2010年09月20日

「幽霊書店」クリストファー・モーリー

iPhoneで青空文庫の中に見つけたもの。半分はiPhoneで、残り半分はおととい届いたばかりのkindleに媒体を移して読みました。

原題は「THE HAUNTED BOOKSHOP」。

タイトルの幽霊だけど、別に幽霊が出てくる訳ではなく、たくさんの読むべき本を目の前に、あれも読まなきゃ、これも読まなきゃという強迫概念にとり憑かれた状態の古書店主を指したものらしい。

いかにもいそう・・・な、本に対するこだわりを持った、変わり者っぽい古書店主が経営する古書店が舞台。その店に関わる読書好きのひとくせもふたくせもある人達もなかなか楽しい♪

中でも本書の魅力は、何かにつけ、店主が本から引用する台詞が頻繁に、もう飽き飽きするほど出てくること。これ、引用されている本を読んでいたら、とっても面白いんだと思う。つ~かたまらなく面白そう・・・。

でも、残念ながら、私は本書で引用されている元本をほとんど(全てかも?)読んでないのでその面白さが直接分かりません。それが非常に歯痒くて悲しいのですが、正直それらは私個人の興味の対象外なので、今後も読まなさそう。

しかたないですが、それは個人的に残念でした。

でも&でも、いかにも本好きで本は人類にとって至高の宝物と思い、何よりも本を読んでいるのが幸せという感覚は、なんとなく分かります(笑顔)。R.O.Dの読子さんなら、きっとここの店主と熱く語ってくれることでしょう♪ そういう系のお話です。

あっ、でも一応、体裁的には推理小説になるらしく、怪しげな人物やらが出てきて、探偵ごっこが始まり、謎解きなんかもあったりしますが、そちらはおまけですね。

古き良き時代の、風情を感じさせる愛書家を取り扱った小説ってところです。個人的には、こういうのは好きかも。読んでいて、とても楽しかったです。

二日前も用も無いのに、神保町を周ってちりめん本の和紙に印刷された黴臭い本やら、100年以上前の洋書の扉絵とか触れてましたがなんだかねぇ~。で、その後、秋葉のジャンク街をうろついて、見るからにパチもんっぽい中華製androidタブレットをいじってましたが・・・それが3連休の1日の過ごし方という私も終わってるなあ~(自爆)。

今日は、昼間っから酒飲んで、まどろみながらkindleで本書を読んでました。いつのまにか寝てましたが・・・。結構、そういうのは好きですねぇ~。

もっとも本書の古書店主のようにタバコは吸いませんけどね。タバコは臭いが嫌いなので。元、喘息持ちですし。

でもまあ、酒飲んで本を読んでそのまま寝るってのは、一番の快楽ですけどね。さて、このブログ書いたら、また読書しよっと。iPhoneでは画面が小さくていらいらしてたのですが、Amazonのkindleは、なかなか快適なんで。(不満はあるけど、まずは合格点!)

そうそう、本作品について一言。
原著は洋書で日本で言うなら、青空文庫(そもそもグーテンベルク・プロジェクトがモデル)のように著作権切れの作品をみんなが読めるようにしたグーテンベルク・プロジェクトというのがあり、そこで公開されていた作品。

どうやら、それを個人の方が翻訳してテキスト化し、青空文庫とかで公開されているようです。通常のように翻訳本の著作権が切れたものをテキスト化する流れ以外にもこういうのあるんですね。知りませんでした。

訳は自然で非常に読み易かったし、作品も面白かったです。他の青空文庫とかで協力されている方々を始め、善意の方の協力のおかげですね。恩恵に与っている身としては、大変感謝です!!

でも、ネットのこういう善意の仕組みってのは、本当に素晴らしいですね。有り難いことです♪

ブログ内関連記事
「世界古本探しの旅」朝日新聞社
「世界の古書店Ⅱ」川成 洋 丸善
「世界の古書店」川成洋(編) 丸善
「古書店めぐりは夫婦で」ローレンス ゴールドストーン, ナンシー ゴールドストーン 早川書房
「本の国の王様」リチャード ブース 創元社
「古書街を歩く」紀田 順一郎  新潮社
「古本道場」角田 光代、岡崎 武志 ポプラ社
「古本屋さんの謎」岡崎 武志 同朋舎
「古書法楽」出久根 達郎 中公文庫
「愛書狂」鹿島茂 角川春樹事務所
ナインズ・ゲート デラックス版(1999年)ジョニー・デップ主演
「謎の蔵書票」ロス キング 早川書房
「ある愛書狂の告白」ジョン・バクスター 晶文社
「書物の敵」ウィリアム ブレイズ 八坂書房
「呪のデュマ倶楽部」アルトゥーロ ペレス・レベルテ 集英社
posted by alice-room at 19:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 海外小説B】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック