ただ、特筆すべきは、通常の使われている多種多様なプログラミング言語の発展過程とそれぞれの言語の特徴が実に分かり易くまとめてあり、本書を読むことで一気に視野が広くなると思う。
逆に言えば、基本中の基本なのかもしれないが、類書を読んでもよく分かっていなかったことが、本書で初めて分かったということも多い。
個々の開発言語で開発できても、自分の知らない言語はイマイチ感覚的によく分からないという人が多い昨今では、これは一読の価値があると思います。
身近にもいるしなあ~、自分の知っている言語に固執するばかりでそれぞれの開発言語の特性を理解しようとしないから、あくまでも自分の知っているやり方を移植する方向で開発しようとするから、効率の悪いものが出来てしまう。一度、捨て去ればいいだけなのに・・・。
何に使われるかを意識せず、自分の作りたいものを作ってしまう・・・・SEにもなれないだろうなあ~。自分で仕様を理解&確定しないまま、作業を進めてしまうそれ自体が私には信じ難いが・・・???
同僚として、さりげなく指摘しても本人が気づかないのではしかたないか。今まで、上司から教えてもらえてなかったんだろうなあ~。むしろ、可哀想な気さえする。
まあいい、余談はさておき、本書は初心者向きというよりは、初心者から少しだけ経過して、とりあえず、何かの言語でモノが作れるぐらいになった人の方が得るものが多いかもしれない。
例として、VB、C、C++、アセンブラ、COBOL等のプログラムが挙げられているが、一つ二つ分かっていて読んだ方が理解が早いでしょう。全く知らない初学者には、簡単な例自体でつまずいてしまうかも?
勿論、例はきわめてシンプルなんだけどね。予備知識要らなさそうだけど、本当に知らないと、それはそれで辛いと思う。
逆に少しだけ分ければ十分。
個々の開発言語の違い、長所、短所。IT業界でのそれら言語の位置付け、各種企業の戦略なども含めて、部分部分しか知らなかったことがようやく私の中では結び付きました。
JAVAが機種依存せず、JRE上で動くとか、JAVAアプレットが個々のPC上で動くとか、それ自体は知ってはいても、JAVAアプリケーションやJAVAサーブレットとかはよく知りませんでしたもん!
無知な私には、大変有意義でした。こういう基本だけど、なかなか知識を得る機会の無いものを知る事は有用だと思います。本書はその点で網羅的で大変分かり易いです。
もっとも文字が大き過ぎて、個人的にはちょっとイヤなんですけどね。
あと第3部の個々のプログラム言語に立ち入る部分は、結構微妙。ざっと流し読みで十分ですね。いちいちコンパイラをインストールして試すだけの時間をとるのはもったいない気がします。アセンブラまで要らないし。
まあ、そんな感じかと頁を目で追えば、良いかと。
本書のキモは一部と二部です。情報処理の午前問題の勉強にもなるかな? 試験とか関係無しでも、仕事の視野や幅が広がりますので、知らない人は読んでおいて損は無いです。
私には大変勉強になりました。そこそこお薦めです。
【目次】人間の考え方 プログラムの考え方―なぜプログラムはそう考えるのか?(amazonリンク)
第1部 プログラムの基礎
プログラムの基本
プログラムの種類
プログラム言語の基本
基本プログミング言語
簡易プログミング言語
インターネット関連言語
第2部 プログラム開発の世界
プログラム開発環境
プログラミングの手法
命令の構成要素
データの構成要素
第3部 基本プログラム言語の要点
C言語の要点
Javaの要点
アセンブリ言語の要点
Visaul Studio.NETの要点
付録 本書のプログラムの体験学習
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