2010年02月01日

「悪魔祈祷書」夢野久作 社会思想社

相当昔に最初に読んだ時の衝撃が忘れられません。それから、何度も読み返しているし、今回、正確にはiphone上の青空文庫のものを読んだのですが、やっぱりこの社会思想社の本が好き!

装丁の表紙がなかなか味わい深いのですよ・・・・。本は段ボール箱に埋もれて見つからなかったけれど・・・。

そもそもシチュ的にも絶好ですしね。

なんというか、高校生の時からあちこちの古書店には入り浸っているものの、その度に本作品のような稀覯本との出会いが経験ができるのでは・・・などと心の片隅で思い描いてしまうのですよ・・・。

読む人をみんな狂わしてしまい、今までの常識がガラガラと音を立てて崩れてしまうような毒のある稀覯本。たまたま流れ流れて、東洋の片隅に辿り着き、それを偶然から手に入れる。
・・・・な~んて素敵なお話でしょう(笑顔)。今でこそ、こんなふうに思えてしまうほど屈折しちゃってますが、当然、若い時に本書を読んだ際には、背筋がゾクゾクとしたことを今でも思い出します。

今でも、微かに感じられるこの薄暗いゾクゾク感は、他の作品ではなかなか味わえない凄みですね。

うちのブログでも採り上げたことありますが、「CODEX GIGAS」(DEVIL'S BIBLE)なんてまさにコレみたいですよね。本書の場合は、普通サイズみたいですが。

あとね、私は無知で知らなかったのですが、知り合いに教えてもらったところ、シュレーカーというのは、実在する方のようでそういう本が本当にあるらしいです。えっー、って思いますよね!

今度調べてみようっと!

いろんな意味で毒の効いた話ですが、本好きなら絶対に面白い&欲しくなる本のお話です。舞台も古書店ですし、対象も稀覯本ですので是非、本好きな方にはお薦めです♪

勿論、夢野久作の作品の中でもドグラ・マグラに次ぐぐらいじゃないかな? 短編でも傑作な一つだと思います。

しかし、どっかにこういう本無いかなあ~?ホント?
 
悪魔祈祷書 (現代教養文庫―夢野久作傑作選)(amazonリンク)

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ラベル:小説 書評
posted by alice-room at 22:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 小説B】 | 更新情報をチェックする
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