
城内に入る。このステンドグラスは、非常に精巧に作られており、モノクロであることが濃淡による微妙な表現をより一層効果的に現している。題材は聖書の中から採られていて興味深い。

でも、あえて一言いうと、上手過ぎるんですよ。
室内から見るステンドグラス故に、インテリアとして極上ではあっても、技巧的過ぎるせいか感動はしません。
これは他のゴシック聖堂とか行っても共通して感じることではあるのですが、時代を下るに従い、技巧的には洗練され、表現はより高度になるものの、圧倒的な情熱・パワー、現実を超越するような非現実的感覚をもたらすほどの感動や高揚感。そうといったものは、感じられなくなってしまう・・・。
なかなかに難しいものです。

とか言いつつ、私の大好きなラファエロ3連発!
フランス国内ではルーブル美術館と並びラファエロ3作品を有するのは、ここコンデ美術館のみだそうです。
まあ、国王に次ぐ大貴族の筆頭ですからね。ここの領主様。
ランブール兄弟のパトロン様ですし・・・。
実際、こちらの絵を見てもらえれば、ラファエロ以外の何物でもないでしょう。
聖母子が主題ですし。
聖母のこのいとし子を見守るまなざしは、他の画家にはどうやってもマネできないでしょう。
ピッティ宮殿で何度も見たけど、女好きのイケメンだったとはしてもこの人の描く聖母子には、感動を禁じえません!!

三美神。

そりゃ「大公の聖母」とかと比べちゃうと、ちょっと・・・というのはありますが、実はここに来るまでラファエロの作品を所有していることさえ知らなかったので、ラファエロ好きの私としてはとっても嬉しいサプライズでした(笑顔)。

サプライズと言えば・・・。
ここはあの「ベリー公の時祷書」を所有しているのですが普段は保存の為、ファクシミリ版しか公開してないので、装飾写本の蔵書が多いとは聞いていたものの、あまり期待はしていなかったのですが・・・。
しかし&しかし、さりげなく『フーケの時祷書』が頁毎にばらして展示してあり、いや~もう~大感激ですね♪
一つの(小さな)展示室が丸々「フーケの時祷書」でもうずっとこの展示室におりました。
光が差し込んで、ガラスが反射して写真は、最初うまく撮れなかったので断念していたのですが、ずっといるうちに太陽が高くなり、光の反射がようやく減り、撮影できるようになって一枚づつ丹念に撮ったものです(エッヘン!)。
色彩も鮮やかだし、構図が実に面白い。以後、延々と装飾写本の写真が続きます。



















シャンティイ城&コンデ美術館3~フランス(20100626)へ続く。