
最近、先週の通勤途中の電車の中では、ずっとこれ観てた。
うむ、困ったもんだ。睡眠を取る暇が無い・・・。
TVで放映されていた STAND ALONE COMPLEX を凝縮・再編集して160分にまとめたもの。最初、よく知らなくて映画でこういうのもやってたのかと驚いてしまった!
もっともこれ観て、内容にもっと驚いたけど。
でもって感想。
いやあ~、映画での「ghost in the shell」、「イノンセンス」もすっごく良かったけど、これも素晴らしい出来だと思います!!
このまま映画館で上映してたら、私は絶対に映画館まで足を運ぶ意思がありますよ~。
厚生族や薬事審議会(今だったら、機構かな?)、幹事長にまつわる一連の騒動など、あれれっ? 日経の一面の見出しかと思いました。
この作品で描かれている世界は、実に&実にリアル。現実の日本社会のほんのちょっと先をトレースしている感覚で、むしろこちらの方がよりリアルだったりする。
TVの政治家交えた馬鹿な討論会(もどき)よか、なんぼかリアリティありませんか? あまりの完成度の高さにゾクゾクしましたよ。
知り合いからもよく話を聞きますが、新薬の許認可している機構が現在、人減らしや予算削減で満足に機能していなかったりで、人の命に関わる部分でだいぶ影響が出ているらしいしなあ~。
トップが何も知らないうえに、八方美人的なマニフェストに縛られ、少数派の支持団体の圧力に屈し、本当におかしくなっていることを感じる昨今とオーバーラップしちゃいますね。
このご時勢に時代に逆行して電子カルテ化の期限だっけ? 遅らしたよね。所得水準の下がっている昨今、医者の診療報酬の点数高くしたのも医師会の要求に迎合したみたいだし・・・。
その一方で、本作品にも多数出てきますが、おのれの正義や職業意識から、淡々と己が為すべき事を行う人々。
(現実の日本でもいますね。中国政府に弱みを握られて国家機密を漏らすように唆されても、頑としてそれを拒み、自殺した大使館員。東海原発の事故で決死の覚悟で突入した人達等。)
どちらも同じ人であり、どちらも現実社会と作品世界の両方にいたりする。
その辺が非常に身近なシンパシーを生むと共に、人の記憶・情報認識といったものに対する、このシリーズの根底に流れる価値観・捉え方もよく出ていると思います。
iPhoneを通して観ていると、本当にそれほど先の未来に思えません。外出すると、ついwi-fiを探してしまう自分やいきつけの図書館で本を借りる前に、既読の本かどうかこのブログを検索している自分の姿からするに、時代がそうなったら、真っ先に電脳化しちゃいそうな自分が浮かびます(苦笑)。
いやあ~iPhoneを使うようになってから、電車の中でも、ホームで立っている時でもiPhoneを見てますもん。飲んでる途中でツレが席を外すとiPhoneでgmailチェックや海外のニュース記事読んでる。
数年来、読まなくなってた2ちゃんねるを頻繁に見るようになり、BBC、TIME、MSNBC、NYTIMESを毎日チェックすることなんて考えられませんでした。
資料用としてgmailアカウントにクリッピングして貯めていたpdfファイルやパワポの資料まで読めてしまうのは感動そのものです。
一人クラウディングしている感じで、海外のWEB上にいろんな写真や動画、各種資料等もおいておけるし、必要のものは、WEBに繋がればみんな得られてしまう。
公共機関や公共の場所では、wi-fi設置を法案化しろとマジ思うほど、影響を受けています。情報の取得が忙しくてブログを書く暇もなかったくらいですもの。
生まれて初めてインターネットを知った時の感動と、同じぐらいの感動をiPhoneで味わっていますが、その感動の種類とは、まさにこの攻殻機動隊の作品の世界観と共通すると感じています。
しかし、本当にこういった作品を作れる、生み出せる日本は素晴らしいですね。麻生元首相の本で、「とてつもない日本」という本がありましたが、まさに日本はとてつもない、IT'S COOL! な国だと思います。
わざわざ外国の有名大学を出た優秀な人材が日本支社で勤務している理由に、「攻殻機動隊」を初めとする日本アニメのファンで是非、日本に来たかったと言ってたのを聞いて私の知り合いはびっくりしたそうですが、納得できるなあ~。
私自身が外国人だったら、このアニメ観ただけで、日本に行きたいと切実に思うことでしょう。日本語をアニメで勉強したというのも気持ち分かるわ~。
元々のTVシリーズと比較すると、どうしてもはしょられた部分があり、それは残念なところかもしれませんが、このDVDだけでも感動・満足感は非常に高いです。
TVシリーズの方も機会を見て、全話是非観てみたいです!!
これは絶対にお薦めの作品ですね。タチコマ人気も、そりゃ納得しますって!
そうそう、少しだけストーリー紹介を。
かつて謎のまま迷宮入りするかに見えた連続企業脅迫事件。その発端は、ベンチャー製薬企業の創業者が誘拐され、解放される姿が公開中継中のTVに流されたことだった。
犯人は高度なハッキングスキルを有するものらしく、生中継にも関わらず犯人の顔はポップな「笑い男」マークで上書きされた。
また、現場に多数いた目撃者達は、観たはずの犯人像を「笑い男」マークで強制的に置き換えられ、その姿は不明なまま、半ば伝説化して大衆のヒーローとなった。
しかし、事件の真相は・・・・全く異なる様相を呈しし始める。
いやあ~絶対に面白いって!!(満面の笑み)
これほど面白い近未来SFは、世界中で日本にしか無いですよ、たぶん。
もっとも、それでいて日本の財政支出に対する国債依存度は太平洋戦争末期と同水準と新聞に出ているくらい、お粗末な国でもあるのが、不思議&不思議♪
EMOTION the Best 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX The Laughing Man [DVD](amazonリンク)
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イノセンス(2004年)押井守監督
「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 虚夢回路」藤咲 淳一 徳間書店
「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society」バンダイビジュアル