2010年07月21日

「貧乏はお金持ち」橘玲 講談社

お金関係といえば、この橘氏の本でしょう。小説も含めてほとんど私、読んでるかなあ~。

この著者の本の魅力は、なんと言ってもまず自分で実践して試してきていることでしょう。既存の枠に捉われることなく、自分の頭で考え、自分で情報を集め、実際にTRYしてみる。

単なる節税や財テクとは一線引いていて、あくまでも自己実現の手段として既存の制度等を合理的に解釈して、その不完全さを踏まえたうえでその点を享受する。

まさに合理的経済人なんだと思います。

もっとも本書の端々にも滲み出ているが、そこいらにいるような安易な考えで怠惰な方には絶対に実践できないであろう話です。あくまでも、本来の『人』が持つ自由を達成する為にリスクを勘案し、それを引き受けつつ挑戦する、それだけの気概と真摯な情熱がある人向けのお話です。

いろんな意味でバランス感覚のある教養人なんだと思いますよ著者さん。

読むだけでも面白いですが、普段からこの手のことを意識している人には、非常にたくさんのひらめきのネタが転がっています。

まあ、私自身もここまで行きませんが、少々は試しているので大変参考になりました。いくつか新たにアイデアの種も頂いたので、自分流にアレンジしてまた幾つかチャレンジしてみたいと思います。

マイクロ法人ですが、実際に私は今も自分が作った一人有限持ってるんだよね。定款には、物販から有価証券投資等々、相当数の業務内容を書いてるし、実際に法人として有価証券投資もしてました。

1部上場企業との間で口座も開いたし、経費水増しの為、一生懸命領収書集めとかも(笑)。今は、名称が変わりましたが国民金融公庫からは創業支援融資という制度融資(?)で、無担保で個人名義で数百万円借りて返済計画通りに完済したので、少なくとも私自身の信用は出来ているはず。

そういやあ~本書にもありましたが、最近、借りてないな?
信用増大の為にも、事業資金名目で少し借りておいたほうがいいね。

クレジットカード関係のヒストリーは超・優良客として相当高い信用を保持しているはずですが、事業資金の名目では実績作りが最近足りないかもしれない? う~ん。

今は、休眠会社で寝かしてますが、法人名義の銀行口座も少し動かした方がいいのかも。

しばらく申告してなくて青色申告の優遇なくなったけど、まだまだ使える道具だもんね。とりあえずは、そちらはあまり動かさず、別途個人で開業したことにして、別働隊で動きますか?

しばらく、プログラムをいじるのに夢中でこの方面お留守でしたが、いい加減頑張らないとなあ~。簿記2級相当までは勉強しましたが、最近、決算やってないのでもう完全に忘れてる(オイオイ)。

いろんな意味で本書は刺激になりました!

そうだよなあ~、大学で金融法、大学院で金融(ファイナンス)を勉強したきっかけは、マイケル・ミルケンのジャンク・ポンドや映画の「ウォール街」で深い感銘を受けたからだし、もっと挑戦しないといけないですね。

30代で会社を経営し、40代で自分の会社を上場という当初の夢は、まだ可能でしょう。どこまでできるか分かりませんが、最近、安楽に暮らし過ぎて駄目になりそうだったので少し気合を入れねば!

怠惰な自分を反省する契機になった本書でした。

そうそう、都庁が作った鳴り物入りの中小企業向け銀行の失敗の話、これも興味深かったです。以前、読んだ論文とかも思い出しました(笑)。

最後に本書を読んで、何か一つでも行動に移す人と、何もしない人の間には越えるに越えられない断絶とでもいうべき『溝』がある。最終的には、そこが分かれ目なんだろうと思った。
【目次】
1 楽園を追われて―フリーエージェントとマイクロ法人の未来
この国にはなぜ希望がないのか?
フリーエージェント化する世界

2 もうひとつの人格―マイクロ法人という奇妙な生き物
ふたつの運命
「ひと」と「もの」
株式会社という「人格」

3 スター・ウォーズ物語―自由に生きるための会計
資本主義とデス・スター
自由に生きるための会計

4 磯野家の節税―マイクロ法人と税金
マスオさん、人生最大の決断
節税と脱税のあいまいな境界

5 生き残るためのキャッシュフロー管理―マイクロ法人のファイナンス
フラワーチルドレンのファイナンス革命
キャッシュフロー計算書で資金繰りを理解する
奇跡のファイナンス
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posted by alice-room at 23:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 実用・ビジネスB】 | 更新情報をチェックする
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