体的な内容はというと、主に文献を中心としていて実際に直接現地で確認したというものは少ないです。その代わり、本当に縦横無尽にいろんなところから、情報を集めてそれをきちんと整理分類しつつ、まとめてあり、ある種博物学的な趣があります。
塔にとり憑かれた観のある著者が営々と興味に任せて、資料を集めたパワーを感じさせる内容で、世界中の『塔』の形や扱われ方などを通じて、これだけ文化的な意義を見出せるものかと素直に驚きました。
日本の古塔から、キリスト教の塔、イスラム教の塔など、その対象が塔であるならば全てを含み、その多岐に渡る幅広さも加えて、読んでおいて悪くないかも?
私、そんなに塔に興味はないんですが、本書のところどころに引用されているエピソード等に、実に面白いものがあったりして、見逃せません。
受け入れるキャパが広い方、何か新しい発見があったりするかもしれません。もっともそれを見出せるだけの素地がなかったら、単に退屈なだけの本かもしれません。だけど、私はこういうの嫌いじゃないです(笑顔)。
【目次】世界の古塔(amazonリンク)
I東西の仏塔
大和の塔婆
朝鮮の石塔
中国の仏塔
古代インドのストゥーパ
セイロンのダーガバ
Ⅱオベリスクと塔
オベリスク
ワシントンのオベリスク塔
Ⅲキリスト教の鐘塔
イタリアのカンパニーレ
サクソン塔とその社会的背景
アイルランドの円塔
Ⅳ回教塔
回教塔概観
螺旋形光塔
クトゥブ・ミナールその他
ブログ内関連記事
日泰寺 本物のお釈迦様の遺骨(仏舎利)があるお寺
「塔のヨーロッパ」佐原六郎 日本放送出版会
けっこう塔好きなワタクシ。
なんか塔ってロマンがあるじゃないですか。
物語性といいますか・・・ラプンツェルに限らず。
なんか趣味人向きなんですよ~。喜んでもらえてなによりです。
ほお~塔好きなんですね。
安直な私は、塔に閉じ込められたお姫様、塔に棲みつくドラゴンを倒して、王子とハッピーエンドとか好きだったりします。まあ、めるへんめーかーさんという少女漫画のファンで育ってまして。
おはずかしながらラプンツェル知りませんでした。慌てて検索をかけてしまった私です。へえ~、面白そうですね。読んでみたくなりました。
うーむ、なんて素直なんでしょう、alice-room さん!(笑)
ワタクシも一応りぼんは押えて育ってきましたので、めるへんめーかーさん、陸奥A子さん、あたりは読んでます。
あ、でもファンではないです。ごめんなさい。
もっとひねた子供だったので(笑)
とはいえ陸奥さんの「黄昏時に見つけたの」
なんぞはかなりツボでした。
陸奥A子さんのも読んでた覚えはあるのですが・・・どんなのでしたっけ???
うっ、所詮この程度の記憶力しかない我が身が悲しいです(涙)。
読んだ本の書名も内容も、片っ端から記憶から消え失せていく・・・。
仕事で作ったものも、すぐに忘れ去る私って・・・う~ん、幸せな人なのかもしれません(負け惜しみも含めて・・・笑顔)。