
最近、アニメ化された「化物語」等で西尾氏のファンになった層にはおそらくついていけない、面白いとは思えない(くいつかない?)正統派のミステリ系推理小説です。
受けないし、売れないでしょうね。
でも、私はこの作品好きですね!!
個人的には十分に評価に値する面白い、魅力ある作品だと思います。
逆に言うと、この手の作品を誰よりもきっちり書けるだけの力量のある作家が、戯言シリーズや「化物語」系の作品を書いているのが、また、興味を惹くんですけどね。
「ニンギョウがニンギョウ」とかに比べれば、これははるかに常識の範囲内で正統派の範疇。知らない推理作家の作品として読んだら、この作家のシリーズ、読んでもいいかも?って私なら思います。
ちょい京極かと錯覚を起こす事もしばしば。
最近、あちらは読んでないけど、あちらの作品よりは、こっちの方がプロット的に好きだなあ~。
キャラ立てにしても、いつものような、過剰で異質で、あざといまでの記号化はなく、探偵役としては実に地味にいい味出してるカンジ。それでいて、しっかり性格付けできている。
ワトソン役の腑抜けたニート系お姉ちゃんは、正直、タイプじゃないし、作中から排除したいぐらいなんですが、必要なんでしょうね。周囲の特異性を際立たせる為と、読者と作品をつなぐ同時代性・共感を呼ぶ為の反射的存在としてのダミーってところなんでしょうか?
病院坂黒猫はいないのよ、トホホ。なんとも残念です。
ネタバレしない程度に粗筋。
ネットカフェで殺人事件発生。隣のボックスにいた人物に容疑がかかるが・・・。
何故かその人物の身元引受人になる、どこにも就職できなかった限りなくニート寄りお姉ちゃん(一応、自宅外でバイト経験有り)。それを雇う、超売れっ子作家先生の叔父様。
推理小説としては平均水準かもしれませんが、なんとなく気になって続刊が出れば、確実に買いますね、私。
この作品については、お酒飲みながら、一緒に語りたかったなあ~。
1月に知り合いが亡くなっていたのに、喪中ハガキで知るまで、分からないでいた使えない私です。なんか、腑抜けているのは私か?
あの人もこの作品、気に入るのではないかと思ったんだけどなあ~。急逝されたのが1月だったら、まだ読まれてなかったかもしれない。ふと、そんなことを思いつつ読んだ作品でした。
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