2010年02月28日

「仕事は聞け!デキる人は教わり上手」水上 浩一  アスカ・エフ・プロダクツ

安易に何でも聞いて済ませようとする、あるいは最近流行の効率的な仕事術などの類いでの薄っぺらなお話かと最初は疑っていましたが、失礼致しました。

実にきちんとした内容です。

むしろ、企業研修の一環として、新入社員研修の一つに入れておいていいくらいの内容です。

つ~か、教えられずとも自分が社会に出るまでの生活で当然身に付けているべき『基本的事項』だと思っています。でもさ、これ知らない人が実に多いんだよね。

新しい仕事や新しい技術など、何歳になっても知らない事は出てくるし、それは自分で調べたり、勉強すると共に、詳しい周りの人や専門家に聞く事で初めて学べる事が実に多いんだけど、仕事のできるほど、実に腰が低く、且つ適切なやり方で質問したり、情報を集めてあっというまに自分の武器にしてしまう。

その習得速度は、目を見張るほど!

見ていてあれほどの人が・・・という感じで真摯に人に教えを請う姿勢があればこそのその人の実力だったりする。仕事のできない人ほど、あるいは無能な新人君ほど、根拠の無いプライドで固まっていて、大切な機会を失っている姿とはひどく対照的だったりする。

人に聞ける力というのは、実は素晴らしいものであり、電話一本で製品の流通過程・原価・販促戦略・業界の勢力図など、瞬時に知る事ができたりするのにまで至ると、『人脈』にまで成長的発展していきますが、何事も基本が大事!

まずは知りたい対象について、自分がありとあらゆるアプローチで接触して情報を収集し、それと同時並行で周りの詳しい人に、絶対に相手も納得して頂ける形で真摯に教えを請う事で初めて可能になってくることかとも思いました。

教えてもらっているのに、分かったような口をきく愚か者に決してなってはいけないなあ~と、深~く感じ入った私です。私自身もこの点は、よくよく自分で注意していますが、まずは相手を本当に尊敬し、信頼しないと、貴重な価値ある教えなんて入手できないですもんね。

まずは何でもかんでも教えられたものを受け入れて、実践してみて、そのうえで徐々に違和感を覚えたものをピックアップし、更に別ルートで調べて代替案・改善案を出したうえで、周りにも相談しつつ、よりブラッシュアップされた効率的なやり方を見出していく。

これは、何事にもよらず通用する基本原則だもんね。

本書には、そういったことがあちこちに散りばめられています。時々、非常にテクニカルなやり方なども書かれていて、その点でも実用性は高いです。

でも、できる営業マンとか身近にいるできる先輩・上司なら、この手のものを全てとは言わないまでもかなり部分体得しているはず。

あとは、自分個人のスキルアップだけではなく、教えて頂いた方への感謝の気持ちと、場合によっては、自分が思い付いたアイデアの一つも追加してフィードバックなどまで出来れば、部署全体、会社全体への貢献にもなり、教えた方の株も上がって、それが更に良い循環に繋がったりします。

本書でも触れられていますので、そういう点も見逃さずに生かしましょう。

ベテランの方には不要な本ですが、中堅以前の方、新しい環境で悩みを抱えている方などには、役立つ本だと思いました。
【目次】
STEP1仕事は聞け!「教わる」ことの重要性を知ろう

「仕事は聞け!」とはよく言われるが………
デキる人はみんな知りたがり屋
現在の仕事の仕方に満足していますか?
一番うれしいときは成長を実感できたとき
成功の扉は開いている。ただ気がつかないだけ
あなたは今の仕事をどうやって覚えましたか?
その仕事の仕方は本当に正しいかを考えてみよう
「なんとなくおかしい」シグナル
落とし穴は「そこそこできている」こと
「そこそこ」「なんとなく」の部分を発見!
「仕事の仕方を改善する」にはどうするか?
効果的に改善する方法、それが「教わる」こと
仕事場で「教わる」ことのメリット5つ
◎「今、まさに知りたいことを知ることができる──教わるメリット(1)
◎相手の経験時間を流用できる(シミュレーション効果)──「教わる」メリット(2)
◎辞書効果(教えてもらいたいこと以外のことも知ることができる)──「教わる」メリット(3)
◎問題点を把握することができる──「教わる」メリット(4)
◎教えることを前提に教わることができる──「教わる」メリット(5)
スランプ知らずの「定義付け法」
  
STEP2「教わり上手」になる心構え

「教わる」ことがなかなかできない理由
オリジナリティはその仕事を理解することから
あなたの上司・先輩は「教えたがっている」
ハイブリッド・ビジネスパーソンになろう
研修会・外部セミナーの活用方法
準備はバッチリはあり得ない。まずは行動に出よう
教わったことを活かす即効性の高い方法

STEP3「教わり上手」になる具体的なテクニック

「教わる」タイミングがもっとも重要
教えてもらう相手の状況を察する練習方法
大事なポイントでのお願い事は熱意を伝えよう!
効果的な質問方法
明るい表情で接しよう
「教わる」ときには知ったかぶらない
波長を合わせる方法
トーンによって同調する、同調させる
動作を真似るミラーリング

STEP4勝手に「師匠」をつくろう

「教わる」相手を勝手に師匠にしよう
師匠の教えてくれたことは必ず自分のためになると信じよう
自分自身の意志で弟子入りしたのだと確認する
自分なりに理解した上で「鵜呑み」にする
師匠と同じ時間を共有する
ゴールを設定して期限を決める
師匠を徹底的に真似してみよう
「勝手に弟子入り」時のメンタルマネジメント法
感情をどう処理するかがポイント
感情を自覚し、ポジティブに誘導する方法

STEP5自分だけは変えられない。でも、「教わる」ことで変わっていく。

人生で起こっていることに無駄はない!
「線」になると「成果・目標達成」になる
失敗も重要な経験=「点」となる
失敗という「点」の連続だったわたしの人生
自分の得意分野に着目した事業転換
出版、ガイドデビュー、メディアへの露出
M&Aに成功、1億円の借金を2年で返済

おわりに
 人生は簡単には変えられない。でも「点」を増やすことで「変わっていく」
仕事は聞け!デキる人は教わり上手 (アスカビジネス)(amazonリンク)
posted by alice-room at 22:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 実用・ビジネスB】 | 更新情報をチェックする
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