2009年06月14日

「想うことが思うようになる努力」鳥羽 博道 プレジデント社

少し前に日経新聞の「私の履歴書」に連載されていて、大変面白く勉強になったので強烈に印象に残っていた経営者です。その著者が書かれた本があるなんて知らなかったのですが、たまたま本屋で見つけて速攻で購入しました。

基本、日経で読んだのとかぶるのでどうしても二度目になる本書の方がインパクトは弱いです。実際、日経で書かれていた内容の方が、より自伝的な色彩が濃く、著者自身が主観を中心にして書かれているので、それ故に生き生きとしてリアルに描かれていると感じました。

本書は、まだまだいろんな意味で書くのに慣れていなくて、文章が堅い感じがしますし、何よりも自分の生の言葉としては、ちょっと客観的過ぎるかなあ~? 気負いがあるのかもしれません。

まあ、それはおいといて・・・。
一代で企業を立ち上げ、大企業を初めとした同業他社の脅威にも屈せず、チェーン店を広げて現在も伸びているだけのことはあります。ただ二代目に譲って、まあ、安易な路線をひた走っている観はありますけどね。

典型的なオーナー企業であったことが伺えますし、私がいろいろ社員の方に聞いた限りでも社風がそうみたいですね。渋谷の本社も1Fのお店も行ったことありますが、自分の知識と照らし合わせて読むとまた面白いです。

でも、本書の肝は、『飽くなき向上心』これだと思います。私は旅行でしか行ったことのないブラジルですが、まだ若い時期にブラジルの農園に渡って働いたというだけで、どれほどのバイタリティをつけてきたのか想像に余りあるものがありますね。

と同時に、何の為に自分は生きていくのか?努力していくのか?明確に使命感(ミッション)を持ち、その為に誠心誠意努力する。

当たり前のようでいて、まさに今の日本が一番失いつつあることのように思えてなりません。失敗しながらも、どうやったらうまくいくだろう?常にそれを考えて、努力する人に対して傍観するならまだしも冷笑的な態度をとり、それを許容する社会風潮。無知であることを恥ずべきどころか、あたかも愛嬌のある美点のように虚飾でごまかす人々等。

日本が唯一持っていた一番の美徳であり、長所はどこに行ったのでしょう? しかし、本書にはそれがあるように思えてなりません。

ビジネスをしていて、契約金を騙し取られた話なども非常にリアルです。私がいた会社の社長も創業して少し落ち着いた時に、手形のパクリとかに合ってますね。他にも自分のところに非がなくても、損を被らねばならない状況に陥ったり・・・。

悪い事をした人を恨むのは、もっとも人情ではあるが、人を恨み、愚痴ばかり言ってる奴は、やっぱりその程度の人なんだと思う。自分自身も相手のレベルにまで落ちていって自分自身も嫌な人になってしまう。

それに気付かず、いつも他人を、世間を、批判するばかりの人は駄目でしょう。本書でも書かれているが、自分は自分として割り切り、真っ当な道(=自分が納得できる生き方)を歩むしか無いと思う。

綺麗事かもしれないが、これには強く同感した。

同様にいろいろと理不尽なことがあった際、自分が周囲を、あるいは組織を、変えられなければ、自分を偽って自分が周囲に迎合するしかないし、生活の為と我慢をしていく人生もあるだろうが、私には絶対にできない。

じゃなければ、会社や組織を辞めるしかない。ただ、これも実は安易な選択だったりもする。どこに行っても似たようなことはあるわけで、その度に逃げているだけなのかもしれない。

まあ、若い頃の私は短気で悠長に徐々に組織を変えていく、な~んて根性は無かったんだよね。当時の行動は、当時ではベストだったと思うので後悔は無いが、今後も同じことを繰り返しては成長が無いので今は違う行動をせねばと思っていたりする。

あとね、本書を読んでいて思ったのは、私に欠けていて、成功した起業家にあるものって、やっぱり『情熱』あるいは『執着』だと思う。何でもそうだが、何かを成し遂げるのは知識でも能力でもなく、なんとしてもそれを達成しようとする熱い&強い、『想い』以外の何物でもない。

失敗してもそれから学び、時期が悪ければ、環境が整うまでじっと待ち、絶対に成し遂げようとする『想い』。これ、最強でしょう!

さりげなく、いわゆる「カラーバス効果」なども語られているが、想いがあって、一生懸命仕事していれば、生活の全てに意味を見出せるし、セレンディピティも訪れるでしょう。当然過ぎる帰結です。

私なんかも、それほどたいしたことないけど、仕事で行き詰った時にそれを解決するアイデアって、何気ない休日とかの外出中にふと浮かんだりしたことあります。一度、とことん悩まないと駄目ですが、悩むだけ悩んで解が見つからないときは、ふっと違うことをした時に閃くものです。

それなのに・・・何も考えずに、調べずに、解だけ求めようとする人がどれほど多いことか?

今までたくさんそういう人を見てきたけど・・・押しなべてそういう人はいっぱいいる。昨今のビジネス書も効率化を声高に叫ぶものの、どこか履き違えている感じがしないでもない。ベスト・プクティスは、大切だが、そこに至る過程を身に付けいていなければ全然意味が無い! 何故なら、周囲の環境は刻一刻と変化していく時代に、ベスト・プラクティスは常に変化していく。

ベスト・プラクティスに至る過程をモノにしなければ、どう対応していくのだろうか? マニュアルは、使用する当事者が日々更新するものでなければ、形式化するだけで機能せず、しかも使っても効率の悪いものになってしまうだろう。

現場を見るというのは、そういう視点だと思うのだが・・・。

いろいろと本書を読んで思ったこと、連想したことを述べたが、いろんな読み方ができる本です。面白いし、こういうのは私、好きです。

でも、ドトールのコーヒーを美味しいとあまり思ったことはないけどね。スタバの方が好き。ただ、スタバは店によって品質のばらつきが酷い。某所のスタバは、最悪のコーヒーを出されたが、チェーン店の難しさを感じました。これ、余談。

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【目次】
第1章 夢を与えつづけることが企業の使命
第2章 16歳で飛び込んだ喫茶業界
第3章 ドトールコーヒーショップ設立まで
第4章 危機感が人間を突き動かす
第5章 150円コーヒーの顧客第一主義
第6章 フランチャイズを成功させる要点
第7章 こだわりこそ成長の原点
第8章 想うことが思うようになる努力
想うことが思うようになる努力―ドトールコーヒー成功の原理・原則(amazonリンク)

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posted by alice-room at 22:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 実用・ビジネスB】 | 更新情報をチェックする
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