2006年02月23日

「ダ・ヴィンチ・コード」イン・アメリカ グレッグ・テイラー 白夜書房

soromonguide.jpgそうか遂にこういう本まで出るのか…、そこまで「ダ・ヴィンチ・コード」人気も来たのか?と同時に、この本ってこれまでにも何冊か読んだ便乗本の一種か、関連本か、それとも違ったものなのか? 次回作のタイトル「ソロモンの鍵」への案内というので結構、興味津々で読み始めました。

まず言える事はこれはこれまでのダ・ヴィンチ・コード関係の解説本ではないって言うこと! そもそもダ・ヴィンチ・コードに限らず、ダン・ブラウンの著作のうち、ラングドンシリーズを中心にダン・ブラウンが現在執筆中の次回作(!)この内容を推理しようという本でした。

うちのブログでも、ブラウン氏がメディアに思わせぶりに流しているニュース記事は折に触れていくつか採り上げてきたのですが、やっぱり海外は異様に盛り上がっているますね。ブラウン・ファンは皆次回作を待ち切れずに、本のカバーに隠された暗号やCIA本部の暗号彫刻、ダン・ブラウン氏のサイトを手掛かりになんとかその内容を推理しようとマニア熱全開の噂は知っていましたが、そのマニア魂を凝縮した一冊と言えるでしょう。

よくもまあ、こんなにあれこれ調べたり、過去のブラウン氏の著作傾向から演繹して推測したりと頭が下がります。私はここまでやらないもんね。ブラウン氏の小説は大好きだし、面白いけど、普通に出版されてからで十分です。そこまでよーしません(笑)。

とにかくダ・ヴィンチ・コードっていうよりも、ダン・ブラウン・ファン向けの同人誌的色彩が濃厚。いささか一般向けとは言い難いのも事実。とは言っても本自体は非常に読み易いし、書かれている内容も分かり易いからすぐ読めるし、想像してたよりも内容は盛りだくさんで飽きない。

フリーメイソンなんかの説明も基本に忠実だけど、そこそこよくまとまっているし、ナショナル・トレジャーよろしくアメリカ合衆国建国に関わる部分は、知らないことがたくさん書かれていて勉強になったかも。

CIAの問題の彫刻やスカル&ボンーズ(イエール大学にある本当に選ばれた者達だけの伝統的な秘密結社)まで触れられているのは、思わず読んでいてニヤっとしてしまいました(笑顔)。こないだ日本のTVでもやってたなあ~。

ただね、ちょっと推測というか予想が違っているなあ~という点も。イエズス会にも注目しているんですが、私が記事で読んだ限りではモルモン教の方が次回作では重要度が高そうです。まあ、おそらくこの本が書かれていた段階では、まだこの件の情報リリースがされていなかったんでしょうけどね。

ダン・ブラウンの次回作を待ちきれない熱狂的ファンや予習として情報が欲しい方には、打ってつけ。これは今まで無かった本です。一方で、先にいろんな知識を得てしまうと本を読んだ時の感動(目からうろこ)がなくなってしまいそうな気もします…? これは微妙かも?
それ以上に、いま一つ私が熱くなってないのは、アメリカの歴史に関わることだから。個人的な感覚でいうと、アメリカの(植民以後)歴史って、たかだか数百年でしょ。うちの近くの神社で800年以上も前からあると思うとね、正直言うとあまり興味が湧かないんだよねぇ~。

でも、映画が公開されたのをみたら、きっとこの本をみんな買わずにいられないんだろうね(笑)。但し、ダ・ヴィンチ・コードの小説としての面白さを求めるなら、止めた方が正解です。とにかく情報量は多いです。著者も自分で言ってますが、資料の内容が正確か否かではなく、ダン・ブラウンが小説(fiction)を書くにあたり、素材として使うのではないかと思われる資料を集めて紹介しています。スタンスが明快だから、安心してそういう仮説もあるんだと読める点はいいかも?暗号マニアも楽しめそうですね。

最後に、うちのブログがダ・ヴィンチ・コードを中心に扱っているということで本書を進呈して下さった白夜書房様どうも有り難うございました。あくまでも私個人の率直な感想なので恐縮ですが、楽しく読ませて頂きました。

「ダ・ヴィンチ・コード」イン・アメリカ――「ソロモンの鍵」解読ガイド(amazonリンク)


そうそう、もし皆さんも本書に興味があって中身を少し見てみたいという方は以下のURLをご覧下さい。白夜書房様の方で御用意してくれたようです。
●はじめに
http://www.geocities.jp/t2enonu/da_vinci/Introduction_sample.pdf
●第一章
http://www.geocities.jp/t2enonu/da_vinci/Chapter1_sample.pdf 
●表紙
http://www.geocities.jp/t2enonu/da_vinci/Da_Vinci_cover_72.jpg
【目次】
第1章 『ダ・ヴィンチ・コード』に隠された未解読データ
第2章 薔薇十字団
第3章 石工の兄弟会
第4章 アメリカを創ったフリーメイソン
第5章 ワシントンDCの奇想建築群
第6章 フリーメイソンの陰謀説
第7章 ソロモンの暗号
第8章 イエズス会とクー・クラックス・クラン
結論 後は“その日”を待つのみ…

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posted by alice-room at 23:39| 埼玉 ☀| Comment(3) | TrackBack(1) | 【書評 海外小説A】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あっ、ちょっと読んでみたいかも?
フリーメイソンとかモルモン教とかイエズス会とか興味わきそう。
でも買うのは・・・??
図書館で借りたいけど、借りられるのはいつになるのかな? もしかしたら買ってしまうかも?
私も暗号とかに興味ありだから。
Posted by メグミ at 2006年02月24日 12:05
さっきコメントしたけど、途中でコンピューターがフローズ!!
読みたい、暗号好きとか書いたけど、また書くのも面倒・・・
まぁ、買ってしまうかもね、この本。
Posted by メグミ at 2006年02月24日 12:08
メグミさん、こんばんは。パソコン大丈夫ですか?
暗号とかお好きで、イエズス会にも興味ある方なら、きっと楽しめると思いますよ~。そういえば、先日私もイグナティウス・ロヨラに関する本読んだけど、それも面白かったです。そちらの感想もうちのブログにありますので宜しかったらそちらもどうぞ!
コメント有り難うございました。
Posted by alice-room at 2006年02月24日 23:56
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Tracked: 2006-02-27 10:48