先週の土曜日、ずいぶんと久しぶりに「キャッツ」をマチネで観劇してきました。会員先行予約で2時間以上かかったもんな、チケット取るの。大変でした。
最後に観たのはいつだろう? 相当昔の話です。
まずは、アルプで読んでいて知ってはいたが、新しい円形舞台に驚く。
客席を含めて壁・天井等の至るところがキャッツ空間と化している。
回転する座席の仕組みがよく分からなかったので、最初、どうなるのかなあ~と不思議に思っていました。
あと、最初は舞台の前が壁になっていて中身が見えず、この壁は始めると沈むのかなあ~と勝手に想像していたのですが、まさかまさか回転して後ろの背景になり、見えなくなる部分について、そこまで気合入れてるのかなあ~と驚きましたよ!
最初から、度肝を抜かれっぱなしでした。
メモリーを歌われていた方、声量があるのは非常によく分かるのですが、かなり声質が太い感じで正直、今まであちこちで聞いてきたキャッツの中では異例中の異例に感じました。
その歌声は、繊細で過去の失われて栄光を振り返り、同時に蘇らせつつ、でもやっぱり現在でも只者ではない、その複雑さを余すところ無イメージさせ、現在の哀愁と共に、観ている人、聞いている人の心を根底から揺さぶって、感動で涙する、そういう従来のイメージのキャッツじゃなくなったのですね。知らなかった!ビックリしました!
これまでの最終的に「メモリー」の歌に全てが集約される方向性ではなく、なんというかコーラスラインのように一人一人が語るオムニバス形式、短編集みたいな感じですね。
これはこれで十分に面白かったのですが、かつてのキャッツの印象が強いとそのギャップの克服に結構苦労します。
や、だって、上から落ちてくるし、あの演出ファントムだろ?ってみんな思うでしょう。舞台の役者さんが、あそこまで客席と一体化するというのも驚きでした。私も二匹の猫さん達と握手しましたよ~(満面の笑み)。
一緒に行ったツレは、だいぶ前にオーストラリアで観たそうですが、本当にビックリしてました。これが日本のキャッツなのって?もっともやはり猫のしなやかな動きは、やはり外国の人の方がうまいのではと言っていましたが、ロンドンで私が観た限りでは、そうでもなかったけどなあ~。
ただ、ジャンプとかの高さは、相対的に外国の方が高いかも? タッパがある分、それだけでも映えるしね。
でも私が観ている限りでは、やっぱり『四季』凄いと思いました。あれだけの動きをしていても伸ばした際、きちんと足のつま先まで伸びているし、静止すべきところはきちんとためているし、動きながらでの発生も声がぶれずに、しっかりと台詞が聞き取れるのですよ。
以前読んだ本で、台詞が聞き取れるように発声する事、それが一部で揶揄された四季節の評とは相容れない素晴らしい事であることが書かれていましたが、実際に意識して観ていると本当に非凡なことであり、またその大切さを実感します。
台詞を聞いて意味が分からなければ、感動を生む舞台は、無理でしょう。当たり前のことが当たり前に出来る事こそが、まさに日々の鍛錬なんだろうなあ~とつくづく思います。
ハイテク満載とでもいうべき凝った舞台装置の数々ですが、それがあくまでも舞台を盛り上げる道具であるという基本が厳守されているのも、う~むと思いますね。これも当たり前のようでいて、難しいと思いますよ。
この手のものは、どうしてもあれもできる、これもできるとやればやるほど、一人歩きして、かえって観客の興醒めになることも有り得ますが、その辺、きっちりと観客を楽しませる、舞台をより効果的にする為の演出の一部に徹するのもなるほど~と思いました。
あとあと、本当に客席の至るところに猫さん達が現れるのですが、私はセンターブロックの通路側にいたので隣の通路を猫さんがいつも通るし、実に身近な感じがしました。
子供達に限らず、大人でも結構、嬉しいし、リピーター増えるだろうなあ~。観ているというよりも参加しているという体験は、主体的で個人に強く印象付けられるからね!マーケティングの基本です。
しかし、ライオンキングの舞台と客席との関わりを一層、ラディカルに進めた感がありますね。客席と舞台との近さ、独特の構造、天井や壁など客席全体が一つの劇場になっていることの意味が相互作用で結び付いて、素晴らしい演出効果を出していました。いやあ~、私が過去に観たキャッツとは全く異なる次元のキャッツがありました。
以前のものに捉われると違和感がありますが、新しい『キャッツ』も十分に魅力的ですね。誰もが楽しめるファミリーミュージカルって感じでしょうか?
誤解があるといけないのですが、そこいらにあるような、着グルミ着てお遊戯しているモノとは、根本的に別次元ですので!
あれほど観客と舞台が一体化したのも、私は初めて経験しました。かつての「キャッツ」しか観た事なくて、新しくなってからまだ観ていない人、絶対に一度は観ておくべきです!!
かつての「キャッツ」とは全く別物と言っていいほど変わってます。いやあ~、久しぶりに舞台の良さを実感しました♪
あれは、生で体験するっきゃないですね(満面の笑み)。
あっ、ただ劇中劇の「海賊」の部分は、個人的にあまり好きではなかったかも? イマイチ動きが小さくて、ちょっとなあ~。
その後のマジシャンみたいな猫。あれ好きぃ~。実に芸達者で、本当に巧いです。キャスト表、どっかしまっちゃって見つかりませんが、素直にあの動きや身体のキレに目を奪われました。
横浜の「キャッツ」も見る価値のある作品でした(笑顔)。
ブログ内関連記事
「劇団四季と浅利慶太」松崎哲久 文藝春秋
劇団四季 ライオンキング マチネ
オペラ座の怪人~10月28日 劇団四季
(先日TBさせて頂き、ブログまで
有難くもコメントを頂戴したトルーデ
と申します)
五反田の時から「『キャッツ』行きたい…」と
思いつつ、何故か『ウィキッド』だけ観に行って
…いつの間にか横浜へ移ってた!?なんて
ビックリしておりました☆
あ、今度こそ!と思っているので
実はブログ全部は拝読しておりませんが…
やっぱり良いんですね~?凄いんですね?
ますます気になってしまいました♪
逆に私は『ウィキッド』まだ観ていないのですよ~。観に行こう、観に行こうと思いつつ、予約初日を忘れてまして・・・トホホ。
新しくなった「キャッツ」は、かなりビックリものです(良い意味で)。機会がございましたら、是非どうぞ! はずれはないと思います(笑顔)。
舞台をご覧になる前は、うちの観劇記事読まない方が楽しめると思いますよ~♪
コメント有り難うございました。