2006年02月10日

オプス・デイと映画「ダ・ヴィンチ・コード」「苦いレモンを甘いレモネードに変えたい」と語るオプス・デイのスポークスマン

あちこちで記事として報道され、うちのブログでも採り上げてきましたが映画「ダ・ヴィンチ・コード」について、当のオプス・デイのサイトにしっかり書かれていました。

詳しくはこちらのサイトをご覧下さい。
オプス・デイと映画「ダ・ヴィンチ・コード」「苦いレモンを甘いレモネードに変えたい」と語るオプス・デイのスポークスマン
オプス・デイの公式サイトの記事です(日本語)

ポイントは、このダ・ヴィンチ・コードによって神のことに関心を持った人々に正しい知識を提供することだそうです。それを例えて苦いレモンを甘いレモネードへ、という意味みたいです。

実際、私なんかもこの本を読まなければキリスト教にはあまり関心がなかったので、その好例かもしれません。

いきなりリンク先が消えるとは思いませんが、時々ネット上の情報は消えてしまうので一応以下にも転載しておきます。
ローマ、2006年1月12日(ZENIT.org)

2006年のもっとも注目される出来事は何になるだろう?米国版『ニューズウィーク』誌によると、映画「ダ・ヴィンチ・コード」の大ヒットであろうという。
ソニー・ピクチャーズ傘下のコロンビア・ピクチャーズが提供し、トム・ハンクス(Tom Hanks)とオドレイ・トトゥ(Audrey Tautou)が演ずるこの映画の《悪者》側であるオプス・デイのスポークスマンが、初めてインタビューに答えた。
オプス・デイの国際広報責任者であるマーク・カロッジオ(Marc Carroggio)は、この小説と映画が「間接的に私たちの宣伝をする結果になっている」とZenit社に語った。
パリのルーブル美術館で撮影されたこの映画に対して、誰も何かの抗議声明を出すようなことはないだろうとカロッジオ氏は語り、むしろ、イエス・キリストに向けられた興味を大いに活用すべきだとした。


■この本、そして今回の映画において、もっとも不快に思ったのはどんなところでしょう?
□フィクションの世界には独自のルールがあるのであって、あまり真面目に考えない方がいいということは分かっていました。しかしながら、ひとりのキリスト者として、イエス・キリストをこれほどまでに軽薄に扱うという点には、不快感を覚えました。
しかも、このタイプのストーリーは、ある人たちを《犯罪者》扱いしてしまいます。教会というものを、とんでもないデタラメを二千年間隠し続けてきた人たちの集団であるかのように描いているのですから。
グロテスクであると同時に漫画的なことですが、ある人々を憎しみに満ちた姿で描き出すことは、そのような姿を見せられ、しかもそれに対抗する手段を持たない人々の中に、新たな憎しみを生み出してしまうということがはっきりしています。
どんな宗教に対しても、これほど現実離れした描き方をする必要はないでしょう。私たちは皆、一致と和解と相互理解を目指しています。右手で殴りかかりながら、左手で和解を求めるようなことはできないはずです。

■様々な件について、オプス・デイは公式に反対することはしてきませんでしたが、この映画「ダ・ヴィンチ・コード」に対しては例外がありえますか?
□カトリック教会、またその一部であるオプス・デイが、反攻ののろしを上げるのを期待している人たちがいるのは確かです。権力によって紛争が巻き起こされるというのは、映画のマーケティングにとって興味深いことかもしれません。
しかしながら、オプス・デイから差し出される唯一の答えは、平和的な声明です。脅しの言葉を言うこともないでしょうし、ボイコット運動をすることも、それに類することもありえません。
本当のことを言えば、ソニー・コロンビア社から何らかの丁重な断りでもあれば良かったのにとは思います。しかしながら、いわゆる《丁寧な無視》があっただけで、宗教や信仰に対するデリカシーが表明されることはありませんでした。

■オプス・デイの人たちはどのような反応をするとあなたはお思いですか?
□オプス・デイの人たちの反応は、他の多くのキリスト者と同じものでしょう。つまり、苦いレモンを甘いレモネードに変えることです。
実際、私たちはイエス・キリストについて話す絶好の機会を前にしています。イエス・キリストは一体誰なのかという興味が、この小説をベストセラーにした理由の一つだと私は考えています。これは、有名な物や人を問題に取り上げて有名になったり、ルール違反を芸術的なものとして描くといった、文化における寄生現象の典型的なものでしょう。この本の中心テーマがイエス・キリストでなかったなら、興味はもっと薄れていたのではないでしょうか。


もっとも望まれる反応は、正しい手段を使って、イエス・キリストについての知識を提供することだと考えています。今年は、多くの人が聖書を手にとったり、キリストの生涯についての本を探したりすると思いますよ。あるいは、人間の存在そのものに関する質問への答えといった、信仰の根本的な課題を考えようとする人たちもたくさん出てくるかもしれません。
そういうことがすべて、私にとっては苦いレモンを甘いレモネードに変えるということなのです。

■確かにダン・ブラウンはオプス・デイを最新の流行に押し上げましたし、皆さん方も自分たちのことを説明する機会になったことでしょう。広報部でもそれを感じられましたか?
□もちろんです。ここ数ヶ月というもの、アメリカ合衆国だけで、100万人以上の人が私たちのホームページ(http://www.opusdei.org)にアクセスしましたが、その多くは「ダ・ヴィンチ・コード」のおかげでしょう。つまり、間接的に私たちの宣伝をする結果になっているのです。
かつての共産主義国で起こったことを思い出します。ある政府が教会を非難するような記事を発表し、その中にオプス・デイへの攻撃が含まれていた時、その国の人々から匿名のメッセージを受け取ることがありました。その人たちはそういう記事を逆に、つまりその《ネガ》を読んでいたのです。カトリック教会を攻撃するその同じ人たちがオプス・デイを攻撃するなら、それはきっと知る価値のあるものだと結論付けたのです。「ダ・ヴィンチ・コード」において、これと似たことが起こっているのです。
もうすでにかなりの《レモネード》を本から作りましたが、映画によってもっとそれを増やしたいと考えています。完全にドアを開いて、あらゆる情報を提供する用意をするつもりです。望む人に対して、オプス・デイから直接情報を提供したいのです。この小説の著者も、映画の監督もそうは望まなかったのですが…。

■映画に対して何らかの法的手段に訴えることはありますか?
□正直申し上げて、それはないでしょう。もちろん、そうして当然なだけの理由はあります。想像してください。たとえば、ソニー・コロンビア社が、一般に考えられているような企業ではなくて、マフィア的な殺人組織であるかのように描いた映画を作ったとしたらどうでしょう。「なに、ただのフィクションですよ、ご心配なく」と言ったところで、会社の弁護士たちは黙っていないでしょう。訴えると言うに違いありません。
しかしながら、裁判というものは決定的な対決の典型です。《オプス・デイ対ソニー・コロンビア》という構図が出来上がります。しかし、そんなことは現実には存在しないことです。オプス・デイが行う唯一のことは、平和的な声明を発表することであると申し上げました。法廷闘争が成立するためには二者が必要ですが、このケースでは相手になる側がいないのです。
ただし、オプス・デイは60カ国以上に広がっています。ある人たちは、他の人と協力しながら、農業従事者や雇用資格を得たい若者のための専門学校や、貧困者が多い地域の病院などを運営しています。このような施設は、たくさんの人々の経済的支援によって成り立っていますが、この本や映画によって資金を調達することが困難になるかもしれません。ですから、この種の施設で働く人たちが経済的な補償を要求することになるとしても、私は驚きません。

■世界中に8万人以上いるオプス・デイのメンバーに対して、この映画を見ないように勧めますか?それとも、一部でオプス・デイがどのように悪く理解されているかを知るために見に行くように勧めるのですか?
□オプス・デイのメンバーは皆大人ですから、そのようなことは何もするつもりはありません。
しかし、ひとつ指摘しておきたいことは、この映画は成人のみに限るという制限が必要なのではないかという点です。大人であれば誰でも、少々の教養があれば、現実とフィクションを区別できます。しかし、歪曲した歴史を、正しい判断力を持つ前の子供たちに示すことは、たとえ《これはフィクションです》と断るとしても、有害なことです。性描写や暴力的なシーンから子供たちを守るのであれば、もっと巧みに、それゆえもっと陰険な形の知的な暴力からも守るべきなのではないでしょうか。
このように憂慮することは理にかなっていると私には思えます。経済的な利潤を考えるだけでなく、若者たちへの否定的な影響の可能性も考慮すべきです。繰り返しますが、人間同士、国同士、あるいは各宗教の間に反目を撒き散らす時ではなく、協調を促す時に私たちはいるのです。

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posted by alice-room at 00:46| 埼玉 🌁| Comment(0) | TrackBack(1) | 【ダ・ヴィンチ・コードB】 | 更新情報をチェックする
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Tracked: 2006-03-04 13:47