
今回は、ついにやっちまいましたぜ! かろうじて踏み止まっていた(?)ものをつつっと一歩、踏み出しちゃった感があります。
本書を読んで、類似犯が出たら、きっと出版社は販売を自粛という形で規制かけられるんだろうなあ~。個人的には絶版の恐れ有りと見た!
本シリーズ初の前編・後編もの長編になるのですが、まーちゃん成分が足りなくって、みーくんでなくとも苦しくて、恋しくて、愛しくて、どうしょうもなくなってしまいます。嘘だけど。(いや、嘘じゃないです!!)
これほどまでにまーちゃん for you とか only you とかなると思わなくなるくらい、I'm dying for まーちゃん!ってなくらいになりますね。うん、間違いないです。
まーちゃんが出てこないのに、読んでいてひたすらまーちゃんばかりが気にかかるのですが、みーくんは、実は努力家であったりすることが本書を読むと分かります。みーくん、えらい! 頭をなでなでしてあげたくなるくらい。嘘だけど。
なんつ~か、グロくないし、エロくもないけど。容赦ないかな?いつもより。
まーちゃん成分の希薄さをゆずゆず成分で代用しちゃってるけど、これまーちゃんのいぬまに心の洗濯(選択?)とかって奴?
選ぶまもなく、みーくんはリアルまーちゃんしかないのだけれどね。
読んでない人には、全然分からない文章であることを自覚しつつ、ネタばれは書かないでいる私を誉めて欲しいかな♪
唐突に、お話などを書いちゃうと、まーちゃんがみーくんのお顔を忘れてしまって・・・ふとあちらの世界に二泊三日の予定で行かれてしまいます。みーくんは、置いてけぼりが嫌でまーちゃんをかりそめの現世へ引き戻すべく秘密のアイテムを入手しに冒険へと旅立ちます。
桃太郎よろしく手下を従えていくことポイント! 様々なダンジョンを巡る間に、脱出不可能な迷宮のラビリンスへと紛れこんでしまうのです。でもって、みーくんが逆に現世に帰ってこれなくなってしまうという学生さん故にプレイ可能な長期休暇を全て消化しても足らないくらいのゲームへ参加したのでした。
うん、たぶん、だいたいは合ってるよね。既読者の方々。
密室殺人事件な訳ですが、エラリークイーンなどとは違うのは、犯人探しの過程で明らかにされる容疑者の心理でしょうか? しばしば止むに止まれぬ事情を抱えて、人間の心の闇とかを描いたりするものなのですが、みんな淡々として清々しくって・・・。
妙に平坦で、シンプルで自己中なのは、今時普通過ぎるくらいなのですが、やっぱ著者の描き方はなかなか秀逸です。僕、好きだなあ~。
唯一の欠点は読者であることを誇れないところと、もし自分が著者だったとしても絶対に周囲には内緒にしておくだろうなあ~ということ。
へんに作品を理解されたフリをされても、違和感あるし、何よりも気まずいっしょ。マジに。
でも、登場人物の心の動きが共感とはいかないものの、分かりそうな感じがするのが・・・正直、自分的に微妙だったりする。軸が違うだけでみんな良い子だからねぇ~。まさに今時の人達だったりする。先日読んだ「あぶない脳」的に言うと、必要な時期に必要な社会経験が無くて、大切な言語のシンボル化が獲得できない人達なんでしょうね。
うんうん。

【以下、本書より抜粋】こういう文章が飛び交う訳ですが・・・バカカップルのそれと同一にして、それでいてもうちょい深い。自己のアイデンディティーが結局、自己をそれと認めてくれる他者の認識を必要とする訳で、その他者も自分が他者と認めたもので無ければ路傍の石がいくら誉めても、自分を自分としては納得できない、つ~あれだと思ったりします。
「みーくんが生まれてなかったら、まーちゃんは涙で枕を作っちゃうところだったのです」
「・・・・まーちゃんは多彩だねぇ」作れるか、と内心に備え付けのキーボードで打ち込みながら。
少し想像してしまう。
みーくんがいなかったら。
まーちゃんは、別の幸せを手放さないで済んだかも知れない。
「まーちゃんの誕生日も盛大に祝わないとね」
そして今、マユはここで僕に騙されていないわけだ。
・・・・う~ん、微妙だ。
「おお、まーちゃんに内緒のぷれぜんとなんてあったりするのですね」
「いつも一緒にいるから、秘密にするのは不可能かな」
「にゅふふ、そだね」と僕の後頭部に手を伸ばし、一層に抱き合う形へ持っていく。
ごしごしと、僕の首筋に無理に顔を突っ込んで、頬ずりしながら、
「生みーくんいる!生まーちゃんいる!幸せだらけで、嘘みたい!」
なんて、全肯定を公(おおやけ)とするマユ。生なのは、片方だけなんだよねぇ~。
欲が一面を除いて欠落しきった故に、磨き抜かれた不純を内包する精神の終着点。
「まーちゃんねー、一人だと自分のこと全然好きじゃないの。でもみーくんがまーちゃんって呼ぶとね、なんかいろいろ気にならなくなること山の如しなの」
どっちだよ。
「だからみーくんは、まーちゃんのものじゃないと駄目なんだよー」
「・・・・そーね」もの凄く強引な自己への結び付け方だな。まーちゃんは蝶結びも人任せだからなぁ(嘘である)。
まあ、そんな感じっすね。結局、人はそれでしか、自分が自分でいられないんですから。
まーちゃんの為に必要だから、みーくんに早くダンジョンを抜け出して欲しいなあ~と痛切に思った。僕なら、ゆずゆずでも十分に自分であることを確認できるのだけれど・・・。
絶版にならないうちに、読んでおきましょう。もう、駄目な人はね。
駄目じゃない人は、読んじゃ駄目ね。壊れちゃうと困るから・・・勿論、嘘だけど。
最後に、前回の書評に貼ったまんまの結末ジャン! 戸川純の世界か。読まずして予想しちゃった私って・・・。
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