そんな澁澤氏にはまるきっかけが高校生の時に読んだこの本と毒薬の手帳です。以前にamazonでレビューを書いて忘れていたのですが、たまたま今日見つけたので自分のブログに転載します(amazonのパクリではないので・・・笑)。
では、忘れないうちに。
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生まれて初めてこれを読み、日常生活とは異なる世界「異端」の存在が歴史上の厳然たる事実であることを知らされた一冊です。今でこそ、黒魔術という言葉はRPGゲームなどで一般的になっていますが、恐らく日本でその用語を大衆化させたのは、澁澤氏の功績でしょう。まさに、この一冊の衝撃は、出版当時に思春期を迎えた人達にとって異端のバイブル足り得たのは驚くにあたりません。
マンドラゴラを始め、魔女やサバト等、西洋キリスト教の裏側である庶民の生活をベースにありとあらゆるものが概観できる格好の入門書であり、現代日本の抱える神経抹消気味な社会システムから、外れた「現代の異端」であることさえも容認している若者救いの書とも言える。それ故、バイブルなのであるが・・・・。
これを読み、改めて価値観の多様さの意味を知ることができる啓発の書でもある。もっともこれを読んだ後では、日本社会が大切にする道徳の精神がいかに偽善に満ちたものかを痛切に感じ、悩まされる心配もあるが、そこは本書が意図しないもので受け手の問題であろう。
思考のパラダイムシフトを求める方、軽く黒魔術に関心のある方、万人向きと言えるでしょう。
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なんか文章が我ながら、若い! そんな気がするんですが…?
黒魔術の手帖(amazonリンク)
関連ブログ
「悪魔学大全」酒井潔 桃源社
「悪魔の話」 講談社現代新書
高校時代から澁澤龍彦を読みはじめるとは凄いですね。僕は奥手だったので、大学に入ってからでした。
僕が最初に読んだ本は「夢の宇宙誌」でした。別の本を手にとっていたら、今ほどのめり込まなかったかも知れません。澁澤つながりということで幾つかTBさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
こんな身近なところにあったとは…。っていうか、私がうかつ過ぎ。
中学が芥川龍之介で、高校が澁澤氏。大学に入ると法哲学がはまっておりました。いかにして、人が人を罰することができるのか、個人の尊厳が最高の価値とうたいながらも、それを国家が制限する、その合理的理由に非常に惹かれたのを覚えています。あと、法律の条文の正当性の理由の一つに必ず入っていたローマ法以来の伝統による、というフレーズに感動したのを覚えています。
それだけ古くから人々が支持してきているというのは、法が社会的安定性を確保する為のものであり、同時に外国であるはずのローマが現代日本の法律にも生きているという事実、これが非常にまぶしく感じたものでした。ああっ、懐かしい思い出です。ちょっと年取ったかも?私。
思いっきり話はそれましたが、今でも澁澤氏の著作によって受けた影響は私の中で強く生きています。周りに影響されず、自分は自分で好きなものを淡々と進んでいく。これは、価値の多様性を教えてくれた澁澤氏の影響であり、個人の尊厳を学んだ法学にも根底で結びつくものだと私は考えています。
まあ、大層な事を言ってますが、単純にスキですね。澁澤さんの本は!!
アップされた写真が良い感じでした。
黒魔術~面白くてあっという間に読みきってしまいました。
私のブログに書いたのですが、
ジル・ド・レエ侯の部分は私には厳しい内容でした。
黒魔術というものを、私が初めて知ったのがこの本でした。そういう意味でも感慨深いものがあります。でも、内容がどんなものだったか記憶がいささか怪しいのですが・・・。
ジル・ド・レエ侯、かなりエグイ内容だったと思います。彼がインテリであり、ジャンヌ・ダルクの側を固めていた英雄であったことに、複雑な感情を覚えざるを得なかったことを思い出しました。後ほど、ブログ拝見させて頂きますね!
私はこれは桃源社のもので”毒薬の手帖””黒魔術の手帖””秘密結社の手帖”が一冊になっているものをもっています。(嫁入り道具の一つ?!)
高校から専門学校時代は彼と植草甚一さんが2本の
大黒柱だったものです。
現在ヨーロッパ在ですが、あるとき市立の図書館で
中世の写本の特別展示を見て自分でも驚くくらい感動しました。
闇がもっと濃くて、日本でもそうですが魔法を身近に感じていた時代、勉強すべきだなあと思います。