2009年04月09日

「カラサワ堂変書目録」唐沢 俊一 光文社

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ト学界のあの方の本です。当然、何の役にも立ちませんし、そういうのを求める人は読みません。

しかも、個人的に以前、別な本を読んでつまらないことを知っているのに時々どうしょうもなく、脱力系で本を選ぶと間違って混ざってしまうことがある、そんな本です。

本書もかなりつまらなかったです。それを分かっていて、読んでる私がバカなので文句も言えません。いろいろとちょっと疲れてしまって・・・。

うちのブログ見ても、まあ、役に立たない情報が満載なのですが、どうにも著者のセンスとの食い違いを感じずにはいられません。別に体系だった知識やアカデミズムがどうのこうのという世間的を気にしたものではなく、完全に趣味嗜好の問題として、本書で採り上げられている本がどうにも分からないというのが率直な感想です。
(前も同じこと書いた気がするなあ~成長しない私)

だって・・・おそらく私だったら、ほとんど手にも取らないし、速攻無視してゴミとしか思わない本なんだもん! 勿論、自分に関心が無い本だって、他人から見れば、素晴らしく価値があるという価値相対主義を否定する気はさらさらないんだけど・・・近親憎悪とは言わないまでも、なんでこれを評価するかなあ~と少々イライラするのも事実。

まあ、本が部屋にあふれているのは、当然一緒なんですけどね。いくら処分してもキリ無いのは本好きの避けられない宿命だし、積んだ本が崩れて死ぬ危険を甘受するというのは、分かるような気もしますが・・・。

そういうのは置いといて。
徹底的に役に立たないし、下衆(ゲス)の好奇心さえ、くすぐらない本です。でも&でも、日夏耿之助が出てきたのは、唯一興味深かった!

先日読んだ「アラビアンナイト」にもまさに日夏耿之助が出ていて、大正十四年の「世界童話体系」の亜剌比亜編で千夜一夜物語を翻訳していると紹介されたいた。その訳文が独特だというので珍しく記憶に残っていた。 

本書でも、やたらめったら小難しい漢字を並べ立てて独自の世界観を作り上げた点、「海外古典中の会話文を日本のキリシタン本や近世の小説本、歌舞伎の台詞回しなどから借りてくる手法」が書かれている。

そういやあ~、うちにも何冊か本があり、読んだ事があるのだけれど、正直たいした内容じゃなかった気がする。記憶にほとんど無い。漢字の難しさは、そう言われればそんな感じだったかも?

でも、本書を読んで彼の翻訳による千夜一夜物語を是非、読みたくなりました! 忘れなかったから、どっかで探し出して読もうっと。

それとは別だが、人外魔境小説。
私、未だに結構好きなんだけどなあ~。ブラジルのアマゾン行った時には、こっそりそれを念頭において、あらぬことを期待していたのに・・・。風土病の天狗熱が流行っていたりした時で、ドキドキもんだったのに・・・。ちぇっ!

まあ、ちょっとでも引っかかる点があったから、あながち完全に無駄とは言わないものの・・・本書はお薦めしないなあ~。これを面白がって読まれる方とは、ちょっと感性が合わないかもしれない・・・。

カラサワ堂変書目録 (知恵の森文庫)(amazonリンク)


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ラベル:雑学 書評
posted by alice-room at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 本】 | 更新情報をチェックする
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