
【当然、ネタばれ有り】
10巻でシリーズ完結との話でしたが、見事今回で綺麗にまとまりました。これはプロとして当然と言う以上に、素晴らしいと思います。
当初の敵は9巻でやっつけて、アレっ?一巻分、おまけ的な番外要素で引っ張るのかと思いましたが、しっかり、物語の鉄則通り、新たなイベントが発生し、それがきちんとそれ以前の巻の伏線を上手に生かす形になっていて、いやあ~本当にプロとしてきっちりした仕事をされていると思います。
勿論、形だけじゃなくて、その伏線が効果的に生きていて実にうまいのですよ~。唯一、生かしきれていなかったのは、従妹の少女。素材的にはいいものがあったのですが、本当に脇役のその他大勢の一人で終わっちまいましたね。
一番、活躍したのが本当のおまけのこっちの世界に戻った後というのもしょばかったです。最初にいい仲になった子も、後はただただ、名脇役で終わったし・・・。
まあ、いろいろともうちょっとこうだったら・・・という思いは残るものの、まずは楽しめる感じで終わって何よりです。この手の作品って、途中で駄目になってしまうのが多いだけに、きちんと結末で書き切ってくれるのは嬉しいです♪
傑作ではありませんが、異世界物ファンタジーとしては、十分に楽しめる作品ですね。複数の異性に手を出して、ドロドロにならずにあくまでも学園物的なエンディングを演出するあざとさは、著者の大人故の腹黒さですね。
たぶん、今の若いラノベの作家さんには、書けないでしょう。おそらくご自分の感性を周知で塗り潰しちゃいそうで・・・。一読者としては、こういうのもありかと笑顔で読みましたけど。
個人的には、勇者様の御落胤でも出てくると更に面白そうですけどね。番外編とか、後日談とかでもう2、3冊書いてもらえると嬉しいかも♪
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