
タイトルが関心を惹くうえに、この著者の他の作品のタイトルも是非、一度は読んでみたいと思っていましたが、結論としてはこの程度か・・・ってところです。
絶対に誰もが比べるダ・ヴィンチ・コード、著者はマネじゃないと主張してようがそれはどうでもいいのですが、比較になりません。
映画の脚本家がノベライズしただけあって、確かに目を引きますし、インパクトはあるけど、中身が何にもないのが悲しい(涙)。
そりゃ、METでテンプル騎士団の恰好して、展示品を強奪し、警備員の首チョンパすりゃ、インパクトはありますが、安物B級映画の悪ノリレベルでしょう。
読んでいて上巻で何度辞めようかと思ったことか・・・。
途中、古文書にまつわるエピソード部分だけは、私はイイと思いましたが、あとは「007」の粗悪品ってところです。
崇高な使命に命をかけるくだりは、映画にしたら、感動を呼び起こすシーンでしょう。
まあ、格闘シーンなどアクションシーン、ラブロマンスに陰謀等々など、盛りだくさんだしね。まさに映画だったら、飽きさせない展開かも?
腕のいい監督なら、それなりの映画になるかもしれない。
でも、小説として満足できるほど面白かったかと言われると "否" です!
最初は変に自立した生意気な女性が、数々の出来事を通して、人間愛に目覚め、可愛らしい女性に成長し、大切な人を獲得するに至るというのは、どうでしょうかね?
なんか最初は傲慢な愚者が、結局、謙虚な愚者になっただけで、真の理知的で自立したバランス感覚のある人物になっていないような気がするのだけれど・・・。
まあ、そんな些細な事はおいといて、一番大切な古文書の内容というのが・・・これまた、無知な人しか納得できないレベルの秘密で笑うというよりも泣けてくる。
著者さんに期待することは、もう少しお勉強しましょうね。そういうレベルですね。
歴史ミステリーではなく、単なるアクションノベルです。そちら系が好きなら、別な楽しみ方ができるかもしれませんが、私には楽しめませんでした。
もし、テンプル騎士団とかキリスト教の謎目当て、まかり間違って歴史的な関心から読むのなら、決してお薦めしません。だったら、映画の「スティグマータ」でも観ましょう♪
あ~あ、同じ著者のウロボロス~とかという題名の本は、楽しみにしてたけど、読むの辞めようっと。時間の無駄だもんね。
テンプル騎士団の古文書(上)(ハヤカワ文庫)(amazonリンク)
テンプル騎士団の古文書(下)(ハヤカワ文庫)(amazonリンク)
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