2006年02月06日

「私の履歴書 第二十八集」(田中角栄)日本経済新聞社

日経朝刊の最後の頁に連載されているアレです。時々、面白いものがあるので選んで読んでいます。基本的には、一代で成功した実業家や政治家のものが面白いですね。いろんな事を経験し、またその人脈の広さと行動力には脱帽するばかり。逆につまらないのが失礼ながら、学者や画家の方かな? 

平和な時代故に、特に最近のは読むに値しないものが多いようにも感じます。

記憶のある中で興味深かったのは、中曽根氏。実際に行動はされているんでしょうが、これ以上無いってぐらい御自分のされた事を過剰なまでに表現する凄さは、ある意味天才的!! 政治家として為された事と比較してあのパフォーマンスは、現代の政治家なんだなあ~と感銘することしきりです(笑)。

まあ、そういうのはおいといて。本書を神田で購入したのは、若き日の田中角栄氏の文章があったから。当時は、ロッキード以前で幹事長の肩書きだったかな?新進気鋭の若手出世頭としての立場でした。普通、私の履歴書って功成り遂げて現役を退き、余生をいかに過ごそうかという人(失礼!)が書くものですが、今まさにこれからって人が書くのはずいぶんと異例ではないかな。そういう意味でも興味深いものでした。

普段、私は田中氏の秘書だった早坂氏の本から政治家田中角栄をうかがうだけでしたが、どの本も日本的な価値観と社会の良い点・悪い点を学ぶ教科書であり、いろんな意味で勉強になる本でした。人間を描いたものとしても非常に感動させられることが多かったので、その辺も期待して読みました。

う~ん、ただ感想としてはまだイマイチかな? 田中氏が自分の苦労をベラベラ話されるタイプではないことと、政治家として現役である時に、表に出せないことがあまりにも多過ぎたのかもしれません。出せば自分はどうでもいいにしろ、迷惑がかかる人が出ることを何よりも気にする方だったようですし。いろんな意味で古いタイプの苦労人だったんだと思います。とにかく努力と誠実さが人間にとって、何よりも大切だなあ~と今更ながらに思いました。

この本ですがまあ、資料としては持っておくべき本かな? ただ何に使う資料かは不明ですが…。

昭和43年の出版だから、それよりも前の掲載ですね。確か27歳か28歳で初当選してますが、こないだ若くして当選された誰かさんとは異なり、その時点でのキャリアも人間性も全く雲泥の差がありますね。あの田中氏でも苦労に苦労を重ねてようやく、人間田中角栄ができたことを考えると、ありきたりではありますが、苦労して世間にもまれないと人間は育ちませんね!今回の教訓でした。
posted by alice-room at 02:06| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 未分類A】 | 更新情報をチェックする
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