
もっとも昨今のただ血が飛び散ったり、安易な精神異常やストーカー的な安っぽくて分かり易い反面、風情のないホラーがお好きな方には合わないかも?
近代人が有する合理性や科学的知識などという表面的なものが、いにしえからの歴然たる事実によって根底から覆らされるさまが、なんともイイ! まさに理知的に考えれば考えるほど、認めざるを得ない世界に確としてある神秘。
独特の語り口から、次々に紡ぎ出される不思議で幻惑的な事件の数々。春先よりも秋の夜長に最適かもしれませんが、じっくりと読書を楽しみたい向きにはお薦めです。
日常に隠されたちょっとした機会から、想像もつかない非日常へと誘われていくのは、なんとも素敵な体験です。いくつもの物語をあてどもなく、連ねていく感もありますが、それが気にならずにあたかも千夜一夜物語のようで私は好きです。
内容の個別・具体的な紹介は、かえって興醒めになりかねませんので特には触れませんが、ブラックウッドとかと並んでいいものはいいですね、やっぱり!
大昔にこの本を読んだ記憶があるんですが(たぶん本も持っているはず?)、忘れていて先日また買って読んだのですが、新鮮な感じで全然新しい。こういうのが良い作品なんでしょうね。ふむふむ。
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なかなか言い得て妙ですね。マッケンは、日常のなかにある非現実への微かな裂け目を書かせたら、右に出るものはいないと思っています。「パンの大神」なんて、君は好きそうですよね。
ただ、平井呈一翁の訳文は流麗すぎて、私はちょっと苦手です。
いつもブログ見てますよ。相変わらずたくさんの本に囲まれてるようですね。ケルト系やゴシック(文学より建築)関係の本などあったら、安く売って下さいね♪