2009年06月17日

「中世京都と祇園祭」脇田 晴子 中央公論新社

来月、久しぶりに祇園祭を観に京都へ行くので予習がてら祇園祭のお勉強。

御霊会を起源として、スサノオノミコトを祀った八坂神社のお祭りというのは知っていましたが、牛頭天王信仰との関係や外国由来の疫神というのは、本書で初めて知りました。

また、茅野輪に付けられた「蘇民将来之子孫」というあの有名な奴の詳しい話が書かれていたのも面白かったです。概略は知ってましたが、時代を通じて変化していった内容にも関心を持ちました。

手軽に新書で読めるという点では、いいと思うのですが、どうですかねぇ~。決して人に薦めたい本ではありません。いささか、引用と羅列に近い感じで、そういった文献から、どういった考察ができるか!というある意味、一番面白い部分が弱いです。説明不十分で、予備知識無い私のような人には、よく分かりません。また、文章自体もうまく無いです。

読んでも読んでも、著者は何がいいたくてこの文献を引用しているのか?ちっとも分からないのが悲しい。読者が納得しないままで、著者は説明をした気になって話を進めていくっていうやつです。なんだかなあ~???

まあ、学者さんにありがちな独り善がりで読者を想定しないで書くとこの手の文章になります。

逆にいうとこの手の文章は、読者が自分で関心を持って、面白そうな文献を拾い上げるしか価値はありません。次の読書へのきっかけぐらいにはなりそう。

私的には、なんか不満足感ばかりがつのってしまいました。でも、この著者以外の別な本を読んでみたいという気持ちになりました。

祇園祭、楽しみですぅ~♪
【目次】
第1章 祇園御霊会のはじまり
第2章 御旅所と神輿渡御
第3章 疫神の二面性
第4章 祭りを支えた人々
第5章 山鉾巡行の成立と展開
中世京都と祇園祭―疫神と都市の生活 (中公新書)(amazonリンク)

ブログ内関連記事
「京の花街「輪違屋」物語」高橋利樹 PHP研究所
祇園祭に行きた~い!
京都散策シリーズ~八坂神社近辺(8月21日)
「錦絵 京都むかし話」浅井収 蝸牛社
posted by alice-room at 23:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 歴史B】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック