
著者は、防衛庁戦術研究所で教官を務めたことのある人。経歴からして、期待しておりましたが、内容は駄目&駄目&駄目。
帝国陸軍で行われた3つの改革を採り上げているのですが、ダラダラとして続く背景的な説明と、数限りなく出てくる人物名と組織名の羅列で終わっているように思えてならない。
本書の主眼は、帝国陸軍での改革と抵抗の史実を踏まえて、より普遍的に通用する一般化された法則性等を説明してくれるのかと思ったら、大きな期待外れ。
新書にもかかわれず、ポイントを絞れず中途半端に過ぎる。全然使えない本です。うん、自衛隊が中国の軍隊にいいようにされているのも当然ですね。もっと頭の切れる人が指導しないと、人材育たないのではないでしょうか???
過去よりも現在以降が心配になりました。
どうせなら、せっかく三つに絞っているのだから、その改革のポイントをまず掲げた後で、個々に詳細を説明でフォローし、それに対する反応と対処、結果を挙げても良かったのではないでしょうか?
勿論、もっと抽象化するのが大前提です。じゃないと、そこから一体なんの教訓を得ろというのでしょうか?
申し訳ないが著者が教訓を得ろと言っておきながら、そのプロセスで一番大切な抽象化を十分にしておらず、そこに含まれる要素の何を一般化して適用するのか、はなはだ理解に苦しむ。
つ~か、こんな資料却下するけどな、私だったら。
細かい数字は、詳細な説明は、添付資料で十分。A4一枚にまとめてみましょうね。パワポで無駄な装飾は不要。テキストファイルに箇条書きで使えるものの方に価値を見出す私としては、かなりいらついてしまいました。
つ~か、改革が何故必要になるか、組織は時代に応じて、効率的であったものが非効率になっていくことを本質から看破した堺屋 太一の「組織の盛衰」の方がなんぼかマシです。あんまり好きじゃないけど、この本は勉強になります!!絶対に!
つ~か、「ガリア戦記」読め。どれほどの改革をやっているか分かるぞ!
【目次】帝国陸軍の“改革と抵抗” (講談社現代新書)(amazonリンク)
第1章 陸軍の創設
第2章 桂太郎の陸軍改革―明治期の改革
第3章 宇垣一成の軍制改革―大正期の改革
第4章 石原莞爾の参謀本部改革―昭和期の改革
組織の盛衰―何が企業の命運を決めるのか(amazonリンク)
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