風俗業界っていうのは、普通の人にはなかなか分からない世界であるし、またどこの業界でもそうであるが、そこで働く立場の側からみた世界というは案外違っているものだったりする。
大手百貨店でさえちょっと裏に周れば非常に汚くてホコリまみれだったりするし、クリスマスシーズンのグッチやプラダのリングの検品時など、あまりの数に夜店の露店に並ぶおもちゃ程度の価値しか見出せない。15万円のクロコのビジネスバッグだって、卸は7万円程度。メーカー出しで5~6万円。まあ、そんな世界だ。ちなみにブランドもののリングの原価なぞマーク剥がせば十分の一以下なんてことは、業界の人なら誰でも知っている。
それと同様のことを風俗という業界に絡めていろいろと教えてくれている。単純にそれを知るだけでも楽しい♪ 仕事として一生懸命に頑張る著者は、どこにでもいる人であり、私でもある(おそらく貴方でもある)。少なくともお金と引き換えにプロとしての責任感を持っている点で、仕事をしない(あるいはできない)のにお金を得ているどこぞの人よりは、人間として好感が持てる。
勿論、だから著者の考えが正しいとかいや間違っているとか、そんなおこがましいことを言うつもりもないし、言えた義理でもない。まあ、いろんな人がいていいんだと思う。正直他人には、干渉しないようにするのが基本スタンスだしね、私。
でも、この人の考えには共感できることも多いです、ほんと。著者の場合、風俗に興味があるんですぅ~という人に対して、興味あるならまずやってみれば、とずばり言っているのはまさに納得しますね。別に風俗に限らず、海外旅行に興味があれば、行きゃいいのにという著者の考え方には思わず、うなずいてしまいました。うんうん。何でもやりたければやればいいし、遠まわしに眺めてやってみたいなあ~とかいうだけで何も行動しない人の気持ちがわからんというのは、同感だったりする。
私もやりたいことは何でもやってきたし、行動しないでただやってみたいかも?などというのは、性格的には我慢できない方だからなあ~。勿論、やりたいといってもその強弱があるんですが、真剣にやってみたいと思ったら、他の全てを捨てて行動しちゃうとこあるしなあ~、いかん破滅型だ(自爆)。
とまあ、いろんな読み方ができますが、個人的にはこういうの結構好きです。ただね、後半以降は精神的な葛藤がいろいろと書かれていて、こういうのが駄目な人は辛いかも? 私も昔は駄目だったけど、こういう感じの人と何人か知り合いになり、同調してこちらまでやばくなったこともありましたが、今は距離を置いて対処できるだけの(姑息な)技術を身に付けたので問題ないです。もし、読まれる方はその辺を気を付けてお読み下さい。
基本としては、とっても面白い本だけどね。
そうそう、これを読んで思い浮かべたのが岡崎京子氏の「PINK」という漫画。これは昼はOLで夜はイメクラで働く女性が主人公なのですけど、彼女の生き方は凄い!! 超・ポジティブ。「人生は幸せになる為にあるし、幸せになる為なら、私は何でも頑張って努力する、でなければ生きている意味がない」というその人生哲学は一時、私のバイブルになってましたもん(笑顔)。
私の場合は「恋は肉色」よりもはるかに衝撃を受けましたね。学生時代から万事において努力していかなかればと考える生真面目なタイプだった私には、まさに目からウロコでした。ちょうど、会社を辞めるか否かをうじうじと悩んでいた時だったので、これ読んで「辞めよう」と決意しちゃったもん(漫画で決意すんな、私)。
まあ、これだけではないですが、面白くもない仕事をしてて将来の子会社の社長か役員なんて、悲し過ぎます。人ができる仕事をするなら、他の人がやればいいもの。自分が誰よりもうまくできる仕事。自分が一から開拓した仕事、そういうのじゃないと嫌なんだよねぇ~。必然的に、ベンチャーとかの新規事業や新規部署の立ち上げ担当だったりする。上に報告しなければならないし、許可も得なければならないが、なんでも自分で決めて作り上げ、形にする仕事ってスキ!当然、結果に責任は取らなければならないが、数字なんて挙がるもんだしね。(自分の事業だけ数字が挙がっていないのが泣ける)
まあ、うだうだ書いてしまったが、人生をハッピーに生きようと思う方には「PINK」を絶対にお薦めします。惰性で生きていくよりはいいかも?まあ、こういう生き方選ぶと人よりも何倍も苦労するけどね。その分面白いのは事実。今度、また読み直してレビュー書こうっと。
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