解説はオーソドックスです。基本的に専門家ではなく、新聞社の記者さんが門外漢の立場から取材をして書いているので、誰にでも分かり易く、とっつき易いというのが魅力でしょうか?逆に言うと、いくらかご存知の方には物足りないレベルの解説ですが、絵が大きいので眺めるには良いかと。


フィリッポ・リッピです。一見するとなんかちょっと冷ややかにすましているような感じがしなくもないのですが…。端正な美という言葉が似合うようにも感じます。非常に品行方正の画僧が描いたとも思ってしまいそうですが、50歳過ぎて尼僧に手を出し、子供まで作って駆け落ちしちゃうんですから、なかなか熱い情熱を秘めた僧侶だったそうです。他の本でも読んだことがありますが、その後、法王のとりなしで還俗して俗人の画家として、教会に多数の絵を残したんですから、当時から評価は高かったんでしょう。と同時にローマ教会もなかなか寛容な時代だったみたいですね。個人的には、ラファエロの聖母子がNO.1ですが、その次の次に来るかな?結構、好きなだったりします。どうしても私の好きな作家さんは、色恋沙汰のエピソードの多い方が多いようですね(笑)。

エーゲ海に浮かぶサントリーニ島の壁画なんだそうです。迷宮クノッソス宮殿の怪獣ミノタウロスで有名なクレタ文明の一部がまだまだたくさん残っているんだって!紀元前1500年頃というと今から3500年以上前の文明の壁画なわけでなんか、凄いですね。ワクワクします。ボクシングをする少年が色鮮やかに描かれています。こういうのも見に行きたいですねぇ~。

お約束のボスです。プラド美術館に行った時も私的にはこれが一番でした。後はちょっとねぇ~。何度見ても、この絵ほどSF的なイメージを持つものはないなあ~。これに近いものでたまに見かけるのは、聖アントニウスの誘惑とかで、悪魔が怪しい生き物達と美女を遣わして誘惑する場面がなんとも幻想的でスキ! ボスの快楽の園につながるものを感じます。西洋美術館にある「聖アントニウスの誘惑」を見るたびに、私はいつもこの絵を思い浮かべます。

多くの画家や文人に愛されたロセッティの妻シダル。美の啓示をもたらすはずの美女も、最後は睡眠薬の大量服用による変死。いかにも優れた画家につきまとっていそうなエピソードが満載のこの画家ですが、やっぱりイイです。キツメの美女を描かせたら、ダントツではないでしょうか?テイトに行った時も見るならば、ミレーとロセッティー、後は妖精画の各種と思って連日行きましたもん。まあ、行く途中のパブも良かったけど。軽く飲んで行くと、美女がひいき目にこちらにほほえんでくれるようでもあり、普段が冷たいだけに、ちょっと嬉しかったりもする。絶対になびかないような美形好きなら、やっぱりこちらでしょう!! 西洋美術館にあるロセッティの「loving cup」も冷ややかな感じがする美女ですが、ハートマークの盃がなんとも意味深です。

これじゃなかったかな? ダ・ヴィンチ・コードの謎解き(もどき)番組で出てたニースのモナリザ? この本でもルーブルのモナリザの説明した後に、あちこちにあるモナリザの一つとして紹介してます。正直、モナリザ自体は絵として、あまり好きになれないので興味がありません。ダ・ヴィンチ・コードの本を当初、知りながら読まなかった理由にモナリザの絵が表紙だったからというのがあるくらいですから(天邪鬼な私)。まあ、自称モナリザはたくさんあるみたいです。それよりもなんでここまで人気があるのかが不思議でしょうがないのですが…?
【目次】
フィリッポ・リッピ 聖母子と天使
コンスタブル 干し草車
ボッティチェリ 春
サントリーニ壁画 ボクシングをする少年
ピカソ ゲルニカ
マネ オランピア
ルブリョーフ 聖三位一体
ジェリコー メデューズの筏
ゲインズボロ ジェイムズ・クリスティー肖像
ブリューゲル 子供の遊び
ルーベンス 二人の息子
セガンチーニ 死
クロード・ロラン デトス島のアエネアス
キリコ 街角の神秘と憂鬱
ボス 快楽の園
ベラスケス 宮廷の侍女たち
クリムト 接吻
ノルデ 仮面とダリア
ホーマ 八点鐘
ドローネー 赤いエッフェル塔
ターナー 金枝
レオナルド・ダ・ヴィンチ モナ・リザ
モンドリアン ブロードウェイ・ブギウギ
セザンヌ マルディ・グラ
ロセッティ プルセルピナ
世界名画の旅 2(amazonリンク)
関連ブログ
「美の巨人たち」日本経済新聞社 感想2(快楽の園の画像有り)
「悦楽の園」を追われて 中野孝次 小学館
国立西洋美術館にあるマグダラのマリア
ビートたけしの歴史的大発見 名画モナ・リザはもう一枚あった!
リッピ&「世界名画の旅」の悪口&シダルつながりということでTBさせていただきます。リッピ以外は強引なTBですが、お許しください。
絵は素晴らしいので、専門家に書かせれば良い本になったのでしょうが、記者のろくでもない記事は、全くの無駄だと思いました。
それでは、よろしくお願いいたします。
ただ、本自体は立派なのでちょっと抵抗感もあるので悩んでいたりもします。でも、かさばって…いささか邪魔であったりもするんですが…。
それはおいといて、TBどうも有難うございます。たくさんTBあると嬉しいですね♪