B:バカになって
C:ちゃんとやる
非常にシンプルでいて、実にキャッチー且つ説得力のあるフレーズ、兼タイトルだと思う。そして、たいていの場合、タイトルだけで内容が伴わないものですが、本書はビジネス書としては、読む価値のある数少ないものの一冊だと思います。
ともすれば、ビジネス書といえば、いかに効率良く結果を出すか、安易なノウハウ本が大半を占める中、本書はむしろ、逆説的に愚直な努力を継続する事を通じて得られた結果の「ベスト・プラクティス」を薦めています。
勿論、ビジネス上に限らず、人生として実り多き(表現、古いか?)『成功』には成果が必要でしょうが、上っ面な成果主義に陥らず、より本質的な意味で成功すべくして成功する、その状況・状態を作ることにこそ、人として生きる価値があるというは、素直に頷けるところです。
知名度の向上に反比例して、評価が下がりつつある勝間和代氏のビジネス書とは、ノリ的に正反対路線です。もっとも、あちらは有名税というべきものがあって、人気のあるものを批判する事でコバンザメ的な利益を得る人達もいるので、一概に評価するのもはなはだバランスを欠くかもしれませんけどね。
ただ、ビジネスなら結果出してなんぼではあるものの、着眼点がベスト・プラクティスそのものであるのに比して、そこへ至るプロセスにより重点を置いたものが本書と言えるかもしれません。
友人達と飲んで話していて、いつも思うのが安易に結果を求めるあまり、そこへの過程を全く考慮しない、あるいは、そこへ至る試行錯誤の一番大切な勉強の場を放棄してしまうこと。
公文式の算数・数学なんかもそうだけど、苦労してようやく解に至ってこそ、人はその解法を身に付けることができるだけれど、単純にやり方を教えても、たいてい身に付かないし、応用が効かない。
即ち、何かちょっと異なる状況下においては、対応できなかったりする。
マニュアルを始めとした、業務手順のマニュアル化なんてまさに好例で、それ自体は、最大公約数的な意味でベストな手順なのだと思いますが、それに慣れてしまうと・・・・
ごく一部が異なるだけのイレギュラーでも対応できないし、そもそも前提条件が異なり、マニュアルが想定していない状況下では、それがそもそも無効であることに気づかなければならないのですが・・・無理して、そのままマニュアルに従おうとする。
可能な限り、マニュアル作成自体にも当事者を参加させ、マニュアルの背景を含めて理解しなければ、本当に良い仕事はできないはずなのですが、表面的な(瞬間的な)効率化絶対視の陰で、そういった長期スパンでの効率化はないがしろにされてしまう。
まあ、どこの職場でもあることですが、今の日本に特に顕著なようで誰でも心ある人は、憂いていますね。それ以上に自分自身の方が心配かもしれませんが・・・(苦笑)。
さて、本書の内容。
世の中には「理想」がある一方、「現実」もあります。そこには大きな溝があるはずです。
大事なのは現実を理想に近づけようと「思う」ことです。
人間というものは、現実を理想に近づけようと努力するとき、自分でも考えられないくらい大きなエネルギーを出す事ができます。
反対に、理想を現実に妥協させなければいけないときは、失意を生みます。
欲は車のエンジンです。欲がないのはダメです。でも、エンジンに見合うハンドルやブレーキをつけなさい。中庸とか、バランス感覚を失わないということが大切だというのは、周囲を見ていると痛感しますね。自分自身の立ち位置を平常心で維持できる、できそうでいて出来ないものですからね。好事魔多し、かもしんない?
目の前の仕事を本質まで掘り下げられるかどうかで、その道のプロになれるかどうかが決まります。オフの時間に自分で勉強するという後の記述にも直結しますが、日々の仕事をしながら、いかに自分で仕事絡みの勉強も付加できるかで全然違ってくると思います。
目の前の仕事にかかわる分野について、現象の本質や物事の根本を深く掘り下げて理解しようとするかどうかで、その後の自分の人生に深みや広がりが出てきます。
今の仕事も最初は、SE・プログラマー系ではなかったのですが、時間のある週末や平日に、10冊以上本読んで勉強し、VBAやSQLを机上の知識で学びつつ、仕事で使っていたら、今、そちら系だけの仕事になってますもんね。
以前、別な会社でセキュリティー系ソフトのカスタマー対応だったのですが、最初はFAQ作りにオブザーバーとして参加しているうちに、テスターやらされるようになり、気がつくと、中国や韓国の開発委託会社の人間との調整やそもそもの仕様確定や開発スケジュール管理絡みまでやってたり・・・・。
いつでも仕事の幅は、広がっていったことを実感します。
ただ、基本は目の前の仕事、プラスαで。まずは今の仕事をより深く、少し範囲を広く勉強し、日々の仕事でその成果を確実に形に変えることで、周囲の見る目も変わり、任される仕事の幅も広がると思います。
逆の立場でも、振った仕事を満足にこなせない人や、よく理解できていなさそうな人に新しい仕事を任せるなんて、怖くてできないでしょうし、誰もやらないでしょう。
でもね、表面的に出来ているだけで自己満足しちゃっている人は、本当に多かったりする。誰かが必ず見てるし、心ある人には分かるんだけどね。
人は理屈では動かない、気持ちで動く
フローの仕事を資産化できる人になりなさい。実は、ここ、私的には一番影響された。
残業して長時間労働をしたとしても、オフに勉強する時間がなければ、その仕事の本質が身に付かず、フローの仕事となってしまうのです。
今まで、資格試験とかというのものには懐疑的でした。今もそうですが、資格持っていても仕事できない人も多かったしね。肩書きだけで、使えない人が多かくて、そもそも嫌いだったから!
でも、その想いは変える必要も無いし、変える気もないが、それを言い訳にして自分で努力する事、学ぶ事を怠けていたかもしれないと思う。
経済学でいうシグナルではないが、自分を知らない人に知ってもらううえでは、一つの指標として価値があることも事実だし、それ以上に漠然と知っているからときちんと勉強してこなかったことに、改めて気づいた!
つーことで、ベンダー系の方が実務には使えるだろうが、あくまでも自分の基本的知識の勉強と、ベンダーに制約されたくない気持ちがあるんので、データベーススペシャリスト試験を目指す事にした。
こないだ分厚い「データベーススペシャリスト合格教本」を購入して中を読んでいて、愕然とする。
ヤバ、ヤバ過ぎる!!
基本的な情報処理一般の知識を問う午前の問題で一定レベル以上に達しないと午後の採点されないらしいのですが(共通一次の足切りみたい)、読んだ事あるし、聞いたことあったなあ~とは思うものの、物の見事に午前の過去問が解けない。
足切りジャン、私。赤面モノだったりする。
午前よりも午後の方がはるかに分かり易そうでショックを受ける。そこで予定を変更。今年いっぱいはデータベース関係の勉強はせず、午前問題への対処として情報処理全般のお勉強に時間を当てることとする。
で、来年以降はDBの勉強に専念して、4月の試験合格を目指すっと!
今日も本当は、ソフトウェア系の勉強を終えるはずだったのに、昼からカバを丸々一本あけて、追加で赤ワインまで飲んで、さっきまで熟睡してた馬鹿な私。
勉強しろよ~、落ちるぞ!! 年末の温泉行ったら、時間なくなるのにさあ~。
散歩のついでに富士山に登った人はいない。志を持って、日々を淡々と生きるかどうかが人生の分かれ目。頭で分かっていることを、いかに日々実践できるか、それが問題だね。
富士山に登るには、それなりの準備や装備が必要です。富士山の頂上に立つ人はみな、「富士山に登ろう」と思って、一歩一歩、歩いてきた人達ばかりです。
「歩いている」行為自体は、散歩も登山も同じように見えます。しかし、明確に目的や目標を持ち、一歩一歩をどれだけ目標に近付けるべく真剣にちゃんとやっているか、それが大きな差につながります。
鬱々として日々を送っているときは、人生最大のチャンス。シンプルでどこかで聞いたことのあることです。でもね、私には、改めてそれが大切だし、それを明示的に意識して行動すべきことを痛感しました。
自分が鬱々とした状態になるのは、「自分にはもっとほかにできることがある」とか「こんな自分では終わりたくない」という思いがあるからです。
理想と現実のギャップがあって、その鬱々として思いが、状況を打破しようとするエネルギーを生みます。
大切なのは、鬱々として状態に慣れてしまったり、あきらめてしまったりしてはいけないこと。鬱々から抜け出せる可能性を信じる事です。
この現状打破の気持ちを持ち続けることこそが、さきほどの実践できない問題への解答の一つになるかもしれません。
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以上、自分的に気になった点、参考にしたい点を列挙しましたが、精神論過ぎるかもしれませんが、この気持ちを・意識を持っていれば、いくらでも実践なんてできると思います。
小手先のノウハウなんて、本質を押さえられれば、いくらでも取得できますしね。何の為に、自分は行動したいのか、その部分を認識できていない人、読んでみましょう。
で、とにかく何か行動にうつしてみる。まさに自分自身への刺激になりました。個人的にはお薦め~!!
【目次】
第1章 人生は「一本のチューブ」である
チューブの上限につくか、下限につくかで人生は決まる
目の前の課題を天命と思いなさい
自己チューを捨て、利他心を持つ
藤本老師の「人生は串団子」という考え方
現実を理想に近づけていく人にエネルギーが集まる
「ゼロサムゲーム=獣の世界」で生きる人になるな!
この世は「弱肉強食」ではなく、「優勝劣敗」の世界である
正しい考え方を持ち、それを徹底できる人になる
モノをもてあそべば志を失い、人をもてあそべば徳を失う
欲はエンジン、欲がないのはダメである
考え方こそがその人の地位をつくりあげる
第2章 仕事はABCが大事である
三時間の努力を惜しむ人は一生損をする
目の前の仕事を深いところまで掘り下げなさい
三十時間、バカになって勉強してみる
自分で選んだわけではない仕事こそ、ちゃんとやる
仕事も人生もABCを大切にしなさい
手を動かさないと机一つきれいにならない
人は理屈では動かない、気持ちで動く
なぜ95%もの人が同じ話を聞きに来るのか
ほめるとおだてるは天と地ほども違う
プロとは自分の名前で仕事ができる人
「釣りバカ日誌」の浜ちゃんは、釣りを仕事にすべき
フローの仕事を資産化できる人になりなさい
考え方と姿勢の違いが人生の違いを動かす
その仕事は生業か、労働か、転職か
自分の居場所かどうかを判断するコツ
「なりたい自分」ではなく、「なれる最高の自分」になる
自分という蛍が一番光り輝く仕事を選びなさい
第3章 全力をつくすということ
散歩のついでに富士山に登った人はいない
水中に住んでいる人は水面上の景色を知らない
顕微鏡と望遠鏡、どちらも大事
死んだあとに何を残すかを考える
人生の終りから逆算する生き方
ベストをつくさないのは、自分に対して失礼だと思おう
結果を出すまで、自分に褒美は出すな!
オフに勉強しない人は仕事の本質を知らない
実戦なくして人は磨かれず、本質なくして人は伸びない
上司に教えられた「足は大地に、目は星に」
アウトプットを前提にしたインプットでないと意味がない
人生がうまくいかないときは「ためどき」と心得る
私が三年連用日記をつける理由
一年に三六五回、人生を振り返る人になる
小さな意思決定にこそ徹底的にこだわりなさい
余裕は持つけど、甘えは捨てる
人生はマラソンでもあり、五〇メートル走でもある
第4章 運命のあみだくじの引き方
偶然は運命が仕組んだものである
人生の節目には「運命の人」があらわれる
体に電流が走るのを感じた瞬間
鬱々とした日々を送っているときは、人生最大のチャンス
運命の女神はこうして呼び寄せる
チャンスは準備ができている人にやってくる
「運命のあみだくじ」の横棒が引かれたときには従いなさい
運の悪い人が集まるところに行ってはいけない
来る人も、来る人もまた、福の神
「七転び八起き」が大きな間違いなわけ
あたりまえのことをバカになってちゃんとやる(amazonリンク)