
著者のあとがきによると、3巻までが登場人物の紹介で、4巻以降がいよいよ本筋・・・とかかれていますが、あっけにとられるぐらい4巻以降、内容もムードも激変します。
ほのぼのユル系のキャラ&展開だったものが、急にエロエロ、バイオレンス&サド系プラス現代風と変化して、ギャップがかなりありました。
それに伴い、ちょっと珍しいくらいのユル系として特色を出すのかなと思っていたのが、当たり前の今風『伝奇物』っぽいノリになって、普通の読み物になってしまいましたが、それでも読者を引っ張る力はありました。
ほとんど3冊一気に読み切りましたので。
次が気になってネ。今まで一巻毎にまとまっていたのが、4巻と5巻は続きになっていて途中で辞められませんでした。その後も、かなり引っ張るのでつい6巻まで読んでしまい、明日は残りの7巻を読み終えることでしょう。
しっかりはめられています。
基本、面白いというよりは、レレナ(半吸血鬼少女)の中途半端な善人ぶりがいたく気に食わなくて、イライラして読んでしまったのでした。
さっさともっとひどい目に遭って、吸血鬼として覚醒し、暴虐の限りを尽くすか、何にもしないまま杭でも打たれて灰となって消滅するかを見届けたいという気持ちなのですよ~(イライラ)。
よりによって、私が一番嫌いな『無知』であることを恥じず、小さな我欲(自らの感情的好悪)で周囲に迷惑をかけるエセ偽善者ぶりが、もう堪らなくムカツクわけです。
昨今多いんだよなあ~、努力したうえでできないことと努力しないでできないことを勘違いしている大たわけ野郎とか。マジ、ググれカスとか厨房とか言っちゃいますよ。
知らない事を聞けばいいって、私が社会人になって一番最初に間違いと教えられたしね。心の底から、二十歳の女性の先輩に感謝です。
ケース・バイ・ケースで聞く事も大切だし、必要なことを聞けるのも技術だけど、何も知らべないで聞く奴は、心の底から「死んで!」と言いたくなることもある。ネットで見ず知らずの人に、平気で聞ける神経は凄いというよりも、まともに教えてもらえると思っている時点で終わったと感じる私は、古いのだろうか?
前の会社で、裁判を起こすにあたり、弁護士さんと一緒に訴状の文言のチェックなどもやったこともあるが、性善説では世の中生きていけませんよ~。
勿論、だからといって良い人がたくさんいることを否定するほど愚かではないが、日本の常識は、通じない方が普通です。教科書に書かれいてるルールに従うよりも、教科書の内容自体(ルール)を変更してしまうのが世界の考え方ですからね。バサロ泳法しかり、スキージャンプの板の制限しかり。
迷走し、政争の具に過ぎない国連を、世界唯一の平和機関と妄想する教育はもう終りにすべきだよなあ~とか、ふと思いつつ、本書を読んでいました。
こういう私はひねくれ過ぎですが・・・・。
一旦、元の書評に戻すと、長編で分厚くて読み応えはあります。ただ、吸血鬼なのに、格好良くありませんし、貴族でもありません。本シリーズを通して、駄目駄目ぶりを発揮するだけで人間の知恵に翻弄される姿は、正統派吸血鬼に飽きてしまった現代人の好きなパロディの範疇に位置します。
小賢しい人間がどうやっても叶わない至高の存在こそが、本来の吸血鬼のイメージであり、それ故の物語性なのですが、それを求めても得るところはありません。
結局、よくあるラノベの一つでおさまりそうです。
それなりに読んでいて満足感(+怒り)もありますが、基本はごく普通の伝奇物レベルのバイオレンスです。
物語の途中で激変するのには、びっくりしますが、普通になってしまったが故に、読者を逃がさないですね。それ以上のものではないです。
あえて読むほどの価値はないが、暇つぶしなら可ではないかと思います。
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