
ただ、想像以上にくせがあり、強烈なのも事実。日本人の大半には受け入れられないような気がします。また、逆に進んで受け入れる人の中には、失礼ながら安易なスピリチャアル系のブームに躍らせれているような人がいそうな感じがしてなりません(大変失礼ではありますが・・・)。
なんで、こんな前置きをするかというと、それくらいこの本は特殊で神秘主義的なのです。但し、誤解して欲しくないのはここで描かれるものは宗教色やオカルトではなく、もっと&もっと深い次元での精神性の問題であるように感じます。
私の一人よがりな感性でいうならば、修験道の荒行による神秘体験、それを通じて人間の意識の中で培われる『生へのエネルギー』あるいは『生きていく自信』といったようなものに近いのかもしれません。深い絶望を経験したり、真剣に悩んだことのある人であるならば、この小説の背後にある核心的なものを感じ取れるかもしれません。
別に年齢は関係ありませんが、それなりに人生経験なり、人生を変えてしまうような決断をしたことがある人なら、共感できるかもしれません。ただ、日々を生きている方には「なんだこりゃ?」と思うかも・・・。
小説の粗筋は、とある秘密結社の一員が主人公。もうすぐマスターというところで、試験に落ちてしまいます。その代わりにマスターとなる為には、徒歩で巡礼の道を行き、とある剣を見つけ出さねばならない。
その巡礼の道を歩く過程で彼が経験し、理解し、身に付けていく諸々のこと。人が人生を生きていくうえで、知らず知らずに体験していくこととの同一性。非常に深いものがあります。
平易な言葉で語られるだけに、奥が非常に深い。言葉が悪いが、アメリカじゃ売れないだろうなあ~(笑)。いろいろな意味でブラジル出身の作家さんというのも納得です。ああ、またブラジル行きたくなったよ・・・ほんと!
人には薦められない本です。でも、私はこういうのも大好きです。勝手な思い込みだろうとなんだろうと、私には非常に共感でき、深く&深く感銘を受けました。
日々一生懸命に生きていくことも大切なのですが、時には立ち止まって本来の自分を再認識することの重要性を痛いほど、思い出させてくれます。
ちょっと体調を崩して昨日一日中家で寝ていたので、いささか精神的に過敏になっていたりして・・・。この本読みながら、黄金伝説(聖人伝)の第三巻読んでたのでより一層心に響いたのかも・・・。
星の巡礼(amazonリンク)
関連ブログ
「アルケミスト」愛蔵版 パウロ コエーリョ 角川書店
アルケミストもよかった。
又読みたくなりました。
でも、睡眠も大切ですよね。読書も好きですが、夢を見るのも大好きです(笑)。おやすみなさいませ。
この本もそうですが、山川夫妻の訳だとやはりスピリチュアル系に偏りがある感じがして、日本語の文章があまり好きではありません。
最近のコエーリョの本を訳している旦 敬介氏の方が私は好きです。
>最近のコエーリョの本を訳している旦 敬介氏の方が私は好きです。
翻訳物って、やっぱり訳す人によって、印象はだいぶ変わりますよね。私は、他の訳を知らないので今度からちょっと意識してみたいと思います。情報有り難うございます。こういうのって知らないと気付かないままですもんね。旦 敬介氏の訳ですか、ちょっと楽しみになりました(笑顔)。