2009年12月03日

「探偵レオナルド・ダ・ヴィンチ」ダイアン A S スタカート ランダムハウス講談社

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実にオーソドックスなタイプの推理小説です。文字通り殺人事件が起り、犯人を突き止める探偵役をレオナルド・ダ・ヴィンチが果たすのですが、視点はワトソン役である弟子のディノによる語りとなっています。

そう、あのディノなのがポイント!

えっ、知らない?
う~ん、そういう方はこの時点で本書を読むのをお薦めしません。ダ・ヴィンチが特に可愛がっていた弟子でいろいろと不穏な噂が漂ったことでも有名なあの弟子の名前なんですが・・・・。

鏡文字や、当時のレオナルドの置かれた時代的境遇なども踏まえて描かれていますので、それらを前提条件として知らないと本書の面白さは半減しちゃいます。

知らなくても読み物としては、ついていけるでしょうが、それはあまり意味がなくなってしまうかも?

床屋が医者でもあるのは、別に珍しいことではないですが、その意味も知らない人にはちょっと・・・ネ。

もっとも、そういうことを知っていても、それほど感動するほどの面白さは無いです。淡々とした読み物レベルです。きちんとしたプロットに沿っているので、読み物として基本はクリアしているのですが、あえてレオナルドである意味も特にありません。

道具立てとして、有名人を使っている以上の付加価値は無いというところでしょうか? 暇つぶしに読んでも悪くないですが、あまりお薦めするほどではないなあ~。

少しだけ粗筋。
ミラノのとある城に技師として雇われてたいたレオナルド・ダ・ヴィンチ。そこで壮大な人間チェスが行われていると、その城の関係者が殺されます。

城主により、犯人探しを指示されるレオナルド。とある事情を持った弟子と二人で犯人探しを始めます。そして・・・。

こんな感じですね。某ダ・ヴィンチ・コード便乗路線の遅れた奴かな?なんか残念な作品でした。途中で弾けるかと期待してたのですが、最初から同じペースでそのまま終わってしまいました。ちぇっ。

探偵レオナルド・ダ・ヴィンチ (ランダムハウス講談社文庫)(amazonリンク)
ラベル:小説 書評
posted by alice-room at 21:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 海外小説B】 | 更新情報をチェックする
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